カルミニャーノは、イタリア、トスカーナ州のプラート県カルミニャーノで造られるDOCG指定ワインです。
最大の特徴はイタリア原産のサンジョベーゼをベースにフランス原産のカベルネソーヴィニヨンをブレンドすることでしょう。
イタリアとフランスはともに早くから世界のワインビジネスをリードしていましたが、お互いがお互いに一歩も譲らずに技術の融合がみられることは珍しかったのです。
その中にあって早くからフランス系のブドウ品種をもちい、さらにDOCGに認定される過程はイタリアワインファンであれば目の離せないところだったでしょう。
カルミニャーノ
ワイン造りに最適な気象条件
カルミニャーノは、この地域で多く栽培される赤ブドウ品種のサンジョヴェーゼ種をメインに使用し、それにカベルネソーヴィニヨン種やカナイオーロ種を混ぜ合わせて作ります。
非常に濃いルビー色をしており、口当たりは滑らかで飲みやすく、酸味やタンニンのバランスが非常によく取れたきれいな仕上がりが特徴です。
このワインが作られる地域は、作物の育ちがよいことで有名であり、およそ3000年も前から農耕が営まれています。
日中の気温が高く、夜になると山脈から風が吹いてきて涼しくなります。
この寒暖差には、ブドウの糖度を上げ、かつ酸度をたもつという効果があり、ワインの生産に適した土地とされています。
ワインのブドウ品種
カルミニャーノに使われる、サンジョヴェーゼ種は、現在イタリアで造られるブドウの中で最も有名な品種です。
イタリア料理ブームのころに日本でもいち早く紹介され、それまでの敷居の高かったフランスワインへの内心的な反発から、親しみやすく、並質から高級ワインまでラインナップのあるサンジョベーゼのワインは一気に人気化しました。
また、この品種はアメリカ大陸でも栽培されていて、イタリア原産のブドウ品種の中では唯一の国際的な広がりを持っています。
サンジョヴェーゼで造られるワインは、熟成の短いときは、ブルーベリーやヴァイオレットのようなフローラルの香りを持っています。
ときとして強烈な渋みと酸味が特徴です。
熟成が進んでいくと、熟したプラムやプルーンのような香りに変わり、コクのある深い味わいのワインになります。
フランスとイタリアのアサンブラージュ?
16世紀にフランス国王がメディチ家から嫁を貰ったことによって、フランスとイタリアに文化的交流が生まれました。そのときに、フランスのボルドーワインがフィレンツェにもたらされます。
このワインをとても気に入ったメディチ家は、当時有名なワインであったカルミニャーノに、ボルドーワインの原料となるカベルネ種を混ぜて作ることを命じました。
これがイタリアのサンジョヴェーゼ種と、フランスのカベルネ種を混ぜ合わせて作るカルミニャーノスタイルの始まりだといわれています。
合わせる料理
カルミニャーノはブルネッロやキャンティのようにベリー系の香りとスパイスの香りが混在した印象があり、それにボルドーワインのしなやかさが加わったようなワインです。
若いうちはミートソースやコクのあるブルーチーズなどに合わせやすいでしょう。
カルミニャーノは熟成にも耐え、複雑性のある香りと柔らかくて滑らかなタンニンの上質なワインになります。
10年以上寝かせたカルミニャーノはできればレストランのシェフが腕によりをかけた料理が合います。
日本ではあまり見かけることはできませんが、イタリアンレストランなどで見かけたときはぜひトライしてみてください。
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