ブーズロン(BOUZERON)は、ブルゴーニュ地方、コート シャロネーズ地区にあるワイン産地です。
ブーズロン村とシャセ ル カン村にまたがるワイン産地であり、47haほどの畑が広がっています。
コート シャロネーズ地区では最も北に位置しているアペラシオンであり、アリゴテを使用した白ワインの生産のみ認められています。
以前はブルゴーニュ地方のいたるところでアリゴテが栽培されていましたが、フィロキセラによる被害をきっかけにピノノワールやシャルドネの栽培が広がっていきました。
そのような流れで、アリゴテは斜面の下部で栽培されるようになってしまいましたが、ブーズロンでは斜面の上部で栽培され続けており、高品質なアリゴテを生産し続けています。
指定栽培面積は小さく、かつ、日本ではアリゴテというブドウ品種が聞きなれないせいか、ほとんど見かけないワインです。
ブーズロン
ワインの全体像とブドウ品種

ブーズロンは北向きと北東向きの畑が多く、果実の成熟には時間が必要とされています。
プルミエ クリュはなく、土壌構成は白色の泥灰岩と茶色い粘土性石灰岩です。
1979年にブルゴーニュ アリゴテ ブーズロンとしてAOCに認可され、1998年にはブーズロンの名で昇格を果たしました。
その結果ワイン ラベルにはブーズロンとのみ表記がされることになり、「アリゴテ」の表記をすることが出来なくなりました。
あまり知名度が高くないワイン産地ですので、シャルドネと勘違いされることが多く、アリゴテの表記ができないことから昇格に反対する意見も当時はありました。
ワインの特徴
ブルゴーニュ地方では珍しく、ブーズロンはアリゴテを使用した白ワインのみ認められています。
ブーズロンで栽培されているアリゴテには、黄金色の「アリゴテ ドレ」と呼ばれているものがあります。
アリゴテ ドレは、ブーズロンにおいて広く栽培されており、古くから良い株を選別し、改善を繰り返すことで品質が向上したアリゴテです。
アリゴテの特徴である強い酸味だけでなく、果実のふくよかさを感じることができます。
ブーズロンにある畑の8割ほどでアリゴテが栽培されていますが、残りの2割ではピノ ノワールやシャルドネも栽培されています。
それらのワインはブーズロンの名前ではなく、ブルゴーニュ コート シャローネーズとして生産されています。
楽しみ方のコツ
ブーズロンは何といってもアリゴテというブドウ品種を楽しむべきワインでしょう。
クリスピーで爽快な酸味と果実味を楽しみたいワインです。
もっとも、あまり流通していないワインですので、その意味ではワインの希少価値を理解できる人とお飲みになると好奇心も手伝って盛り上がるかもしれません。
8度程度に冷やし、中ぶりなチューリップグラスであればたいてい合わせることが可能です。
ブーズロンは、希少価値のあるワインですし、アリゴテを飲もう、というときでなければお目にかかれません。
価格は控えめですが、できればご家庭ではなくレストランのシェフや料理人がしっかりと作り上げた料理と合わせるのがいいでしょう。
意外ですが、寿司とのマリアージュも検討されていて、寿司の酢の印象とブーズロンの爽快な酸味は意外なマリアージュで、たいていのお寿司に合わせることが可能です。
なじみのすし屋さんに頼んで持ち込み、一通りの寿司をブーズロンといただいてみてはいかがでしょうか。