ワイン用語集

ボトルサイズ問題|日本国産ワインの輸出拡大の障壁?

2018年10月30日から日本国産ワインのラベル表示に初めての規制がはじまり、ようやく国産ワインへの消費拡大が本格的に望まれることになります。

これは国産ワインの輸出にも好影響で、海外のレストランや個人消費者からすれば、しっかりとした制度規制があるワインのほうが購入しやすいのはその通りでしょう。

 

日本国産ワインの生産者の技術向上は醸造、栽培、瓶詰めについて目を見張るものがあり、ワイン評論家もその成長速度の速さを指摘しているところです。

そうなるとこれまでの輸入一辺倒だった日本のワイン市場も、ようやく日本のワインを輸出できることが期待できるようになります。

 

ところが、やや水を差すようですがもう一つの大きな輸出拡大への障壁があります。

 

それが日本国産ワインの「ボトルサイズ問題」です。

 

 

ボトルサイズ問題は、日本ワインの表示が国際基準になったことによって、新たに懸念事項として生まれた高次的な問題です。

日本ワインの表示基準についてはこちらをご覧ください→

 

 

日本国産ワインのボトルサイズ問題

世界のワインボトルのサイズは750ml?

ほとんどすべてのワイン生産国は一般的なボトルサイズを一本750mlに設定しています。

ではなぜ750mlなのかというのには様々な説がありますが、これは「おそらく樽の容量が根源となっているのではないか」という説が有力です。

もともとワインの輸送はガラスよりも前から木樽が用いられていて、それがボルドーでは225リットルだったのです。

こうなると、そこから割り切りやすい数値をもとにガラス瓶の開発がされます。

ワインの消費量も考えると、750ml(300本分)が都合よく、それが広まったというのが多数説です。

 

日本はなぜ720ml?

ところが、日本のワインボトルはそれよりもやや少なめの720mlなのです。

 

日本は日本酒の単位がその根拠になっていて、ちょうど4合サイズが720mlで、すでに普及しているボトルもあったので

「じゃあ720mlでいいじゃん」

ということで定着してしまったのです。

 

ワインが日本国内で飲まれ始めたころ、ワインといえば輸入ワインなので国産ワインは隅に追いやられていて、

「なんでわざわざ輸入ワインに合わせてボトルサイズを作らなければならないんだ」

という声も当然あったでしょう。

 

そのころのワイン産業の親爺には、現在の日本のワインのクオリティは想像できなかったのです。

 

流通上の不都合

たかだか30mlの違いじゃないか、と思うかもしれませんが、この差は大きく、特に輸出の時には顕著になります。

750mlに慣れている運送業者は720mlのワインボトルを運ぶのにあえてわざわざコンテナーを作らなければいけないでしょう。

これが1ダース、10ダース、100ダースとなればその差は歴然で、これが流通上の最大のデメリットになるのです。

 

 

最近話題のボトルサイズ問題は、このようにボトルサイズの成り立ちにその起源があります。

ただし、ワインは世界的にほぼ統一したサイズがあり、日本のボトルサイズが経済的に不整合があるのはその通りでしょう。

もちろん、伝統は守るべきで、「日本のワインは歴史的に720mlなんだ」という事実そのものは尊重するべきでしょう。

しかし局面として世界基準に合わせたほうがなじみやすいのはやはりその通りで、国産ワインの生産者も徐々に750mlにシフトしつつあります。

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