シャトー カノンは、サンテミリオンのプルミエ グラン クリュ クラッセBに格付けされているシャトーです。
セカンド ワインはクロ カノンです。
同じく特級のシャトーボーセジュールとは地続きで、サンテミリオンの街からは外れたところにあります。
1980年代半ばからワインは評価を落とし、評価額が下がったところを1997年にシャネルやマルゴーのローザンセグラを買収したヴェルテメール家が買収し、見事に復活をしました。
フランス革命時にギロチンから逃れようと多くの貴族がここのシャトーのセラーに身を潜めた経緯があって、その名残か、大変に風格のあるシャトーです。
シャトーカノン
長命なサンテミリオンのシャトー
所有している畑は22haとサンテミリオンの中では大規模なもので、石灰岩の厚い層がある丘陵部に位置し、一部砂礫質が混ざった土壌です。
栽培面積はメルロ75%、カベルネ フラン25%です。
栽培はリュットレゾネで行い、自然環境に配慮したワイン造りを行っています。
収穫はすべて手摘みで行い、選果台を使用し厳しい選果を行います。
選果されたブドウの粒はポンプの使用をやめ、1997年から重力方式を採用しています。
以前はオーク樽にて発酵を行っていましたが、2004年から一部ステンレスタンクを導入。2006年からは全面的にステンレスタンクで発酵を行っています。
マロラクティック発酵は基本的にステンレスタンクで行いますが、一部良質な果汁は樽内でマロラクティック発酵を行います。
熟成は新樽50~60%で18~20カ月行います。卵白で清澄は行いますが、ろ過はせずに瓶詰めしています。
シャトーカノンはサンテミリオンに合って長命で知られています。
通常はサンテミリオンのグランクリュは20年くらいでピークを迎えますが、そこからさらに10年はおいしい状態を保ちます。
ワイナリーの歴史
1760年に、フランス海軍に所属していたジャック カノン氏がドメーヌ ドゥ サンマルタンを購入しました。
1770年にボルドーのネゴシアンのレイモン フォントモワン社が購入し、シャトー カノンに改称されました。
その後所有者は移り変わり、1919年からはフルニエ家がオーナーとなりました。
そして1996年からヴェルテメール家が購入し、所有者になりました。
ヴェルテメール家はアパレル ブランドのシャネルやシャトー ローザンセグラのオーナーでもあります。
支配人にはシャトー ラトゥールの支配人であったジョン コラザが就任し、畑の改善や醸造所の改良を行い、大規模な再建計画に着手しています。
1996年から大規模な植え替えが実施されたため、まだ全体的に畑に若木が多くあります。
しかしヴェルテメール家がオーナーになってから、品質の向上は目覚ましく、2003年以降特に品質が向上したと言われています。