シャトー ブスコーはレオニャン村にあって、赤ワイン、白ワイン共にグラーヴで格付けされているシャトーです。
セカンド ワインはレ シェーン ドゥ ブスコーです。
ブスコーは、メルロー主体で造られる点が、ペサック レオニャンでは珍しく、特徴的です。
所有している畑は、
赤ワイン用が34haで、栽培面積はメルロ50%、カベルネ ソーヴィニヨン40%、マルベック10%です。
白ワイン用は8haで、栽培面積はソーヴィニヨン ブラン50%、セミヨン50%です。
栽培面積は50ヘクタール弱、生産量は年間23000ケースとなかなかのものです。
収穫はすべて手摘みで行い、ステンレスタンクで発酵を行います。新樽率は50%で、14~18カ月熟成させています。
白ワインもすべて樽で熟成させています。
シャトーブスコー
大火事から復活したシャトー
シャトーブスコーはもともとは18世紀と19世紀にたてられた豪勢なシャトーを誇っていましたが、1962年に大火事に合って全壊した経験があります。
とてもやってられないと判断したオーナーは売りに出し、これをアメリカ人グループが買い取りますが、このグループはシャトーの修復には懸命でしたが肝心のワイン造りには情熱が続きませんでした。
そこでワイン造りの名手リュルトン家に株式の半分を売却し、ワイン造りを任せるのです。
この結果、リュルトン家はボルドーでは
クリマン(バルサック)
に続き、グラーヴにも拠点を持つことになり、ボルドー随一の実力者となるのです。
ワイナリーの歴史
17世紀に開墾された畑が元になっています。
1881年に、オー トリュションからシャトー ブスコーに変更されました。
19世紀終わりごろは、ジャノバー家が所有していましたが、1925年からヴィクター プラス氏とリヴィー家が引き継ぎ、畑の整備や醸造所の改修を行いました。
前述のとおり1962年には醸造所は無事でしたが、シャトー全体が焼失してしまいました。
1979年にはリュシアン リュルトン氏が取得し、シュヴァル ブランやディケムを所有するリュルトン家のものとなります。
1992年から、息子のルイ氏と娘のソフィー女史が経営管理をしています。
ソフィー女史はその後、農業工学者のローラン コゴン氏と結婚し、コゴン氏は経験にも参画します。
コゴン氏は2005~2017年までペサックレオニャンAOCの責任者を務めた人物です。
2002年には100hlのコンクリートタンクの導入、2011年にはテイスティングサロンや、ブティックを併設します。
2013年には宿泊施設を設置するなど、ワインツーリズムに力を入れています。
このシャトーはペサック レオニャンの中でも、癖がなく飲みやすいスタイルが特徴です。
評論家のロバートパーカー氏は「心地良いワインである」と評しています。
知名度が比較的高く、競走馬にシャトー ブスコーと名付ける方もいました。
また、フランスのギド アシェットに取り上げられるなど、近年評価が高まっています。