クロ・ド・タールは約900年にも及ぶ歴史があり、この畑を所有となったのはたったの3人(法人)という稀有な畑です。
恵まれた日照条件、一貫した土壌と品質管理により、素晴らしいワインを生み出し続け、グランクリュの中でも圧倒的な存在感です。
丁寧に造られるワインは、絶好の立地条件と優れたテロワールから引き出される濃厚な果実味、それを包み込む繊細なタンニンが特徴です。
圧倒的な凝縮感、余韻、類稀なストラクチャー、複雑味など、偉大なグランクリュの要素が全て備わっています。
クロドタールを語るには、できればブルゴーニュの歴史をご覧いただき、後述する所有者がころころ変わることもなく、かつ、土地の分割も一切なかった事実も踏まえはいかがでしょうか。
これはそれだけクロドタールが愛された結果であって、少しの歴史の知識があるだけでワインがより一層おいしく感じられると思います。
クロドタール
伝統のドメーヌ
クロ・ド・タールは1141年に設立されました。
本拠地は、モレサンドニの南側、シャンボール・ミュジニー寄りに位置する偉大なグランクリュ、クロ・ド・タールです。
単一畑で、今まで一度も分割された事がなく、一社が所有するブルゴーニュのグランクリュでとしては最も大きい畑となります。
ワイン造りは、昔ながらの伝統と最新技術を両方取り入れたスタイルです。
畑での作業は昔ながらの手仕事で行うのに対し、醸造については全ての工程でステンレスタンクを使用するなど、両方をバランス良く取り入れてワインを造っています。
ワイナリーの歴史
1141年シトー修道会から派生した、ベネディクト派のタール修道院が単独所有を開始しました。
もともとタール修道院の修道僧はシトー派の流れをくむため、清貧をよしとし、無駄なことを嫌う傾向にありました。
ワインにもその傾向はあらわれ、栽培・醸造は極めて繊細で先鋭化させ、純粋でクリマの良さを十分に引き出します。
その後1791年にマレ・モンジュ家が買い取り、1932年からは、長い歴史を誇る名門、ボジョレーのトップ生産者であるモメサン家が約85年もの間、単独所有していました。
そして2017年からはシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏一族がオーナーとなっています。
クロドタールも例外なくフランス革命の混沌とフィロキセラの脅威をうけ、歴史の影響を受けたにもかかわらずそのままの区画をたもつことはどれだけの困難があったでしょうか。
例えば所有者が経済的に困窮した場合、普通の所有者であればいい買い手があればどれだけ畑を分割しようといい条件で売却するでしょう。
クロドタールはもともと評価が高く、消費者にめぐまれ、さらに所有者にも恵まれた結果、一度も分割されることなく現在までその形をとどめているのです。
クロ・ド・タール・グランクリュ・特級“モノポール(2010年)はパーカーポイント97点という驚愕の数字を叩き出しました。
また多くのワイン誌でも高評価を連ねています。
ブルゴーニュ辛口ワイン愛好家から絶大な人気を誇っています。