コルビエール(CORBIERES)は、フランスのラングドック地方でも最大のAOCワインの生産地です。
赤・白・ロゼを生産していて、どれもAOCに認定されています。
1985年にAOCを獲得しましたが、それより以前から日本にも多く出回っていたことで知られるワインです。
ややネガティブな表現になりますが、後述するように栽培面積が大きく、そのため中には品質の低いワインもありましたし、現在でも極端に低い価格のコルビエールは決して誉められる品質ではありません。
しかし、最近では農業組合の発達やほかの生産地域からの知識と経験の流入によって目覚ましく品質が向上し、中には小さく個性を打ち出す生産者も目立ってきました。
コルビエール
ワインの全体像
コンビエールは、フランス南部のラングドック・ルーション地方に位置し、コルビエール村をはじめとした11地区100を超える村で生産され、その広さは1万5000haにもなります。
赤・白・ロゼがそれぞれAOCに認定されていますが、生産されているのは90%以上が赤ワインです。
日本にはほぼ赤ワインしか輸入されませんので、赤しか生産していないと思っている人は多いかもしれません。
むき出しの岩盤が入り組んだ土地にブドウ畑があり、粘土質や石灰質など場所によって土壌が異なります。
乾燥しているものの適度な湿度があるため、この地方特有のグルナッシュやカリニャン、ムールヴェードルといった品種からワインが造られています。
ワインの特徴
コルビエールの多くは若飲みワインとなり、アルコール度数が高めであることが特徴的です。
赤ワインは、この地方独特の濃い目の色に、スパイスのアロマが感じられる力強いワインとなります。
あまり個性的ではないワインですが、コルビエール中央にあるブトナックの丘を中心とする10の村で生産されるワインは、2005年に単独AOC「コルビエール・ブトナック」に昇格するほどの素晴らしいワインです。
また、白ワインとロゼワインに関しては生産量が少ないものの、品質改良や技術革新が盛んです。
赤ワインと同様に、力強く香り高いワインになります。
こちらも基本的には若飲みタイプが多くなっています。
楽しみ方のコツ
「力強いテーブルワイン」と呼ばれるほど生産量も多いので、デイリーワインとしても購入しやすいワインです。
サーブ温度は17~18度が適温となり、コクと力強さを楽しむことができます。
デイリーワインなのでグラスはこだわらなくても問題ありません。
極端な話、100円均一のグラスでもご家庭のコップでも楽しく飲めるワインでしょう。
料理は、肉料理やジビエ料理との相性が良く、他にもトマトソースの料理やソフトチーズとも相性抜群です。
緊張して楽しむようなレストランなどの環境ではなく、もっとくだけた雰囲気の飲み方が似合います。
ご家庭であればミートソースのスパゲティやハンバーグにも合わせやすいですし、しょうゆベースの味付けであればたいていの料理に合わせられます。
逆に言えば、気取って飲むタイプのワインではありませんので、リラックスした雰囲気で日常的に楽しみたいワインといえます。