ワイン以外のアルコール

アルマニャックとは?特徴とその楽しみ方

アルマニャック(ARMAGNAC)は、フランス西部にあるブランデーの生産地です。

ワイン産地として有名なボルドー地方の南に位置しており、ガスコーニュとも呼ばれている地域です。

ジェール県、ランド県、ロット エ ガロンヌ県にまたがっており、ボルドーの北にあるコニャックと共に、ブランデーの二大産地として知られています。

 

アルマニャックは昔、9つのガスコーニュ族がこの地を支配していて、部族間の確執はすさまじいものがあったとされています。

共通の敵であるローマ軍の侵略の時に唯一手を組んだとき以外は争い続けたのだから相当のものだったのでしょう。

これがこの地方の生産者の独立的気風につながっているのか、早くから国際舞台に躍り出たコニャックに比べると内向きで個性的な酒造りとなるのです。

全体的な傾向として、栽培から醸造、蒸留、瓶詰めまでを自前でするところも多いのがアルマニャックの特徴といえます。

蒸留の技術は機材さえあれば小規模な生産者でもできますが、これがこの地方の生産者の気風ともマッチしたのでしょう。

 

アルマニャックとは?

全体像

アルマニャックはジェール、ランド、ロットエガロンヌの3県の限られた地域で生産されます。

アルコール度数は最低40度で、コニャックと違ってヴィンテージものがあって、その年に収穫されたブドウを使って造るものもあります。

 

コニャックよりもブランデー造りの歴史は古いとされており、スペインからピレネー山脈を越え、14~15世紀にアルマニャックに伝わったとされています。

中世のころの科学はいろいろ説はあっても煎じ詰めれば黄金と不老不死の霊薬を狙う錬金術で、ワインから造るアルコールの強いブランデーは格好の研究対象となるのです。

蒸留の技術そのものはあっても根拠があいまいなため、こうなると門外不出の秘宝として承継されるほうが都合がよく、一部の錬金術師や僧侶に伝えられ引き継がれていきました。

 

今日のようにアルマニャックの名が世界的に広まったのは、17世紀ごろのことです。

当時ガスコーニュ産のワインが、頻繁にオランダに輸出されていました。

しかしボルドーワインの市場保護のためにガロンヌ川を経由してボルドー産ではないワインを運ぶことができなくなったのです。

こまったアルマニャックの生産者でしたが、「それじゃあブランデーだったら規制の対象にはならないだろう」とワインを蒸留し、何食わぬ顔で流通を続けます。

これをオランダの貿易商が目をつけて大々的に輸出をはじめ、徐々にアルマニャックの知名度が高まります。

蒸留酒はワインに比べて体積がちいさく、これが開運流通になじみが良かったうえに、オランダやイギリスなどは寒いためアルコール度数の高い酒が望まれていて、これが時代とマッチしたのです。

 

 

エリア

アルマニャックでは、土壌の構成などを考慮して3つの生産地域が区分されています。

最も上級とされている生産地がバ ザルマニャックであり、繊細で上質なブランデーが生産されています。

その次の産地が緩やかな起伏のあるテナレーズ、その次が最も面積が広いオー タルマニャックです。

オー タルマニャックではコロンバールの栽培面積が広いですが、テーブルワイン用が多く、ブランデー用のものは多くありません。

 

このバ ザルマニャック(BAS ARMAGNAC)とオータルマニャック(HAUT ARMAGNAC)は、
 
バ ”BAS” 低いという意味
 
オー ”HAUT” 高いという意味
 
なのですが、これが品質の高低と誤解されがちです。
 
バとかオーは単純に地理上の意味合いなので全くの無関係です。
 
実際に品質はバのほうが優れていて流通価格も上なので、基本的ではありますがここは押さえておきましょう。

 

製造方法

秋にブドウを収穫し、アルコール度数9%程の白ワインを作り、澱引きせずに蒸留します。

基本的にはガスコーニュ産の400Lのブラック オークで熟成を行います。

アルマニャック製造方法の特徴は、半連続式蒸留機であるアルマニャック型アランビックを使用して1度蒸留することです。

精留があまり進まないため、男性的で力強い原酒を得ることが出来ます。

もっとも、男性的というと少し気取ったいいかたで、要するにごつごつしていて荒々しく、熟成年数を多めに取ることで洗練さをこれを補うのです。

(1972年からは、単式蒸留機であるシャラント ポットスチルも使用が認められましたが、現在も80%ほどはアルマニャック型を使用して蒸留されています。)

 

 

この流れから、アルマニャックには「長く熟成させればさせただけいい」という風潮があり、これがまがい物を生むきっかけとなってしまうのです。
 
19世紀の終わりから1960年代頃まで信じられないような長期熟成品が現在のVSOP並みの出荷量であったことがあり、要するに年を誤魔化して出荷して出回ってしまっていたのです。
 
アルマニャックの生産者の多くは独立的気風が強く、そのためネゴシアンを通さずに直接バイヤーに売っていることも多く、これが規制の監視が行き届かない原因となってしまいます。
 
コニャックは全生産量の約8割が輸出業者の大手ネゴシアンを経て卸売されるため規制の監視がしやすく、これがコニャックに水をあけられる原因となったのはその通りでしょう。
 
大手ネゴシアンの寡占は、さまざまな弊害もありますが、これはその逆である好例といえます。

 

 

ブドウ品種

ugni-blanc

ブランデーに使用するブドウ品種はワイン用とは異なり、糖分が少なく酸味が強いものが使用されます。

酸味の強いブドウは香気成分が豊富で、華やかな原酒を得ることができます。

糖分が少ないブドウ品種を使用すると、出来上がるワインのアルコール度数は低いです。

そのため蒸留において、一定のブランデーを製造する際にはより多くのワインを使用するため、非常に凝縮した味わいの原酒を作ることができます。

 

アルマニャックでは主にユニ ブラン、フォル ブランシュ、コロンパール、バコ22Aが使用されています。

バコ22Aはフォル ブランシュとアメリカ系品種のノアからできた品種です。

ユニ ブランを使用して作られたアルマニャックが大半で、80%ほどを占めています。

ユニ ブランは、イタリアのトスカーナ地方原産の白ブドウ品種で、トレビアーノ トスカーノ、サンテミリオンとも呼ばれています。

 

アルマニャックの等級

アルマニャックの等級に関しては、全国アルマニャック事務局が規定しています。

アルマニャックの熟成年数の基準として、コニャックと同様にコントという単位が使用されます。

コントとは、蒸留が終了した4月1日から翌年の3月31日までをコント0とし、蒸留後の翌年の4月1日から翌々年の3月31日までをコント1として加算していきます。

 

コントを使用する点はコニャックと同じですが、アルマニャックはコニャックとは異なり、コント1という熟成年数が若い原酒を使用して製品化することができます。

またコニャックと同じ表記であっても、コント数が異なるものもあります。

スリースターはコント1以上。VSがコント2以上。

VO、VSOPがコント4以上。

Napoleon、XOがコント5以上と規定されています。

VSはVery Special、VOはVery Old、VSOPはVery Superior Old Paleの略であり、XOはExtra Oldの略です。

 

また、様々な熟成年数のものをブレンドして製品化しているものが多いですが、ラベルには熟成年数の平均ではなく、ブレンドされている最も若い原酒のコント数を元に、表記しなければいけません。

 

アルマニャックの楽しみ方

コニャックと同様に、アルマニャックもアルコール度数が高く、そのため食後酒として飲まれ、食中酒には向きません。

食後の一杯に飲むことで高アルコールによって胃が活性化され、これが消化を促進させるとされているのです。

コニャックと並ぶ世界に誇る高品質なブランデーなので、水や氷で割ることはしません。

ボトルからグラスに注ぎそのまま楽しみましょう。

グラスはチューリップグラスか大ぶりなブランデーグラスで、香りを楽しみながら少量を口に含みます。

アルマニャックは風味が強いので少量でも口いっぱいに上質なアルコールの印象と木樽のかおり、それからすみれやアプリコットのような香りが感じられるでしょう。

 

 

もっとも、ブランデー全般に言えることですが、風味が強いのでそのままでは疲れてしまうものです。

そのためトリュフチョコレートやドライフルーツ、ナッツなどがあったほうがより一層アルマニャックを楽しめます。

 

また、葉巻を楽しむ方は、しっかりと管理された上質なシガーとも合わせてみてはいかがでしょうか。

切り口を小さくするとシガーの風味がスパイシーになりがちなので、オーソドックスにフラットカットでいいでしょう。

キューバやドミニカの柔らかい風味のシガーの中ぶりのものを楽しみながら、アルマニャックと最高の時間をお過ごしください。

 


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