ワイン用語集オーストリアのワイン

オーストリアワインの基礎知識|産地とブドウ品種

オーストリアは、日本ではあまり知られていませんが近年急激にワイン界の様相を変えた国といえます。

冒頭から申し訳ないのですが、もとをただせば1985年のジエチレングリコール事件がこの国のワイン界を一掃したことで、良くも悪くもすべての要素に激震をもたらしたのです。

ジエチレングリコール事件とは、ガソリンの不凍液をワインに加えることで味わいにまろやかさと果実風味を豊かに感じさせる不正を一部の業者が行ったのです。

これがオーストリアの最大輸出国であったドイツで火が付き、その後に世界的なスキャンダルとなるのです(日本にもその余波はあった)。

信頼が失墜したオーストリアワイン界は、まずはその原因を突き止め、猛省し、国を挙げてのワインの品質向上に取り組むのです。

もともと天候も土壌もワイン造りに向いていたため信頼回復は比較的早く、さらにワイン界を牛耳っていた親爺たちが一掃されたため新制度の確立も適切で速かったのです。

現在ではたった30年ほど前のことにも拘わら完全に克服し、清潔感があってピュアなワインというイメージの国となっています。


オーストリアはドイツ語圏で、ワイン用語もドイツ語表記が多いため、ドイツワインの弟的なイメージがありますが、ドイツワインがいまでも甘口ワインが多いのに対してこちらは辛口ワインが圧倒的です。

43000ヘクタールほどの栽培面積から白ワイン赤ワインでほぼ2:1の量で生産されています。

ドイツに比べて温暖なためワインの酒質はボリューム感があって酸味と果実味のバランスがいいものが多いのが特徴です。

 

オーストリアのワイン

主なブドウ品種

オーストリアはドイツ語圏なのでドイツと同様のブドウ品種が多くなりますが、固有の品種としてグリュナーフェルトリーナーがあって、これがオーストリアワインの象徴と言える品種です。

緯度に比べて日照量が多く、そのためリッチな口当たりになることがおおくなります。

ドイツと違って甘口ワインよりも辛口のワインが多く、そのため日本料理とも合わせやすいでしょう。

 

一般的な知識としては、以下の四つを押さえればほぼ問題ないでしょう。

 

<Grüner Veltliner グリューナー フェルトリーナー>

グリュナー フェルトリーナーは、オーストリアで最も栽培されている白ブドウです。

特にニーダーエステライヒとブルゲンラントで栽培されています。

和食との相性が良いワインが多く、日本でも徐々に知名度が上がってきています。

オーストリアを代表する重要な品種で、白ブドウのトラミネールと交配して生まれたとされています。

 

とても樹勢が強く、多くの実をつけることができるので、収量の調整が必要です。

比較的淡い色のワインが多く、香りは白胡椒や青いハーブの香りが特徴です。

味わいはフレッシュな酸味とキレがあり、ミネラリーなタイプが多く生産されています。

オーストリア以外では、ドイツやチェコでも栽培されています。

 

<welschriesling ウェルシュリースリング>

北イタリア原産の白ブドウで、オーストリアでは二番目に広く栽培されている品種です。

イタリアではリースリング イタリコと呼ばれています。

豊かな酸味を持ち、柑橘的な香りと繊細な味わいが特徴的です。

辛口から甘口、スパークリングなど様々なタイプのワインが生産されています。ハンガリーやクロアチアでも栽培されています。

 

<Zweigelt ツヴァイゲルト>

1922年にフリッツ ツヴァイゲルト博士によって開発され、オーストリア国内で広く栽培されている黒ブドウです。ブラウフレンキッシュとサン ローランの交配品種です。

フルーティーな香りを持ち、タンニンが強いことが特徴です。

熟成を経ていない早飲み用のワインもあれば、小樽で熟成された高級ワインなど、幅広いワインが生産されています。

ハンガリーやチェコ、日本でも北海道など寒冷な地域で栽培されています。

 

 

<Blaufränkisch ブラウフレンキッシュ>

ブラウフレンキッシュは、ブラウアー ツィメートトラウベとヴァイサーホイニッシュの交配品種で、色々な品種の交配にも使われています。

ドイツではレンベルガーと呼ばれています。

晩熟で、スパイシーさがあり、タンニンが豊富で長期熟成に似ている黒ブドウです。

 

主な産地

オーストリアでは主に東側のエリアでワインが生産されています。

以下の四つの州を押さえたうえで、興味のある方は個別の生産地域を押さえればいいでしょう。

また、オーストリアにはホイリゲ↑という新酒が有名です。

炭酸ガスを含むぴちぴちした口当たりはとてもさわやかです。

 

<Niederösterreich ニーダーエステルライヒ州>


オーストリアの東北部に位置し、最もワインを生産している州です。

オーストリアワインの約60%が、ニーダーエステライヒ州で生産されています。

グリューナー ヴェルトリーナーやリースリングを使用したワインは、特に高い評価を得ています。

ヴァッハウではオーストリアのワイン法とは別に、独自の基準でワインの格付けを行うなどワインの品質管理を厳しく行っています。

ヴァインフィアテルはオーストリアで栽培の産地で、グリューナー ヴェルトリーナーが主に栽培されています。

 

<Burgenland ブルゲンラント州>

オーストリア東部にあり、ハンガリーとの国境付近に位置している州です。

オーストリアで生産される赤ワインの半分近くが、このブルゲンラントで生産されています。

ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトが栽培されています。特にミッテル ブルゲンラトでは、ブラウ フレンキッシュから力強く高品質な赤ワインが生産されています。

ノイジードラーゼー湖周辺では、湖がもたらす湿度により、貴腐ワインが生産されています。

西側のノイジードラーゼー ヒューゲルラントではルスター アウスブルッフが有名で、オーストリア最高の貴腐ワインとして、高い評価を得ています。

 

<Steiermark シュタイヤーマルク州>


シュタイヤーマルクはスロヴェニアと接している州で、オーストリアワイン全体の約10%を生産しています。

標高が高い産地が多く、栽培品種のうち70%が白ワイン用品種です。

西部のヴェストシュタイヤーマルクでは、ブラウアーヴィルトバッハー種を用いて、シルヒャー(SHILCHER)というロゼワインが特に有名です。

 

<Wien ウィーン州>


音楽の街で有名なウィーンでも、ワインを生産しています。

ゲミシュター サッツが有名で、多品種を混醸して造られた伝統的なワインです。

また町の周辺ではホイリゲという居酒屋が多くあり、発酵中の白濁したワインであるシュトゥルムも楽しまれています。

ホイリゲはオーストリアの新酒としても知られており、日本でも人気があります。

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