ワインは通常750mlで販売されているので一人暮らしの方ですと一本を飲み干すのは大変です。
お二人であっても残ってしまうこともあるでしょう。
とはいえ、「ワインは開けたら飲み干すもの」という決まりを聞いたことはないでしょうか?
ワインは劣化が早いので、開けたらその日のうちに飲み干してしまわないと品質が落ちてしまうという考えがあるのです。
「そんなことをいったら大酒飲みしかワインを変えないじゃないか」
と思う人もいるでしょう。
しかし実際にはワインは開けた後にも数日間は楽しめるものですし、ワインによっては品質が劣化しづらいものもあります。
ここでワイン別に開封後の賞味期限を検討し、開けた後について解説していきましょう。
Contents
ワインを開けた後
その日のうちに飲むべきワインとは?
最初に申し訳ないのですが、ワインによってはやはりセオリー通りに開けた日に飲み切るほうがいいというものがあります。
開けてから一番時間をおいてはいけないワインは、ヴィンテージの古いワインでしょう。
例えばシャトーマルゴーの1950年代を思い浮かべてみましょう。
すでに70年近く前の収穫のワインで、瓶の中でじっと開けられるのを待っていますが、さすがに古すぎてバランスが極限ギリギリの状態なのです。
この場合は抜栓する前に立てて置き、オリをボトルの底に沈め、デカンターをせずにそのままそっとグラスに注ぎます。
そして最初の一口にすべての神経を集中させて飲むことになります。
時間が分単位で変化していきますので、こうなると日持ちはほぼ不可能と言っていいでしょう。
また、一本1万円を超えるようなワインも開けたときに最高の状態をお届けするように造られているものなので、やはり開けた後はそのまま飲み切ったほうがいいということになります。
(もっとも、ワインによっては開けて翌日のほうがおいしいワインというのもありますが、これはレアケースなのでここでは飛ばします。)
自然派ワインはその日のうちに
自然派ワイン(当サイトはこの言葉は積極的に採用していません)と呼ばれるワインの中でも特に酸化防止剤無添加を標榜するワインは、そのまま解釈すると酸化に弱いということになります。
そのため劣化は激しいと考えられますので、念のためその日のうちに飲み切ったほうがいいと考えましょう。
開けた後に数日は保存が可能なワイン
では、最もボリュームゾーンの「開けた後の数日で飲み切るワイン」というものを検討しましょう。
このワインはずばりコンビニワインのように1本2000円以内のワインで、大量に造って大量に売るワインのことを指します。
このレンジのワインは、ご家庭で気軽に飲まれることを第一義として造られています。
そのためデリケートでわかりづらく、扱いの難しいワインはおのずと選ばれません。
流通するワインの多くはおおらかに楽しむことができて扱いも簡単なものが多く、実際に残っても数日間は品質に目立った変化は見られません。
開けた後も品質が劣化しにくいワイン
開けた後に品質がほとんど劣化しないワインというのも実際には存在します。
もっとも知られているものにポートワインやマディラワインなどの酒精強化ワインがあげられます。
これらはアルコールで酒質を強化していて、そのため劣化に強く長持ちすることで知られているのです。
実際にマディラワインはポルトガルが大航海時代に船の中でもおいしく飲めるように考えられたワインなので、日持ちすることがウリなのです。
また、甘味のもととなる糖分も多ければ微生物の活動が抑えられますので、やはり劣化は押さえられるといっていいでしょう。
ただし、ポートやマディラ、甘口ワインの中でも高級で品質のち密さを楽しむようなワイン(例 ヴィンテージポートなど)はできる限りすぐに飲み切りましょう。
中間のワインは・・・?
ここまで上げた中で、では2000円から10000円の中間層のワインはいったいどのように扱えばいいかと疑問に思う人もいるでしょう。
これは一つの考え方ですが、
・古いワインであればあるほど早く飲み切る
・繊細なワインであればあるほど早く飲み切る
・値段が上がれば上がるほど早く飲み切る
これらをもとに、ワインごとに判断するしかありません。
まとめ
いかがでしょうか、ワインを開けた後の取り扱いを解説しました。
もっとも、「じゃあ飲み切らないといけないものか」ということになるとそれはそれで返答しづらいものといえます。
アルコールが苦手な人に飲み切れというのも酷な話ですし、体調がよくないときもあるでしょう。
この場合は残っても仕方がありませんし、あまり気にせずに栓をして翌日にでもまわしてしまいましょう。
逆に考えれば、その日のうちに飲み切ったほうがいいワインであれば、体調がいい時や自分以外の人と一緒に飲む機会に開けたほうがいいということになります。
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