ほとんどのワインファンが最初に興味を持つワインはボルドーとブルゴーニュではないでしょうか。
もちろん”有名”ということが一番の理由かもしれませんが、実際に味わってみるとほかの地域のワインとは明らかに違う味わいがあり、品質も高いです。
ワインファンの中には世界中のワインを味わったうえでボルドーやブルゴーニュにたどり着いたという人も多いですね。
ですが実際にこれからワインを楽しもうという人からすれば
「じゃあどっちから始めればいいの?」
「どっちが初心者向けなの?」
「少し飲んだけどしっくりこない」
という疑問もあるかもしれません。
ここではあなたがボルドーとブルゴーニュを楽しむにあたって、その違いと楽しみ方をできる限り簡単に、そしてあなた自身でも十分に楽しめるような知識を詳細にわたって紹介します。
ぜひご参考ください。
Contents
ボルドーとブルゴーニュ
決定的に違う色調・香り・味
おそらく多くの人は「手っ取り早く品質そのものの違いを押しててくれよ」が本音でしょう。
ワインは奥が深いので例外も多く、そのため理論やデータから覚えたほうがいいことが多いのですが、ボルドーとブルゴーニュはその品質は明らかにわかりやすいのです。
ざっくりと全体をとらえると「重くて華やかなのはボルドー、繊細でかわいらしいのはブルゴーニュ」ととらえて問題ありません。
もちろん値段や特殊なワインによっては例外はありますが、例えばワインバーで1本1万円のワインを飲もうと思った場合はこのとらえ方でまず間違いないでしょう。
これは色調、香り、味わいすべてにおいて共通する特徴といえます。
気候からとらえる
では、なぜこのボルドーとブルゴーニュの特徴があるのでしょうか?
これは実際に地図を見て説明するほうが早いでしょう。
ボルドーはフランスの西部、海に面していてます。
ブルゴーニュはフランスの中部、海には面していません。
ここから「ボルドーは海洋性気候だから温暖でブルゴーニュは比べてみると涼しい地域なのではないか?」という仮説がたちますよね。
そしてこの仮説は当たっていて、これが決定的に品質に影響を与えているのです。
気候が温暖だとブドウはよく熟しますので色が濃く、糖分が上昇しやすくなります。
そのためボルドーはブルゴーニュに比べて色が濃くてどっしりとしたワインが仕上がりやすいのです。
なぜブルゴーニュは単一品種なの?
すこしワインを勉強すると、ボルドーは様々な品種をブレンドして、ブルゴーニュは単一品種でワインを造るということを知ると思います。
これはなぜでしょうか?
ボルドーとブルゴーニュは1800年代から高品質なワインを生む二大産地ととして有名でした。
しかし、ブルゴーニュはボルドーに比べると気候のビハインドがありますので同じような造りをしているとボルドーにはかないません。
そこで
「よし、気候でかなわいんだったらブルゴーニュの特性を踏まえた作り方をしよう」
とワイン生産者が思うのは自然な流れと言えるでしょう。
考えたブルゴーニュのワイン生産者はボルドーよりも華やかで繊細を追求し始めます。そうなるとブレンドの妙ではなく、単一品種で先鋭したワインづくりに行きつくのです。
単一のブドウでクオリティーを追求でき、可能性を秘めたブドウ品種。
なぜボルドーはブレンドするの?
逆にボルドーワインは以下のブドウ品種をブレンドして醸造します。
・メルロー
・カベルネ フラン
・マルベック
・プティ ヴェルド
実際にはもう少しありますがこの5品種でほぼすべてと言っていいでしょう。
前述したようにボルドーは気候に恵まれていますのでブドウが良く熟しやすい性質があります。
そのため単一品種でワインづくりをすると個性が強くなりすぎて好き嫌いの分かれるワインになりがちなのです。
そこで様々なブドウ品種をブレンドすることで調和を図ろう、という流れがありました。
ボルドーワインの楽しみ方
では、実際に両方の地域の楽しみ方を見てみましょう。
ボルドーワインは色が濃く、力強くて華やかという紹介をしましたが、そのため「手っ取り早くワインの魅力を知りたいんならとりあえずボルドー」という図式でいいでしょう。
価格によっては安くておいしいワインを見つけることもできますし、小売店で3000円前後で十分においしいワインに巡り合えます。
ブルゴーニュにくらべて生産量がとにかく多く、品質も一定しているのでワインバーやレストランなどでも頼みやすいですね。
色が濃く、5年くらいするとオリも出やすくなるのでデカンタージュして気分を盛り上げて飲みましょう。
味わいが濃く、渋みも強いので動物性の脂をさっぱりさせる効果があります。
そのため牛赤身肉のステーキや焼肉とも相性がよく、肉ブームの現在にはぴったりだといえます。
長持ちしますし、ヴィンテージワインも入手しやすいのでプレゼントにも最適です。
ブルゴーニュワインの楽しみ方
逆にブルゴーニュは繊細でその土地に根差した妙を楽しむ傾向があります。
これは「ミクロクリマ」とよばれる極地的な気象条件と土壌条件のことです。
100メートルしか離れていない畑のワインなのに値段が倍以上するということもざらですし、これがブルゴーニュワインの魅力でもあるのです。
そのためいざブルゴーニュワインを知ろうとすると知識がどうしても必要になってしまい、初心者にはややハードルが高いといえます。
またボルドーに比べると生産量が少なく、コアなファンも多いので価格も上がりやすい傾向にあります。
そのためボルドーと同様に小売店で3000円前後だと品質的にボルドーに負けてしまいます。
同じレベルのワインを買おうとすると5000円以上は考えたほうがいいでしょう。
逆に言えばワインの経験値がある人はブルゴーニュワインの良さにはまり、ブルゴーニュしか飲まないという人もいるくらいです。
「ワイン通はブルゴーニュ」というイメージがありますので、逆説的に少し背伸びをしてブルゴーニュワインを楽しむのもいいかもしれません。
まとめ
ボルドーとブルゴーニュは世界のワインの見本といえますのでほかの国や地域のワイン生産者は必ず意識をしています。
そのためまずはワインを知ろうとする場合はどうしても避けて通ることはできません。
地域も特性も違うのだから、そもそも比べることそのものが不必要だと考える人もいるかもしれませんが、それでは初心者にとってはあまりにも酷と言えるでしょう。
ここに挙げた特徴をおさえ、そのうえでどちらを楽しむのかを決めましょう。
当サイトとしては、最初はボルドーワインを押す勧めします。