コリウールは、南フランスのラングドック地方にあるスティルワインのAOCです。
同じ地区にはVDNのバニュルスがあって、その地区で生産されるスティルワインと覚えている人は多いでしょう。
赤、白、ロゼの辛口タイプが認められていますが、生産量のほとんどは赤ワインです。
生産されるコミューンは以下のとおりで、栽培面積は330ヘクタールほどです。
Banyuls-sur-Mer バニュルス シュル メール
Cerbère セルベール
Collioure et Port-Vendres コリウール エ ポール ヴァンドル
日本ではほとんど見かけませんが、ソムリエ試験やコンクールではたまに出題されます。
また、日本に輸入されるコリウールは高品質なものが多く、コストパフォーマンスに優れています。
ワインショップで見かけた際には是非お試しください。
コリウール ワイン
ブドウ品種
同じ地区のバニュルスと同じようなセパージュを用います。
赤ワインはグルナッシュを主要品種に、ムールヴェードルやシラー、補助的にカリニャンを使用します。
ロゼはこれらにグルナッシュグリなどのピンク系品種を用います。
白ワインは生産量は少ないですが、グルナッシュブランやグルナッシュグリなどで造りますが、重要度は高くありません。
ほとんどは地元のスーパーやレストランで消費され、日本ではコリウールのロゼと白は見かけたことがありません。
ワインのタイプ
コリウールの赤ワインはまさにバニュルスの辛口バージョンと考えていいでしょう。
色が濃く、黒みがかったガーネットの色調と熟した果実やジャムのような濃密な香りが特徴的です。
バニュルスと違いミュータージュはしませんが、それでもアルコールを感じ、コクと飲みごたえのある口当たりになります。
生産者によっては木樽の印象も強く、果実の香りとバランスが取れているものも少なくありません。
熟成にも耐え、10年程度のコリウールは土のようなミネラルの印象が感じられ、高級ワインに様変わりします。
飲み方のコツと合わせる料理
コリウールの赤は、全体的なイメージはローヌの高級赤ワイン(シャトーヌフデュパプやエルミタージュ)を参考にできるかと思います。
ただし価格的にはリーズナブルですので、美味しくてスパイシーなワインを気軽に飲みたいというときにいいでしょう。
16度くらいに温度を設定し、中ぶりなチューリップグラスに少しずつ注いで楽しみましょう。
合わせる料理としては、高級食材を用いたレストランの料理というよりは、じっくりと時間と手間をかけた家庭料理が合わせやすいでしょう。
牛バラ肉を赤ワインと野菜でじっくりと煮込んだナヴァランなどはコリウールのコクのあるうまみとスパイシーな印象がよく合います。
また、軽めのジビエの料理であれば例えばテリーヌなどはジビエの血液の印象がコリウールのミネラル感ともよく合うでしょう。