シャトー ブラーヌ カントナックは、カントナックに位置し、メドックで2級に格付けされているシャトーです。
カントナック村はマルゴー村に隣接していて、一定の条件を満たすとAOCマルゴーを名乗れます。
セカンド ワインはバロン ド ブラーヌです。
所有する畑は90haと広大で、メドックでも最大級の面積を誇ります(シャトーの所有地そのものは300ヘクタール)。
所有している畑には様々な地質のものがあり、1つの区画に4種類もの地質が存在しているところもあります。
地質によりブドウの熟し方が違うことから、ブラーヌ カントナックでは、区画ごとではなく、地質ごとに収穫を行っているのです。
(もっとも、区画は人が勝手に決めたものなので、地質ごとに栽培収穫を変えるのは当たり前といえば当たり前でしょう)
作付面積はカベルネ ソーヴィニヨン65%、メルロ30%、カベルネ フラン5%です。
マルゴーで栽培面積が増えてきているプティ ヴェルドは植えていません。
シャトーブラーヌカントナック
評価を取り戻したシャトー
収穫は他のワイナリーが使用しているような小さいカゴではなく、収穫後のスピードを重視して、比較的大きいカゴを使用しています。
発酵は木桶、コンクリートタンク、ステンレスタンクを使い分けて、使用されています。
発酵中にはターボ・ピジャーという特殊な機器を用いてピジャージュを行い、色素とタンニンの抽出を効率よく行っています。
マロラクティック発酵は優れた果汁のみ新樽の中で行います。新樽率は約50~60%で、18カ月ほどの熟成期間を設けています。
ブラーヌカントナックは、この辺りのシャトーの中では最もジロンド河から離れていて、かつ小高い丘のような恵まれた立地条件にあります。
とはいえ評価に恵まれない時期も続き、一言で言えば凝縮感に欠けるワインだったのです。
それが近年の努力により評価を取り戻しつつあるシャトーといえます。
なお、間違われぬように記載しますと、メドックには三つのカントナックがあって、
シャトーブラーヌカントナック
シャトーカントナックブラウン
シャトーボワドカントナック
があります。
詳しくはそれぞれのリンク先をご参照ください。
ワイナリーの歴史
ゴルス家が18世紀に創設しました。当時は名前も「シャトー・ゴルス・ギュイ」でした。
1833年に地元の有力者であるブラーヌ男爵が購入、名称も変更します。
当時のワインの取引額は2級ではないほどの低評価で、男爵の政治力で2級とされたとも言われています。
1866年にシャトーディサンを所有してたロイ家が購入。
1925年、現在の所有者であるリュルトン家の手に渡ります。
このころのブラーヌカントナックの評価は大変に手厳しいものが多く、1855年の格付けで実力以上の評価を受けてしまったツケが回ってきたとしみじみ味あわされたことでしょう。
ただし、ここが評価の別れ時で、それまでの格付けに頼った一本調子のワイン造りから、徐々に品質の向上に目が向けられることになります。
1956年には、リュシアン リュルトン氏に引き継がれ、真摯なワイン造りで名声を高めます。
リュシアンリュルトンはボルドーでは有名なワイン造りの一家で、これによって一気に品質が高まります。
元々畑はいいし、これが名手の手にかかることによって水を得た魚のように評価をあげるのです。
1992年、アンリ リュルトン氏が相続、積極的な技術改良や、畑の改良を繰り返し行い、妥協なきワイン造りを行っています。
所有者の変遷が多く、低迷している時代もありましたが、90年代以降評価が高まっています。
あまり知名度が高くなく、価格が抑えられているので、試しやすいシャトーです。
マルゴーの中ではエレガントで柔らかいスタイルが特徴と言われています。
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