ワイン用語集

コマンダリア|キプロスの極甘口ワイン

コマンダリア(COMMANDARIA)は、キプロス島で生産されている歴史ある甘口ワインです。

キプロス島は暑く乾燥した気候をもち、トルコ南方の地中海に浮かぶ小さな島です。

この島には3500年前にはワインを造っていたという遺跡があって、ワインの発祥の地ともいわれています。

中世から現在にかけてコマンダリアは生産されてきていて、甘口で濃密な味わいの名物ワインとして知られてきました。

 

元々はソ連が主な輸出先だったのですが、甘口ワインの全体的な消費量の落ち込みに伴い、畑は辛口ワイン向けの国際品種にとってかわられてきています。

しかし、歴史に愛されたねっとりとした甘みのうっとりするような口当たりはコマンダリアならではのものがあり、もし日本で見かけることがあればぜひお試しいただきたいワインとしてお勧めします。

 

コマンダリア

キプロスの名酒

コマンダリアは、オモドス村を中心とした14の指定された村で栽培されたブドウのみを使用しています。

収穫したブドウを藁の上で天日干しにして乾燥させます。乾燥させることに糖分が凝縮し、糖度の高いブドウ果汁を搾汁することができます。

その果汁を自然発酵させ、4年間の樽熟成を行うという厳しい規定をクリアしたものが、コマンダリアとして生産されています。

 

藁の上でブドウを乾燥させる製法はパスリヤージュと呼ばれ、フランスやイタリアでも用いられていますが、キプロスで生産されているコマンダリアはその中でも長い歴史を持っています。

コマンダリアの面白いところは、パスリヤージュをしたうえで、さらにミュータージュをしてアルコールを強化するところにあります。

アルコール度数は15度程度で、糖分は白で一リットル中に390グラム、赤で450グラムと途轍もない甘口に仕上がります。

 

キプロスは紀元前2000年頃からワインが造られていたと言われています。古くからあるワイン産地のひとつであるため、コマンダリアには様々な逸話があります。

 

ローマの軍人であるアントニウスは、クレオパトラに愛を告白する際にキプロスとコマンダリアをプレゼントしたと言われており、クレオパトラはこのコマンダリアを愛飲していたようです。

また12世紀に英国王リチャード1世は、キプロスでの結婚披露宴の際にこのコマンダリアをふるまっており、コマンダリアを「王のワイン、ワインの王」という言葉で褒め称えたと言われています。

 

ワインの特徴

コマンダリアの外観は琥珀色、そしてオレンジなどの柑橘やレーズンが香ります。

その味わいは繊細でありながら、蜂蜜のような濃厚な甘さを持っています。

ブドウ由来の糖分を残すために、スピリッツを添加してアルコール度数を上げ発酵を止めています。15%程のアルコール度数があるため、食後酒としても高い満足感を得ることができます。

コマンダリアに使用するブドウ品種は白ブドウがクシニステリ(XYNISTERI)、黒ブドウがマヴロ(MAVRO)です。

 

楽しみ方のコツ

まずは、日本ではほとんど見かけることのないワインなので、事前に知識を仕入れて気分を盛り上げていただきたいワインでしょう。

ねっとりした甘味とエキス分やアルコールの印象は、あまり冷やしすぎると魅力が半減しますので、10度くらいの温度でいただくのがベストでしょう。

グラスは小ぶりのチューリップ型で問題ありません。

 

デザート全般に合わせやすいのですが、特にパスリヤージュの風味があるのでイチジクのタルトなどが最高のマリアージュになります。

また、シェリーのペドロヒメネスと同様にヴァニラアイスクリームにかけても最高の風味に仕上がるでしょう。

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