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シャブリと生牡蠣のマリアージュ|美味しんぼの影響?

シャブリワインを調べると、ほとんど場合は生カキとのマリアージュを検討することになります。

「生カキといえばシャブリ」「シャブリといえば牡蠣」

それくらい有名な組み合わせです。

今回は、この「牡蠣とシャブリのマリアージュ」を検討してみましょう。

 

牡蠣とシャブリのマリア―ジュ

美味しんぼの影響

牡蠣とシャブリの相性が有名になったのは、漫画「美味しんぼ」の影響が強いと思います。

とあるフレンチレストランで、シェフが牡蠣料理をお勧めしていますが、主人公の山岡さんは、

「牡蠣にシャブリを合わせると生臭さが出てしまう」

と指摘をします。

焦ったシェフは、コルトンシャルルマーニュムルソーを合わせますが、やはり生臭さがでしまうのです。

そして結論とすると、ワインよりも日本酒のほうが牡蠣には合うということで幕引きとなったのを覚えています。

 

現代ガストロノミックでは通用しない?

美味しんぼのこの一コマは、大変に失礼ではありますが少しのワインの知識があればこのような理論にはなりませんし、やや結論ありきのストーリーに感じます。

シャブリには合わないからコルトンシャルルマーニュムルソーを合わせようというのは、同系統ではありますが価格が違いすぎます。

価格が違うだけではなく、ワインの性質がそもそも違うので比較検討ができません。

また、さすがに生牡蠣は高級料理ではありませんので、マリアージュを問われるのはコルトンシャルルマーニュムルソーが可哀そうとも言えますね。

 

もちろん漫画のストーリー上の演出だと思いますし、そのころはワインの知識・情報が今よりも圧倒的に少なかったころなので仕方のないことかもしれません。

ただし、この件で「シャブリと生牡蠣」の組み合わせは一躍有名になったことは事実でしょう。

 

なぜ牡蠣にシャブリなのか?

では、もともとなぜ生牡蠣とシャブリは鉄板のマリアージュと呼ばれていたのでしょうか?

本国のフランスでも美味しんぼ以前から確実に「牡蠣にはシャブリ」の理屈は知られていました。

これには様々な説がありますが、最も有力な説は、

「ワインと料理のマリアージュが確立し始めのころに、辛口白ワインといえばシャブリだったから」

というものです。

ワインと料理のマリアージュは、もっぱらパリで検討されてきた理論です。

ただし、パリは内陸のため、当時の流通では決して新鮮な牡蠣は手に入りません。

そこで消毒の目的も含めて、酸味が強く、辛口のシャブリとの組み合わせが注目されます。

ちょうどレモンを生牡蠣に絞りたくなるように、シャブリの柑橘系の香りと爽快な酸味が生牡蠣に実によく合ったのです。

 

シャブリの検討

ではここで、シャブリそのものを検討してみましょう。

シャブリは前述のとおり、辛口白ワインの代名詞のようなワインで、酸味が爽快です。

キンメリジェンヌと呼ばれる白亜質の石灰質土壌なので、ワインもスモーキーでミネラル感がたっぷり感じられます。

 

ただし、一口に「シャブリ」と言っても、

シャブリグランクリュ

シャブリプルミエクリュ

シャブリ

プティシャブリ

の四つがあって、このうちシャブリグランクリュシャブリプルミエクリュはレストランで頼めば一本1万円はくだらない高級ワインです。

ワインには濃縮感があって、木樽熟成させた複雑なものからステンレスタンクで熟成させた高度に繊細なワインまで様々です。

 

逆にシャブリとプティシャブリはワインショップで探せば2000円程度で探すことができますし、コンビニでも見かけることがあるほど大衆的なイメージです。

 

つまり、一口にシャブリと言ってもこれだけのバリエーションがあるので、それを一緒くたに「シャブリと牡蠣」とくくるのはやや無理があるのです。

 

牡蠣料理

では、牡蠣料理を検討してみましょう。

一番有名なものはやはり生牡蠣ですね。新鮮な牡蠣を開けて、レモンを絞ってそのまま食べると磯の香りが口いっぱいに広がります。

もちろんおいしいのですが、このクラスはさすがにカフェやビストロの料理です。

高級レストランの前菜では見かけることはありませんし、仮に生牡蠣であればひと工夫がしてあるものです。

そのため、生牡蠣であればシャブリやプティシャブリが合いますし、あまり細かくマリアージュを気にせずに楽しみたいものです。

 

レストランの高級料理で有名なものに、牡蠣のグラタンがあります。

こうなるとシェフは腕によりをかけて様々な味わいに仕上げてきます。

例えばパリの三ツ星のギーザヴォワの有名料理に牡蠣のジュレがありますが、こうなるとシャブリグランクリュシャブリプルミエクリュがいいでしょう。

つまり、「シャブリにもいろいろあるし、牡蠣料理にもいろいろあるんだから、もっと細かく検討しよう!」ということなのです。

 

ボーダーレス時代では、辛口白でほぼOK

ワインのグローバル化はここ10年で飛躍的に進み、特に日本では様々な国のワインが楽しまれています。

牡蠣料理は様々ありますが、一般論として、辛口白ワインであればほぼ合わせることができると考えていいでしょう。

ブドウもシャブリのようにシャルドネに限らなくてもソーヴィニョンブランでもいいですし、ミュスカデでも構いません。

ただし、前述のとおり、牡蠣には様々なバリエーションの料理があって、ただ開けただけの生牡蠣もあれば、高度に洗練されたレストランの牡蠣料理もあります。

せっかく高級レストランのシェフが腕によりをかけてつくった絶品牡蠣料理であれば、それに合わせて価格もそれなりの白ワインを合わせてみてはいかがでしょうか。

 

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