ワイン用語集フランスワイン

シャトーシャロン ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

CHATEAU CHALON(以下シャトーシャロン)はアルプスのふもとに位置し、5つの村にまたがるAOCとなります。

天空の城ともいわれる標高の高い位置で生産されています。

後述しますが大変なこだわりをもって造られるワインのため生産量はすくなく、日本にはほとんど入ってこないか、見かけても大変に高価です。

 

この地にはシャロンという修道院があり、この修道院の尼僧がサヴァニャン種を持ち込んだと言われています。

本来ハンガリーで生息していたブドウ品種を、この地で改良したことで現在のサヴァニャン種に至ります。

もっとも、「天空の城」とは言っても実際に本筋の意味でいう城ではありません。

ボルドーのような城塞があるわけではないのにシャトーと名付けるのはフランスでは珍しい呼称になります。

 

シャトーシャロンを生産する地方は、ワインにおける微生物の働きを解明したルイパスツールの生まれ故郷です。

 

19世紀ころのワイン造りは、科学的な根拠に乏しく、それまでは微生物の存在は認めていても、自然発生的に(つまり無から)生まれるものと信じられていたのです。

 

そこに疑問を持った彼は、周囲の学者の猛攻撃をものともせずに、微生物も生物である以上自然発生はしない(無から有が生まれることはない)ということを完璧に立証するのです。

 

そのパスツールが1858年にシャトーシャロンの近くのアルボワで変質したワインの研究を始めたことが、ヴァンジョーヌが生まれるきっかけです。

 

 

もともとワインは神の仕業で造られると信じられていました。つまりよくわかっていなかったのです。

そこをパスツールなどの科学者の活躍で、この時代に一気にワイン造りは根拠のない迷信から脱出をすることになります。

 

 

シャトーシャロン ワイン

ブドウの品種

シャトーシャロンでAOCの認可を得ているのは、ジュラ地方固有種であるサヴァニャンを使用したヴァンジョーヌのみとなります。

1936年にAOCを取得しており、非常に厳しい生産管理の元で栽培されています。

もともと標高が高いため天候のリスクがあり、さらにサヴァニャンは決して病害などの耐性の強い品種ではありません。

そのためサヴァニャンの栽培状態によってワイン製造が行われないこともあります。

実際に1974年、1980年、1984年、2001年はブドウの状態が認められず、ヴィンテージは存在しません。

糖分の上昇が必須のため十分に熟した後の収穫になるので、普通のブドウ収穫よりも遅い時期の収穫になります。

 

 

シャトーシャロンの特徴

シャトーシャロンのAOCはヴァンジョーヌ(VIN JAUNE 黄ワインの意味)とよばれます。

通常の白ワインはリリースしたては緑がかったイエローの色調であることが多いのですが、シャトーシャロンは瓶詰めの段階ですでに緑の色調はなく、完全に黄金色なのです。

瓶詰め前に長期間熟成されることで濃い黄色へと変わっていくのが特徴です。

熟成により強烈なナッツのようなオリエンタルなアロマが特徴的で、とても繊細な味わいと樽熟成が由来の軽いタンニンが感じられるワインとなります。

造り方も独特で、通常のワインと同様に発酵させた後木樽に移されます。

そこで低温で空気に触れさせて酸化させながら、最低6年熟成させます。

この工程で産膜酵母↓が発生し、酵母により引き出される独特な香りが合わさります。

継ぎ足されることがないため(ウイヤージュをしない)、その量は3分の1程度にまで減ってしまうため希少なワインとなります。

 

このやり方はスペインの南部のシェリーとほぼ同じ手法で、はるばる遠いこの地でぽつんと同じようなワインがあることに違和感を感じます。

 

これは仮説ですが、シャトーシャロンは山間に位置するため流通手段に乏しく、できる限り長持ちするワインを造ろうとしてあみだし、

 

シェリーは海寄りなので長い航海に耐えうるように酒質を強化して仕上げるうちにできあがったのかもしれません。

 

現代の経済活動でワインを6年間熟成させることはどれだけのリスクを伴うかは想像しやすいでしょう。

今造っているワインが売れるのは6年後だと考えると、新進気鋭のワインビジネスマンは絶対に手が出せません。

それだけ気合の入った生産者が取り組んでいるのです。

 

相性の良い料理

ナッツ系のアロマと、透明感ありながもスパイシーさもあるシャトーシャロンはチーズとのマリアージュが最高です。

特にこの地方のハードタイプのチーズと相性良くなっています。

また中華料理やエスニック料理など、香辛料の効いた料理と合わせも楽しむことが出来ます。

 

もっとも、日本ではほとんど入ってくることのないワインですし、見かけたとしてもスペインのドライシェリーのほうが圧倒的に安く、価格ではとてもかないません。

そのため旅行に行かれた際に地元でいただくか、日本でいただくにしてもこういうワインもあるんだというおおらかな気持ちで飲むのが一番かもしれません。