ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーカントメルルとは?その特徴と歴史

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シャトーカントメルル(CHATEAU CANTEMERLE)はオーメドックのマコーに位置し、メドック5級に格付けされているシャトーです。

セカンド ワインは、レ ザレ ド カントメルルです。

カントメルルは、ボルドーの仲買人を通さずに、直接オランダの買い手と交渉していたため、評価が伝わらず、1855年格付けの際にはリスト外でした。

しかしマコー村を代表するワインとしての高い評価が伝わり、5級の格付けを得ることができました。

 

所有する畑は87haで、栽培面積はカベルネ ソーヴィニヨン50%、メルロ40%、カベルネ フラン5%、プティ ヴェルド5%、平均樹齢は30年です。

平均生産量は30万本と多く、1万円以下で買える格付けシャトーとして日本でもよく見かけることのあるシャトーでしょう。

格付けシャトーの中では早く飲み頃になるワインですが、とはいえできれば5年は待って飲みたいところです。

2000年以降ですと、2000年2003年2005年2006年2008年2009年2010年2011年2012年

は傑出したヴィンテージで、かつすでに飲み頃になっています。

ワインショップで見かけたときは思い出してみてはいかがでしょうか。

 

シャトーカントメルル

ボルドーからカントメルルに行く


シャトーカントメルルはメドックにありますが、そのなかでもマルゴー南部のマコーという村にあります。

ボルドー市から見ると2番目に見えるのがシャトーカントメルルで、これを超えるといよいよメドックの中枢に突入します。

 

通常、観光客はボルドーのシャトーを訪れるときはボルドーの市街に宿をとってメドックに向かうことになりますが、ほとんどのツアーはマコーは素通りすることになります。

それもそのはず、もう少し行けばマルゴー村があって、そこにはシャトーマルゴーがあるのだから、観光客は涼しい顔をしていても

シャトーマルゴーはいつ見えるんだ」

と心の中で叫んでいるのです。

 

ツアーを組む人もそのあたりはわかっているので、その直前でくどくどとカントメルルの説明をするような野暮はしない。そんなことをしてもウケないことくらいわかっているのです。

そのためカントメルルはおそらく結構なボルドーファンでも(結構なボルドーファンだからこそ)見落としがちなシャトーといえるかもしれません。

とはいえ、こちらの立地はいつかユーザー様がボルドーワインファンになり、シャトーを訪れようとするときに道標となるシャトーなのです。

ここでボルドー市街からカントメルルまでの道をたどってみようと思います。

 


ボルドーはふるくからワインはもちろん港湾貿易で栄えた街なので、市街は栄えていてごった返しています。

そのなかでもまずは↑ジャルダンパブリック(Jardin Publique)から北西にのびるダヴィッドジョンストン通りがあって、ここをまずは見つけましょう。

ここをしばらく道なりに北西に進むとリベラシオンシャルルドゴール通りに名前を変え、さらに進むとメドック通りに名前が変わります。

 


メドック通りをさらにまっすぐ進むとボルドー市の環状線あがって、これをさらに超えて右折すると県道2号線↓に分岐します。

この2号線は通称「名酒街道」とか「ポイヤック通り」と呼ばれていて、ここまではごちゃごちゃしていますが、ここから先は一本道なのでまず間違えることはないでしょう。

ここをまっすぐすすむだけで華々しいメドックのシャトーを通ることができるのです。


カントメルルはこの2号線を進んだ先にあって、実際に地図でたどってみても結構な距離があることに気づくかと思います。

名酒街道とはいっても↓のように往復1車線ずつで、さらに道幅は狭く、最初は絶対に心配になりますが、ここを粘り強くまっすぐ進むと両側にシャトーが並び、いよいよクライマックスとなるのです。

 

2号線をまっすぐいっても小さな町工場とか民家がならび、そうかと思うと急に田園になり田舎道になったりまとまりがありません。

田園風景とはいってもブルゴーニュのような見どころもないし、かといって殺風景かといわれればそうでもない、あまりにも日常的な田舎景色がただ延々と続きます。

民家や村もごくありきたりで、観光気分を満喫したくてクライマックスを探していると裏切られることになります。

この先にようやくカントメルルがあるのです。

唯一選外から追加されたシャトー

カントメルルは名酒街道をいくといきなり現れる美しいシャトーで、もともと古びていたシャトーを改修して観光客をもてなすゲストハウスとしても機能しています。

長いこと低迷していたのですが2000年以降は完全に以前の輝きを取り戻しています。

このシャトーは1855年メドックの格付けで、4月の発表時には選からもれたのですが、9月に組み込まれた唯一の例外です。

おそらくメドック格付けの影響力の大きさを目の当たりにしたシャトーオーナーが見ていられなくなり、遅れて潜り込ませたのかもしれません。

 

収穫はすべて手摘みで行い、移動式の選果台を使用し、畑で選果を行います。

発酵はフレンチ オークのタンクと、ステンレス タンクを併用します。樹齢の高いメルロのみ、樽内でマロラクティック発酵を行います。

熟成にはトロンセ産のフレンチオークを使用し、新樽率は40%です。

12カ月樽内で熟成させ、仕上げに4カ月ステンレスタンクで熟成を行います。

 

ワイナリーの歴史

 

カントメルルは元々メドックの川岸を守る要塞の一つとして建てられました。

ワイン造りは1354年から始まり、メドックで歴史あるシャトーの一つです。

14~16世紀にはブランクフォール家が所有していました。

その後1579年にヨハン ヴィルヌーヴ氏が購入し、3世紀に渡るヴィルヌーヴ ドゥ デュルフォール家の所有が始まります。

 

1892年にテオフィル デュボス氏が購入し、デュボス家の所有となります。

息子のピエール氏が後を継ぎますが、1930年からの戦争により畑は荒廃してしまいます。

1981年には建築共済組合と建設省に売却されました。

 

1867年の万博では銀賞を受賞し、メドック格付け3級に匹敵すると言われています。

19世紀後半には、シャトー ラフィット ロートシルトよりも高値で販売されていたこともあり、高い評価を得ていました。

 

新樽比率は40%。果実の風味を生かした味わい。

現在は知名度はあまりありませんが、高品質なワインを生み出すシャトーとして、ボルドーワイン愛好家から高く評価されています。

生産量も多いことから価格は格付けシャトーの中ではもっともリーズナブルなものの一つでしょう。

しかし品質は格付けシャトーの名にふさわしい高品質を誇り、熟成も早く5~7年でピークになり、その後10年は上質でおいしい状態を楽しめます。

まだ格付けシャトーをお飲みでない場合はこちらのシャトーから始めていただくのはいかがでしょうか。