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ビルカールサルモン シャンパーニュとは?その特徴と歴史

ビルカール サルモン(BILLECART SALMON)はマレイユ シュル アイ村に設立された7代続く家族経営のメゾンです。

生産量が約15万ケースというレコルタン マニピュランほどの少量生産で、常に高品質なシャンパーニュだけをリリースしてきました。

パリの星付きレストランでもハウスシャンパーニュに採用されることが多く、特に一つ星レストランで勢いのあるお店のリストに見受けられます。

NMではありますが、小ぶりで品質を追求したブティックワイナリーというイメージがあり、これが売り出し中のレストランにぴったりなのでしょう。

 

年間売り上げは50万本ほどですが、ストックは150万本にのぼり、経営の盤石さを示しています。

日本ではあまり知られていないのですが、そのぶん通好みのシャンパーニュと言えるでしょう。

冴えた刃物のような酸味と研ぎ澄まされた香りは特筆もので、シャンパーニュファンならずとも強くお勧めします。

世界的なシャンパンブームで「シャンパーニュ=バブルっぽい」というイメージがあるのはその通りでしょう。
 
しかし、実際にここのような小規模なシャンパーニュのメゾンを訪ねると驚くほどつつましやかであることに驚かされます。
 
時流に流されず、おごらずに、しかし誇りをもって上質なワインを造ることで充実した日々を送っているのです。
 
世間に流されずに自分のペースで丹念に酒造りをしている所を拝見すると、やはりワインは文化なんだと痛感させられます。
 
このメゾンは「アイ村の宝石」という愛称が付けられていますが、このメゾンのシャンパーニュを味わうときに思い出してみてはいかがでしょうか。

 

ビルカールサルモン

特徴

自社畑は50ha、120haの契約農家からブドウは供給されています。

自社畑は7ヘクタール(ほとんどがピノノワール)と広くはありません。むしろ狭いほうでしょう。

足りない分は契約農家から長期契約を結び91~96%のクリュから一番搾りだけを購入しています。

 

スタンダードはブリュット レゼルヴです。

ピノノワールを25%、ムニエを50%、シャルドネを25%の割合と、ムニエが多いのが特徴でしょう。

 

リザーヴワインを40%使用し、3~4年の熟成を経てリリースされます。

プレステージはキュヴェ ニコラ フランソワ ビルカールで、創始者へのオマージュとして1964年に誕生しています。約10年ほどの熟成期間を経たリッチなシャンパーニュです。

 

またクロ サンティレールという単独所有畑から、ブランドノワールもリリース、少量生産でビルカール サルモンの中で最も入手困難で希少なワインです。

 

より新鮮な果汁を搾汁し、キレのいい酸味を保つため、畑近くにプレスハウスがあり、収穫後すぐに搾汁しています。搾汁された果汁は鮮度を保つため低温で管理します。

そして長時間の低温発酵により繊細さと綺麗な酸を特徴としています。

伝統を重視して、醸造はブルゴーニュの小樽を使用しています。

ずいぶん前のことでしたが、このメゾンを訪れたときにびっくりしたことがありました。
 
通常は澱抜きのときには瓶の口を冷水につけて凍らせて澱をのぞくのですが、ここは違うのです。
 
アラヴォレー(a la volee 飛び出させるの意味)といって、瓶内の気圧で飛び出させて手早く栓を打ち込む手法をとっていたのですが、これがまた職人技なのです。
 
このメゾンであればおそらく現在でも同様の手法でしているのでしょうが、今度伺ったときに確認してみたいと思います。

 

ワイナリーの歴史


1818年にニコラ フランソワ ビルカール氏と妻のエリザベス サルモン女史によって設立されました。

ニコラフランソワは商売上手で広く世界を渡ってシャンパーニュを売り込みます。

特にロシアでの販路拡大に成功し、ビジネスの礎を築きます。

拡大路線は続きますが、1911年に畑の大部分を分割され規模の縮小を余儀なくされます。

なんとか選りすぐりの畑は残ったのですが、ここで拡大路線とシャンパーニュの本質がなじみが悪いと判断して独自の手作り製法にかじを取ります。

 

1950年代にはシャンパーニュ地方で初めて低温でのデブルバージュを採用し始めました。

1998年からフランソワ ドゥミ氏がセラーマスターとなり、新しい技術も積極的に採用しています。

現在は7代目としてフランソワ ビルカール氏が就任、父のジャン氏と弟のアントワヌ氏と協力し、家族経営でメゾンを運営しています。

 

1999年にスウェーデンで行われた20世紀を代表するシャンパーニュを選ぶ、「ミレニアム ブラインド テイスティング」でNo1、No2がビルカール サルモンのシャンパーニュという栄誉を得ています。

世界中のトップレストランでワインリストにオンリストされ、高い人気を誇っています。

 

ドラマにもなり、ワイン漫画で有名な「神の雫」にも登場したビルカールサルモン

神の雫では第八の使徒候補として主人公のライバル遠峰一青がブリュット・ロゼを選ぶシーンが描かれています。

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