ワイン以外のアルコール

コニャックとは?基礎知識とその楽しみ方

コニャックは、フランス西部にあるブランデーの産地です。

ボルドー地方すぐ北に位置しており、アルマニャックと共に、ブランデーの二大産地として知られています。

石灰質が多い土壌構成で、ブランデー用のブドウ栽培に適しています。

 

 

コニャックでのブランデー生産が本格化したのは、17世紀ごろです。

1630年ころから一樽あたりのワインに特別税がかけられるようになり、そうなると海岸近くで造られるワインに比べると流通経費の面で競争が困難となるのです。

そこで従来とは違ったものを作り出し、名物化させる必要が出てきたところに、蒸留酒にしようとする流れが生まれるのです。

この地で造られた度数が低く、あまり質の高くないワインは、逆に蒸留酒にすることで独特の風味を持ち、輸出する際の長い航路の時間にも品質が悪くなることはなく、これが業者にとっても好都合だったのです。

当時のフランスの税制ではアルコール度数ではなく、量に対して重く課税されていたので、量が少なく輸送に便利なブランデーは一気に普及するのです。

 

コニャックとは?

生産地域


コニャックでは、石灰質の含有量などを調査して、6つの生産地域に区分されています。

上級な産地のものほど、熟成に時間がかかると言われています。

最も石灰岩が多く、上級とされているものがグランド シャンパーニュです。

グランド シャンパーニュからは、エレガントで凝縮感のある、香りが華やかなブランデーが生産されます。

次に上級のものがプティット シャンパーニュ、その次がボルドリー、ファンボア、ボンボア、ボアゾルディネールという順番になっています。

グランドシャンパーニュのものを50%以上使用し、プティット シャンパーニュのみをブレンドしたものはフィーヌ シャンパーニュと名乗ることが出来ます。

 

ところで、このようなシャンパーニュという名前は呼び方も綴りもスパークリングワインのシャンパーニュと全く同じで、これを不思議に思う人は多いかもしれません。

このシャンパーニュという意味は、もともとは白亜質の平原の意味をさしていて、この点に限って言えばあちら側のシャンパーニュと類似点があって、決して勝ち馬のただ乗りということではありません。

 

製造方法

アランビックシャランテ

コニャックやアルマニャックなどの蒸留酒の技法は意外なほどふるいもので、ワインの文明とほぼ同じころにはその片鱗がうかがえます。

色々技術はあるのですが、煎じ詰めれば水とアルコールの蒸発温度の違いを生かした製法です。

水は100度、アルコールは80度手前で蒸発するので、このあいだの温度にすることでアルコール(とエステルなどの香気成分)を抽出することができるのです。

 

秋に収穫したブドウから7~8%の白ワインを作り、澱引きせずに9月1日から翌年の3月31日までに蒸留します。

そしてリムーザン産またはトロンセ産の300L樽で熟成を行います。

 

コニャックの製造方法の特徴は、シャラント ポット スチルという蒸留機を使用し、2回蒸留することに尽きるでしょう。

最初の蒸留でアルコール度数28度の液体が出来上がり、2回目で70度くらいになります。

世界のほとんどの蒸留酒は連続式蒸留機と言って、1回の工程で出来上がるのに対してコニャックはこの手間暇のかかる手法を長年続けているのです。

これはなぜかというと、2回の蒸留の間に手加減する余地を加えることができ、その結果連続式蒸留よりも洗練されたものを造ることが可能となるのです。

 

 

コニャックのブドウ品種

ugni-blanc

ブランデーに使用するブドウ品種はワイン用とは異なり、糖分が少なく酸味が強いものが使用されます。

酸味の強いブドウは香気成分が豊富で、華やかな原酒を得ることができます。

糖分が少ないブドウ品種を使用すると、出来上がるワインのアルコール度数は低くなります。

そのため蒸留において、一定のブランデーを製造する際にはより多くのワインを使用するため、非常に凝縮した味わいの原酒を作ることができます。

 

コニャックでは主にユニ ブラン、フォル ブランシュ、コロンバール、モンティル、セミヨンが主要品種として使用されています。

上記の主要品種に、10%までフォリニャンを使用することが認められています。

もっとも、流通しているコニャックの90%がユニ ブランから作られています。

ユニ ブランは、イタリアのトスカーナ地方原産の白ブドウ品種で、トレビアーノ トスカーノ、サンテミリオンとも呼ばれています。

 

コニャックの等級

cognac xo

コニャックの等級に関しては、全国コニャック事務局が規定しています。

コニャックの熟成年数の基準として、コントという単位が使用されます。

コントとは、蒸留が終了した4月1日から翌年の3月31日までをコント0とし、蒸留後の翌年の4月1日から翌々年の3月31日までをコント1として加算していきます。

 

熟成年数により、様々な名称をラベルに表記することがでます。

コント2以上は、スリースター。

コント4以上はVSOPまたはReserve。

コント6以上はXO、Extra、Napoleon、オールダージュ(HORS D’AGE)と表記することができます。

 

VSOPはVery Superior Old Paleの略であり、XOはExtra Oldの略です。

2018年以降、XOの基準が変わり、コント10以上となります。

 

コニャックとして販売する場合、コント2未満の熟成年数が若い原酒は使用することができません。

また、様々な熟成年数のものをブレンドして製品化しているものが多いですが、ラベルには熟成年数の平均ではなく、ブレンドされている最も若い原酒のコント数を元に、表記しなければいけません。

 

コニャックに関しては、熟成年数を守ることで自動的にナポレオンとかVSOPとかを名乗ることができるのです。

これは何を意味するのかというと、つまり品質については何ら保証はなく、年数に関する限りの意味だということです。

そのためうやうやしくVSOPとかNAPOLEONの文字をみてなんとなく「うまそうな酒だなあ」と思っても、それは品質とはまた別の概念で、手放しで喜ぶのはぬか喜びというものでしょう。

 

 

利き酒のコツ

ソムリエ試験であっても、あるいはお酒好きな方であっても目の前に出されたグラスを当てるのは何とも楽しいものではないでしょうか。

ここでコニャックの利き酒のコツをご紹介しましょう。

コニャックはブランデーで、アルコール度数は40%程度なので、何度も口に含んでじっくりと味わうということはできません。

また、香りの芳香成分も強く、そのため香りをかぐ”最初の1秒”で判断しないといけないのです。

一瞬香りをかいだらフッと息をつく暇もなく,どの酒なのかを決断し、口に含むのはその確認作業と言っていいでしょう。

 

では、まずは目の前のコニャックを想定してください。

この段階で外観は茶色が強く、品質によっては黄金がかっていたり、あるいは黒みが強く見えるでしょう。

この段階ですでに頭の中には以下の酒に絞られるのです(似た外観でワインやリキュールなどもありますが、ここでは除外しています)。

・コニャック

・アルマニャック

カルヴァドス→酸化したリンゴの香り

・ウィスキー類→強烈なアメリカンオークやピートの香り

・ラム(特にマルティニーク)→ラム独特の機械的な香り

・そのほかの種類のブランデー(グラッパやオルーホなど)→外観で判断が可能

このくらいに絞り込み、嗅覚にすべての神経を集中して最初のひと嗅ぎをしてください。

ここでパッとひらめかなければ残念ですが当てることは難しいでしょう。コニャックとアルマニャックは、アルマニャックのほうが若干華やかというか、干しすもものような香りがするので、そこで見極めます。

 

そして口に含み、少しずつ香りを確かめながら舌にしめらせ、確認をしていきましょう。

口に含む量はほんの少しでいいです。おそらくアルコールによる甘味を十分に感じ取ることができるでしょう。

アルコールは糖分のおよそ7割の甘味を感じさせるといわれています。

甘味イコール糖分とお考えの方にはきっとびっくりされる新しい発見ではないでしょうか。

 

楽しみ方のコツ

コニャックはブランデーなのでアルコール度数が高く、そのため食事中のお酒ではありません。

また、大変に長い時間をかけてデリケートに造ったものなので、氷で割ったり水で割ったりすることもありません。

そのままでいただくので相当大人の味わいといえます。

アルコールは高いし、苦味も感じるし、むせるし、でもそれでもそれらを上回る上質な満足感がコニャックにはあります。

できれば静かな雰囲気で、いい環境の中でいただきましょう。

音楽がうるさくなっていたり、騒々しい雰囲気では味わいに集中ができなくなってしまいます。

バーやレストランやラウンジ、ご自宅であればご家族が寝静まった後にこっそりといただくのもいいですね。

 

できれば大ぶりのコニャックグラスに少しだけ注ぎ、手のぬくもりをグラスに伝えるように抱えて持ちましょう。

 

味わいも風味も強いので、案外コニャック単体では疲れてしまうものでしょう。

そのためお口直しに生チョコレートやボンボンショコラ、なければナッツ類でもいいです。

これらを用意して、目の前のグラスを愛でてください。

口に含むと長い期間ていねいに熟成された香りとブドウから来るアルコールの風味がひろがり、一瞬にして最高の時間をあたえてくれます。

色々考え事をしてもいいでしょうし、疲れた体をいたわってもいいでしょう。

いかがでしょうか。コニャックを一杯味わってみたくなりましたか?

 

コニャックとシガー

これは上級者向けになりますが、フランスには「男の3C」という言葉があって、

CAFE(コーヒー)

COGNAC(コニャック)

CIGAR(シガー)

この三つの三位一体をたのしめてこそジェントルマンだという言い伝えがあります。

 

コーヒーは別のページにゆずるとして、シガーとのマリアージュは特筆もので、丁寧に保存された柔らかい風味のシガーをくゆらせながらいただくコニャックは、最高の時間を与えてくれるでしょう。

この場合、細身のシガーは口の断面が小さくスパイシーになりがちなので、やや太めのシガーで、できれば柔らかい口当たりのダビドフやベガスロバイナ、コヒバやアルトゥーロフエンテあたりをお勧めします。

 

コニャックをいただくときに、思い出してみてはいかがでしょうか。

もっとも、当たり前ですが現代は男とか女とかの性差でひとくくりに論じるのはナンセンスで、ただの男のロマンチシズムととらえて問題ありません。

例えば私の周りには男顔負けの力強い女性が多く、ワインの世界にもヴーヴクリコやマダムポメリーのような女傑がいますので、やや時代遅れな言葉とも言えます。

女性の方でシガーが似合う人もたくさんいらっしゃいますし、他意はございませんのでご了承ください。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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