カスティヨン コート ド ボルドー(CASTILLON COTES DE BORDEAUX)は、ボルドー地方のドルドーニュ河右岸に位置しているワイン産地です。
世界的に有名な産地であるサンテミリオンから9kmほど南東に位置しており、比較的温暖な気候を持ちます。
1931年にはボルドー シュペリュール コート ド カスティヨン、1989年にはコート ド カスティヨンと呼ばれていましたが、2009年からはコート ド ボルドーに吸収されました。
独自のテロワールを表現するために、コート ド ボルドーの頭に産地名を入れることが可能であり、カスティヨン コート ド ボルドーとしてワインを生産しています。
産地名の由来となったカスティヨン ラ バタイユという川沿いの町周辺は、タルボ将軍の敗れた土地であり、百年戦争の最後の戦場として知られています。
ここでの戦いはカスティヨンの戦いと呼ばれており、歴史的背景が多い地域です。
カスティヨン コートドボルドー
ワインの全体像
カスティヨン コート ド ボルドーには3000haほどの畑が広がっており、なだらかな丘や平地、台地など様々な地形を持ちます。
その中でも評価の高い畑は、そのほとんどがサンテミリオンの丘の斜面の東側に位置しています。
サンテミリオンに比べて1週間ほど収穫をするのが遅く、ゆっくりとブドウの完熟を待つ必要があります。
1990年代後半から大手資本の流入が盛んになり、その品質の向上が注目を集めています。
ワイン生産地域を検討すると、サンテミリオンの東端にあって地続きで、なだらかな丘が続くので場所によっては日当たりもいい畑も多く存在します。
実際に評価の高いワインもおおいので、もっと知られてもいいものなのですが、いまのところ品質の割に知られているとは言えません。
特徴とブドウ品種
カスティヨン コート ド ボルドーでは赤ワインのみが生産されています。
生産されるワインはサンテミリオンに似た特徴を持つとされ、柔らかくしなやかな印象を受けます。
一部凝縮感があり豊満なタイプのワインも生産されており、長期熟成により真価を発揮することができます。
カスティヨン コート ド ボルドーの主要品種はメルロ、カベルネ フラン、カベルネ ソーヴィニヨンであり、補助品種はカルメネール、マルベック、プティ ヴェルドが認められています。
しかし生産されるワインのほとんどはメルロをメインとして使用し、カベルネ フランやカベルネ ソーヴィニヨンをブレンドしています。
楽しみ方のコツ
ここのワインは日本ではあまり知られていないのですが、気候も土壌などの環境も良く、目を付けた生産者が腰を据えてよいワインを造っています。
今のところ目立ったワインが出始めている、という状況なので、「いつスターワインが生まれるか」というところまで来ているといっていいでしょう。
ただしほとんどのワインは親しみやすく、飲みごたえがあってリーズナブル、というワインです。
そのためあまり気構えずにリラックスして品質の高いワインを楽しもうというときにこそ存在感を出すワインといっていいでしょう。
温度は16度くらいに設定し、大ぶりのグラスがあれば最高ですが、きれいなチューリップグラスであればたいてい合わせることが可能です。
料理も一部のシャトーをのぞいて、ご家庭でのぜいたくなディナーにこそ喜ばれるワインといえるでしょう。
例えば屋外のバーベキューで焼いた赤身肉のステーキをかぶりつきながらいただくコートドカスティヨンは最高でしょう。
ハンバーグやパルマンティエなどのひき肉料理とも相性がよく、スパイスの印象もありますので麻婆豆腐とも合わせられます。