ワインを楽しむための知識

BYO|飲食店にワインを持ち込んだら嫌われるよね?

ワインバーのお客様はワイン通の方も多く、そのため”自分で購入したワインをワインバーに持ち込んで楽しみたい”という人も少なくありません。

飲食店にワインを持ち込んで飲むことをBYO(Bring your own)といい、ワインバーだけでなくフレンチやイタリアンなどの専門レストランでも目にすることもあります。

普通に考えれば「お店にワインがおいてあるのにあえて持ち込むのは嫌がられるんじゃないか」という考えになるかと思いますが、実際のところはどうでしょうか。

もちろんワインバーによってはBYOを歓迎するところもありますし、逆にお断りするところもあります。

ここでお店ごとの差や「なぜこのお店はBYOを歓迎するのか、お断りするのか」を検討してみましょう。

 

一部の紹介では、「BYOはお店にもお客にもウィンウィンの形式だ」という理屈もあります。では、本当にその理屈が正しいのであれば、世の中BYOのお店だらけになるはずです。

しかし現実はそうではありません。

一部の人にとっては面白くない意見かもしれませんが、ぜひご一読ください。

 

ワインバーにワインを持ち込む

本音では嫌がられていると思おう

ワインファンには大変に申し訳ありませんが、飲食店からすればワインを持ち込まれると同じことをやっても儲けが少ないので嫌がるのが普通です。

もちろん中には大歓迎のジェスチャーで受け入れる所もありますが、この場合、残念ですがお店の本音を引き出していないと思ったほうがいいでしょう。

例えばワインバーで1本1万円のワインで原価率が30%の場合、7000円が粗利益になりますが、持ち込み料を1本2000円にすれば2000円にしかなりません。

厳しい意見ではありますが正論から言えばこのようになりますので持ち込む側は最低限の節度はわきまえるべきだといえるでしょう。

 

逆に、客単価が低く、一本4000円がワインの単価だとしましょう。

この場合、仮に持ち込み料を2000円だとすれば、持ち込みのほうが利益が大きいのでお店としては断る理由はないでしょう。

ただし、このくらいの単価のお店では、ワインファンが望むような丁寧な接客ではなく、もっとフランクでスピーディーな接客です。

ワインファンがワインを持ち込みたいお店とは、いい環境の中でいいサービスを受けられるお店ですから、これでは若干の矛盾があるでしょう。

 

持ち込みが嫌われる理由

ワインバーにワインを持ち込むのが嫌われるのは利益率が下がるという経済的な理由が一番ですが、それ以外に「扱ったことのないワインをサービスする」というプレッシャーもあります。

お店にあるワインであればサービス温度やグラスの種類、デカンタージュの有無などを事前に予測できますが持ち込みのワインであればこうはいきません。

誤ってサービス温度を高めに設定したり低めにしてしまうことも考えられますし、グラスの形を最善なものにできないことも考えられます。

ワインバーにワインを持ち込むお客様はたいてい無邪気に持ち込むことが多いのでリアクションも無邪気なことも考えられます。

初見のワインだと判断が難しいことも多く、予測できないことも少なくありません。

そんなときに「サービス温度が低かった」「持ち込み料が高い」なんて言われたらお店の側は決していい気はしないでしょう。

 

持ち込みが喜ばれる場合

基本スタンスは前述のとおりですが、逆にワインの持ち込みが喜ばれる場合もあります。

例えば珍しいワインを海外で買った場合に、まだ日本では入手が困難な場合にソムリエさんであれば「一度味見してみたい」と思っていることもあるでしょう。

また、駆け出しのソムリエさんであれば好奇心もありますのでお店にないワインはぜひサービスしてみたいと思うものです。

この場合は持ち込みは喜ばれることもありますし、ソムリエとしては腕の見せ所と言えるでしょう。

ただし、持ち込む側は「珍しいワインだ、これは喜ばれる」と思っていても、たいていの場合はお店のほうが一枚上手のほうが多いので事前に検討しましょう。

 

お店の側の心理を知ろう

ほとんどのお店は「ワインを持ち込みたい」と言われた場合、あからさまに困った顔はしません。

ただしこれを鵜呑みにするとお店側のサービス精神をそぐことになるので注意が必要です。

お店とお客の関係性は、圧倒的にお客の側が強いので意に反することにも笑顔で接することを求められます。

それが「いいお店だ」という判断にもつながりますし、ホテルやレストランのサービスは基本的に「NOといわないのがいい接客」という不文律がありますので仕方がないとも言えます。

もちろん持ち込む側の気持ちもわかりますし、いいワインをいい環境で飲みたいのは当たり前といえます。

ただし度を超すと単なる押しつけになりますし、最悪な場合お店の首を絞めることになるのです。

 

喜ばれる持ち込み方とは?

ワインバーにワインを持ち込むのはこれらのデメリットがあるのですが、では全く可能性がないかといえばそうではありません。

ここで「それでも持ち込みたい場合」を想定して喜ばれる持ち込み方を検討してみましょう。

まず第一は「持ち込む前に常連になる」これにつきます。

いきなり初めて来たお客様がワインを持ち込みたいというのと、常連客がいうのでは対応に差があって当然でしょう。

「あのお客様はいつも来店くださっている。今回は旅行の思い出にワインを持ち込むらしいので何とか力になりたい」と普段以上の接客をしてくれるかもしれません。

 

 

また、例えばボトルワインを五人で5本注文し、最後の1本だけ持ち込みのワインを飲みたいというのも「そりゃあ5本も飲んでくれたら1本くらいいいでしょ」となるでしょう。

さらに、持ち込みのワインが珍しいもの、高価なワインであればお店の人に味見程度の量でいいので「ぜひどうぞ」と差し出せば喜ばれるものです。

 

「こちらは客なんだから」「持ち込んで当然」という態度では、お店側は笑顔でも「このお客はわかってない」と烙印を押され、決していい関係を築けません。

最低限本来の使い方ではないことをわきまえたうえで持ち込む理由を伝え、お店側に受け入れられる持ち込み方をしましょう。

 

まとめ

ワインファンの方には大変に申し訳ないことを紹介しましたが、そんな中にも納得できる部分もあったのではないでしょうか。

中には「BYOをよろこんで受け入れるお店こそいいお店だ」という意見もあるかもしれませんが、BYO向けにつくったお店でない限り経済的に不整合がありますのでそれは特殊な例ととらえるのが無難です。

もちろん、思い出のワインや珍しいワイン、いただいた高級なワインを自宅で飲むのは味気なかったり、いい環境でいいワインを飲みたいのはワインファンであれば誰しも理解できます。

ワインバーの店員さんはワインファンであることが多いのでそこは理解しています。とはいえお店も経営なので両手では喜べないという難しい立場なのです。

 

BYOに関しては意見の分かれる題目です。

そうなるとどうしても「ぜったいにいい」「絶対にダメだ」の理論になりがちですが、それではお店との付き合いは先が思いやられます。

ワインを持ち込みたいのであれば持ち込みを受け入れられやすいように”さりげなく気を使う”ことが喜ばれる持ち込みの秘訣と言えるでしょう。

 

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