ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーカロンセギュールとは?その特徴と歴史

シャトー カロン セギュール(CHATEAU CALON SEGUR)は、サン テステフに位置し、3級に格付けされているシャトーです。

セカンド ワインはル マルキ ド カロン セギュールです。

 

格付けシャトーで最北端に位置しています(ソムリエ試験では出題者側は出しやすい問題なので覚えておきましょう)。

栽培する畑はこのクラスでは中程度、55haでおおよそ年産30000ケースを造っています。

栽培面積はカベルネ ソーヴィニヨン45%、メルロ40%、カベルネ フラン15%とメルローの比率が高いのが特徴です。

土壌は砂利で覆われており、水はけがよく、砂利の下は鉄分を多く含んだワイン造りに適した土壌構成です。

 

使われるメルローの比率の関係か、サンテステフというよりもメドック南部のような複雑さを持っていて、収穫年によっては堅い仕上がりですが、大部分はしなやかで柔らかい仕上がりです。

メドックらしい華やかで品のいい渋味と複雑さは、ワインファンならずとも強くお勧めできるワインです。

 

このシャトーは世界的に大人気ですが、おそらくシャトー側とすればもっと中身にも注目してもらいたいと思っているでしょう。
 
それもそのはず、品質は高いのにフォーカスされず、後述するエピソードやラベルの可愛さが先行してしまい、損している感があるのです。
 
ラベルの印象から贈答品向けやカップルに人気が高いので、キャッチーなワインと思われがちですが、品質そのものは極めて実直でワイナリーがワインの品質としっかり向き合っていることがわかります。

 

シャトーカロンセギュール

メドックの重鎮シャトー

収穫はすべて手摘みで行い、手作業で選果を行います。

ステンレスタンクで発酵を行い、マロラクティック発酵は一部樽で行います。新樽比率は100%で、18~20カ月の熟成をさせています。清澄は卵白で行い、ろ過は行いません。

一番上の画像からわかる通りクリーム生地のラベルにハートの型枠と赤字でシャトーの文字があり、名前も重々しくないため人によってはなんとなく安っぽい印象に映るかもしれません。

また前述のようになカップル向けのキャッチーな印象で、格付けも三級ということから日本ではあまり内容が評価されている印象はありません。

とはいえメドックの歴史から言えば重鎮そのものですし、1920年代と40年代には確実に1級ワインに匹敵する評価を得ていたのです。

 

ワイナリーの歴史

カロンという言葉はローマ時代にはすでに存在した村で、かつ、古い言葉で「木」を意味します。

さらにそこから派生する言葉としてローマ兵たちが材木を運ぶ小舟もカロンと呼んでいました。

メドックのブドウの栽培は13世紀ごろからこのあたりで始まったという資料が残っています。

 

シャトーの名声が高まったのは、18世紀にニコラ・アレクサンドル・ド・セギュール侯爵が所有していた時代です。

セギュール伯爵の死後、従兄弟のアレクサンドル・ド・セギュール・カロンに引き継がれてこのころに現在のシャトーが建てられます。

ところがその息子のマリーは商才がなく、金に困って1778年にテオドール・デュムーランに売却します。

デュムーランの息子は精力的に畑の改良を行い、その一部は現在のモンローズとなっています。

ところがここもまた経済的にうまくいかずに1824年にパリ出身のレタピ家に売却してしまいます。

 

レタピ家は1855年の格付け当初こそワイン造りに精力を注ぎますが、他の事業が成功すると次第に興味を失い、落ち目のシャトーを1894年にガスクトン家(隣のシャトーキャプベルンの所有者)に売却します。

 

 

1995年に夫のフィリップ氏を亡くし、ガスクトン夫人が後を継ぎます。

彼女は娘と共に精力的にシャトーを経営していきました。

1999年にはステンレスタンクが並ぶ新しい醸造室を造りました。

2006年に技術主任にヴィンセント ミラー氏を迎え、さらなる発展を迎えています。ヴィンセント氏は8年間シャトーマルゴーで品質管理を行ってきた人物です。

彼はカベルネソーヴィニヨンの比率を高め、過熟にならないよう成熟状態をしっかりと見極め、小区画ごとの管理を強化しました。

 

 

このシャトーは、ブドウの王子と呼ばれていたセギュール侯爵のエピソードがあまりにも有名です。
 
セギュール侯爵は18世紀にムートンロートシルト、シャトーラトゥールラフィットロートシルトなど名だたるシャトーを所有していました。
 
しかし彼は「われラフィットやラトゥールをつくりしが、わが心カロンにあり」と言っていました。
 
そのため、カロン セギュールのワインラベルにはハートのマークがあしらわれています。
 
これは他の所有するシャトーの評価に比べてカロンセギュールの評価が相対的にひくく、引け目を感じていたため、あえて発言したとされています。
 
セギュール伯爵にすればそれぞれのシャトーは子供同然で、異なる扱いを受けるのが我慢できなかったのです。
 
そんな人が造っていたワインの品質が悪かろうはずがありません。
 
伯爵のワインへの情熱は、確実に現在にも引き継がれているのです。