ワイン用語集スペインワイン

カヴァ ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

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カヴァ(CAVA)はスペインのスパークリングワインの名称です。

シャンパーニュと同様に瓶内二次発酵で造られますが、シャンパーニュと比べると圧倒的にリーズナブルで、かつやわらかい酸味と果実味の生き生きとした口当たりが特徴です。

スペインのワイン産業の成功は、最大の鍵はカヴァにあるといっても過言ではありません。

総生産はイタリアのスプマンテを抜いてシャンパーニュに次ぐ2位になり、第二次大戦時には数社しかなかったワイナリーは現在300社に迫る勢いになっています。

 

日本ではスペイン料理店以外にもコストパフォーマンスの高いスパークリングワインとしてグラスで売られることも多く、気軽に上質な味わいが楽しめると人気です。

ご家庭でのワインパーティーや自宅飲みであっても、品質と価格のバランスを考えればカヴァ一択という人も少なくないでしょう。

カヴァ

製法の特徴

 

カヴァはシャンパーニュと違って広域に認められる名称です。

カタルーニャ州、ナバーラ州、ラ・リオハ州、バレンシア州などで認められ、それらの地域で規定を守ればカヴァと名乗れます。そのためリオハのカヴァもあるのです。

現在総生産量は33000ヘクタール、19万キロリットルに及びます。

(シャンパーニュの栽培面積とほぼ同じ大きさですが、生産量はシャンパーニュが25万キロリットルと若干の矛盾を感じるため、統計の仕方の違いもあるのかもしれません)

カヴァの95%がカタルーニャ産で、そのうちの85%が同州のサンサドゥルニデノヤで生産されます。

 

生産者には消費者のニーズにドンピシャなものを大量に造るフレシネ社やコドーニウ社のような巨大企業と、個性と品質を旗印にする小家族経営のものと二極化されています。

これはシャンパーニュの大手メゾンと家族経営のRMの構図とそっくりで、運営に多額の資本が必要となるスパークリングワイン市場の特徴がよく表れています。

 

成功の経緯

 

カヴァの世界的な成功はスパークリングワインの流行の波に乗ったというのがもちろん一番ですが、味わいの親しみやすさも大きな要因でしょう。

口当たりはソフトで飲みやすく、酸味が柔らかく飲んでいて楽しさがあるのです。

 

もとはといえばフィロキセラの影響でリオハに仲卸業者の目が向きはじめた1870年ころに、ペネデスのワイン生産者のホセ・ラベントスが始めたのがきっかけです。

彼がシャンパーニュに旅行をしたときに「これをうちでも何とかできないものだろうか」と思案したのです。

フランスで入手した一冊の本を読み込み、ブドウは地元のものを使って試行錯誤して世に出すまでにたどり着きます。

 

ところが最初のリリースはなんと720本。これではとても商売にはなりません。

ただし味わってみるとおいしいし、シャンパーニュとは違う特異性みたいなものも見いだせた。

それならと現在のフレシネ社の創始者であるペドロフェラーが資金を投下して参入します。

 

 

カヴァはすぐにイギリスで人気となりますが、当時は「スペイン産シャンパーニュ」と名乗って売りに出していたのです。

シャンパーニュの業者は最初のほうこそ「金持ち喧嘩せず」で涼しい顔をきめこんでいました。

しかし、ほおっておくとどんどん加熱するカヴァ人気はとどまるところを知りません。

そのうち危機感を抱き、失った利益を取り戻そうと国際裁判にもなってしまうのです。

 

その結果スぺイン側もさすがにあれなんでということで、1970年から名称をカヴァに統一して使用をすることになります。

カヴァはカタルーニャの言葉で洞窟とか地下蔵という意味で、(フランスではカーヴ(CAVE)と呼んでいる)これが語源とされています。

 

 

カヴァの世界的な成功に、ジロパレット↑の存在を忘れてはいけません(ジャイロパレットともいう)。

ジロパレットはヴーヴクリコが開発した澱抜きの手法(ルミュアージュをご参考ください)を機械式にするもので、それまでは職人の手動で行っていたところを一気に機械化で大量生産を可能とするのです。

(このジロパレットはカヴァのコド―ニュ社が開発しました)

 

現在でも澱抜きは手作業が多く、澱を瓶の口に集めるためにピュピトルという穴付きの板に↑さかさまにさして角度を変えていくのです。

先進的なイメージのシャンパンメゾンでもこの手法は取り入れていて、一つ一つ手作業で毎日少しずつ瓶を回転して澱を口の部分に集めます。

これにはジロパレット以外に今のところ代替案がなく、そのためとてつもなく伝統的な手間をかけているのです。

 

今ではジロパレットはシャンパーニュ地方でも部分的に採用されるまでになり、世界のスパークリングワインの生産者が採り入れています。
 
きわめて高価なスパークリングワイン以外はおおよそジロパレットを採用しているといっていいでしょう。
 
この流れが地元シャンパンの生産者に与えた影響ははかり知れません。
 
それまでは自分のところのワインこそがシャンパーニュと疑いもしなかったところに、真似してあとから出てきたカヴァに背中を押されてしまうのです。
 
ましてやそれまでの伝統をひっくり返すジロパレットをシャンパーニュの大手が採用し始めると、シャンパーニュの生産者からすれば愚痴の一つでもこぼしたくなるのが人情でしょう。
 
もっとも、ジロパレットは優秀でそれまでの手間を一気に短縮することに成功していますが、本当の高級ワイン造りにはやはり手作業のほうが勝るとのもっぱらの定説となっています。

 

製法とブドウ品種

ブドウ品種はスペイン独特の品種を3品種用います。

・マカベオ MACABEO

・チヤレッロ XARELLO

・パレリャーダ PARELLADA

シャンパーニュはピノノワールやムニエのような黒品種ですがカヴァの3品種はすべて白ブドウで、ここに違いが現れます。

(現在はシャルドネピノノワールのブレンドが認められています)

ロゼはガルナッチャやモナストレルを混ぜて造るか、黒ブドウ単体で造られます。

 

カヴァの発泡性は、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られ、人工的に炭酸ガスを添加したものではありません。

瓶内貯蔵期間は9か月が定められていますが一般的には1~2年の熟成を経て出荷され、さらに上質なメーカーは3~4年は熟成させて出荷させます。

 

2007年に改定されたワイン法では15か月以上熟成させたものをレゼルバ、30か月以上熟成させたものをグランレゼルバと呼ぶことができます。

 

なお、カヴァの味わいは、出荷する前に瓶内にたまったオリを取り除き、その補填に使われる糖によって決まります。

表記と1リットル中の残糖分はいかのとおり。

・ブリュットナチューレ(BRUT NATURE) ~3g

・エクストラブリュット(EXTRA BRUT) ~6g

・ブリュット(BRUT) ~15g

・エクストラセコ(EXTRA SECO) 12~20g

・セコ(SECO) 17~35g

・セミセコ(SEMI SECO) 33~50g

・ドゥルセ(DULCE) 50g~

スペイン国内では最も辛口のブリュットナチューレが人気で、ここからもグルメ大国の片鱗がうかがえます。

素材の味を生かし、あっさりとして健康的なイメージのスペイン料理にいかにも合いそうな気がしませんか?

 

飲み方のコツ

カヴァはすっきりとしてさわやかな口当たりと、瓶内二次発酵から来る複雑性を楽しめるワインです。

価格から言って緊張して飲むワインとは言い切れず、カジュアルに楽しめるし、かといって上質な食事にも合わせやすいという特徴があります。

炭酸ガスはシャンパーニュほどきめ細かくはありませんが、はつらつとして勢いがよく、見ているだけでウキウキするような外観です。

温度は8度くらいに設定して、できればきれいなフルートグラスでいただければそれ以上は望むものはないでしょう。

酸味が穏やかなものが多いので、あまり冷やしすぎると味わいがぼけてしまうかもしれませんので、氷水よりは氷をワインクーラーの下部に置くくらいでいいかもしれません。

ボトル一本をそのままいただいてもいいですし、パーティーのウェルカムドリンクとしても最適でしょう。

 

合わせる料理

カヴァはシャンパーニュ同様、泡の特殊性と瓶内二次発酵の複雑性がありますので、そのためほとんどすべての料理に合わせられます。

(コース料理を一本のカヴァで召し上がる場合は、熟成年数の長いグランレゼルバのほうが合わせやすいでしょう。)

もっとも、シャンパーニュに比べるとより軽やかで口当たりがフレッシュなので、できれば食事の前半の料理が合わせやすいかもしれません。

 

スペインはタパス文化が根強く、見ても楽しく、食べておいしいスタイルを国内の三ツ星レストランも踏襲しています。

アケラレアバックアルサックをご参照ください。見た目に驚きと楽しさのあるスペインガストロノミックの流れは北欧のマエモゼラニウムにも承継されます。)

見た目も楽しいタパスを楽しみながらの一杯のカヴァは最高の組み合わせといえます。

パーティーで最初に並ぶ生ハムやカナッペなどのきがるな料理もカヴァの軽やかな口当たりとぴったりです。