ワイン用語集フランスワインブルゴーニュ地方

ボーヌ ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ボーヌ(BEAUNE)は、生産量が非常に多く、「ワインの首都」と呼ばれるブルゴーニュのシンボルと言える都市です。

コートドール地区の中心にあり、アペラシオンの70%にあたる1級畑を持っています。

赤と白の両方が認められていますが、全体の9割近くは赤ワインで、白ワインは10%程度しか生産していません。

そのため日本で白のボーヌを見かけるのは品ぞろえのあるワインショップでもあまりないかもしれません。

栽培面積は407ヘクタールと広く、ヴォ―ヌロマネが153ヘクタールなので、その大きさがわかります。

 

 

ボーヌの街は、ブルゴーニュの中にあってひときわ華やかで、商用や観光で訪れる人は多いのですが、そのぶん畑が見落とされがちです。

また、ワイン市場の主要都市であるためネゴシアンがひしめきあっていて、こうなるとコアなワインファンになるとどうしても軽視しがちになってしまうのです。

また、後述しますが「ボーヌ」と名のついたワインがほかにも多数あってこれが滅法わかりづらく、ボーヌが足を引っ張られていると考えている人も少なくありません。

しかし、ボーヌのワインはブルゴーニュワインの愛好家であれば決して無視できる品質ではなく、ボーヌならではのはっきりとした個性のある上質なワインなのです。

柔らかさとふくらみのある味わいは他の村ではちょっと見かけないものもあって、特に上手に熟成されたボーヌはぜひお試しいただきたいワインとして強くお勧めします。

 

これは日本では絶対にあってはいけないし、あってもしゃれにならないのですが、↑の地図でお分かりのとおりボーヌの畑は970号線で南北に分断されています。
 
この970号線はブーズ ル ボーヌ(BOUZE LE BEAUNE)と呼ばれていて、現地のひとは”酔いどれ街道”という意味を込めて呼んでいます。

 

ボーヌ ワイン

ボーヌの名のつくAOC

ボーヌは、このようにボーヌ村で生産されるワインのAOCなのですが、これ以外にも近隣にボーヌの名のつくワインがあって、これがワインをわかりづらくさせています。

ここで押さえておきましょう。

 

コートドボーヌ(AOC COTE DE BEAUNE)

ボーヌと周辺の認定された畑のワインをあつめた中域のAOCで、このあとのコートドボーヌヴィラージュとは違います。

赤と白が認められていて、1級畑をなのることはできません。

ボーヌの村のワインとその隣接する各村にある特定の畑が認められます。

ほぼ幻のワインで、地元のワインショップでわずかに見かける程度の生産量しかなく、かつ、存在意義の見出しにくいAOCです。

 

コートドボーヌヴィラージュ(COTE DE BEAUNE VILLAGE)

一般広域名称のワインですが、いわゆる一般的知識のコートドボーヌの各コミューンでできたワインをさします。

多くの場合は契約農家から仕入れたブドウをブレンドしたネゴシアンワインですが、一部のドメーヌでは特級や一級のワインには達しないだろうというブドウを独自にブレンドして売り出すものもあります。

お察しのとおり、トップドメーヌのブドウはこのような場合でも普通のコートドボーヌヴィラージュよりもはるかに品質が高く、価格も高いものが多いです。

 

サヴィニーレボーヌ(SAVIGNY LES BEAUNE)


サヴィニーレボーヌはボーヌ村に隣接する村で、独自のAOCがあります。

単にサヴィニーと名乗ることもあって、はっきりとした個性があるのでこちらのほうがいいんじゃないかと(ボーヌをつけなくても十分にいける)思っています。

コルトンの丘を南に行くと、コルトンシャルルマーニュコルトンなどの派手なAOC畑があって、それがいったん途切れます。

その南側にさらに小さな丘があるのですが、これがサヴィニーレボーヌの畑になります。

サヴィニーレボーヌについは、こちらをご参考ください。

 ワインの教科書
サヴィニーレボーヌとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理
https://wine-kyokasyo.com/savigny
サヴィニーレボーヌは、ブルゴーニュ地方でも力強さと上品さのバランスが人気の赤ワインです。同じ生産地ながらもブドウ畑の位置によって味わいが異なるので、味比べを楽しめる産地でしょう。赤と白が認められ、1937年にAOCに認定されています。350ヘクタールの畑か...

 

 

ショレイレレボーヌ(CHOREY LES BEAUNE)


これもサヴィニー同様ボーヌ村に隣接ししていて、独自のAOCがあります。

見てお分かりのとおり、974号線の東側に位置していいるのですが、ここまで東側に畑が拡大しているのはこことジュヴレシャンベルタンくらいです。

平坦で見通しのいい地勢に畑があって、品質はいいものもありますが多くは並質のもので、ほとんどはコートドボーヌヴィラージュとして売られています。

 

 

話が横にそれました。ここからはAOCボーヌの説明に戻ります。

 

ブドウの品種


ボーヌのブドウの品種は赤ワインはピノノワール白ワインシャルドネを使用しています。

白ワインの生産は少ないものの(全体の13%)、1936年にAOCに認定されました。

ブドウ造りに適した土地で、日照り条件が整っています

また、ブルゴーニュ地方ならではの気候によって作られるため、まろやかな仕上がりとなります。

急斜面のブドウ畑は、標高毎に土壌が異なるため、タイプの違うワインが造られます。

最も高い標高部分は砂利が多く、中腹は泥灰土、低い斜面は石灰の混ざった粘土質の土壌へと変わるのです。

 

ワインファン屈指の観光地があだに?

ボーヌは、村そのものがワインファンにとっては観光地として有名です。

街並みがきれいで趣があり、ワインショップも多く観光産業のインフラも整っています。

そのため畑のほうはどうしても見落とされがちで評価を落としている傾向があります。

しかし、ボーヌの畑はコートドールの中では最も広く、生産量も多いので見落とすことはできません。

品質の特に高いワインで知られているワインは、いくつかあって、ブーズ街道の北側ではグレーヴ(LES GREVES)、南側ではクロデムーシュ(CLOS DES MOUCHES)が一段高い評価を受けています。

特級畑はありませんが、1級畑は以下のように多く認められています。

Les Boucherottes,Les Vignes Franches,Clos des Ursules,Les Chouacheux,Les Épenotes,Le Clos des Mouches,Les Montrevenots,Les Aigrots,Les Sizies,Pertuisots,Clos Saint-Landry,Les Avaux,Les Tuvilains,Belissand,Les Seurey,Clos de la Mousse,Les Reversées,Les Sceaux,Les Teurons,Clos du Roi,Blanches Fleurs,A l’Écu,Clos de l’Écu,Les Fèves,Les Cent Vignes,Les Marconnets,En Genêt,En l’Orme,Les Perrières,Les Bressandes,Les Toussaints,Les Grèves,Sur les Grèves,Sur les Grèves-Clos Sainte-Anne,Aux Cras,Le Bas des Teurons,Aux Coucherias,Clos de la Féguine,Montée Rouge,La Mignotte,Clos des Avaux,Champs Pimont

 

ボーヌは歴史的にブルゴーニュのワイン経済の花形だったので、畑はネゴシアン所有のものが多くなっています。
 
こうなるとワインファンはどうしても軽視しがちですが、ネゴシアンといってもボルドーとは違って巨大企業は少なく、自前でワイン造りをするところが多いです。
 
一時期は「ブルゴーニュワイン最大のワイン生産者は、ボーヌの駅だ」と揶揄されるときもあったのですが、これはさすがに言いすぎでしょう。
 
市場が拡大すれば大量のワインを扱う業者が必要で、ワインマーケットのすそ野を広げているのは確実にネゴシアンの功績なのです。
 
買い手側、ことにワインに関心の高い層のワインファンが一軒一軒のドメーヌをわたり歩いても、すべてのワインが買えるとは限りません。
 
完全な売り手市場のブルゴーニュの生産者はビジネスに慣れていないこともあり、厄介な交渉をして市場に送り出しているのは紛れもないネゴシアンの功績でしょう。

 

 

 

ボーヌの特徴

ボーヌの畑はモンターニュドボーヌを背にして南北に延び、斜面は東から南島向きという絶好の地勢にあります。

そのため若い赤ワインは深い深紅色となり、芳醇なボディと果実味が豊かなものとなります。

深いコクがあり、カシスやチェリーのアロマを感じられます。

長期熟成型となり、熟成するとトリュフやなめし革のようなアロマとまろやかになった酸やタンニンを楽しめます。

生き生きとした骨格がしっかりとしたワインなので、肉だけでなくマグロなどとも相性良くなっています。

チーズであればエポワスやマンステルなどのウォッシュチーズタイプを合わせると良いでしょう。

一方で、白ワインは果実や白い花、またハチミツやアーモンドのような香りが特徴です。

若い内は果実感を楽しめるワインですが、熟成させるほど滑らかでオイリーになっていきます。

フローラルなアロマが特徴的なので、肉料理のクリームソースや魚のグリルと相性良くなっています。

 

オスピスドボーヌ


最後に、ボーヌのワインを紹介するうえで無視できないのが、オスピスドボーヌ(Hospices de Beaune)のワインでしょう。

オスピスドボーヌは、1443年にブルゴーニュ公国の財務長官であったニコラロランが、妻のギゴーヌドサランからの懇請をうけて設立した慈善寺院のことです。

つまり、無償で金銭的に恵まれないひとに医療サービスを提供しよう、ということなのです。

ただし、当たり前ですが慈善寺院も運営資金が必要です。

設立当初の運営資金はニコラロランは自らの所有する畑を寄進することで賄われたのですが、これを見習った貴族階級が続いた、というものです。

現在では、毎年11月第3日曜日にオークション形式でワインは競売されるイベントになっていて、ボーヌの村がひときわ熱気に包まれます。

いい感じの話に聞こえますが、実際には突っ込みどころもあって、現在では金の匂いのぷんぷんする巨大イベントになっています。

ユーザー様は「ああ、こういうマーケティングもあるのだな」程度におさえておくのがいいかもしれません。

 

オスピスドボーヌについては、こちらをご参考ください。


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