コート ド ニュイ(COTE DE NUITS)は、フランスのブルゴーニュ地方に位置しているワイン産地です。
小高い丘の斜面が南北に続いており、世界最高峰の赤ワインの生産地として知られています。
コート ド ニュイは、南にあるコート ド ボーヌを合わせてコート ドール(黄金の丘)と呼ばれています。
コート ド ニュイは、ワイン産業の中心であるニュイ サン ジョルジュの村名がその名前の由来となっています。
しかしニュイ サン ジョルジュは、南にあるコート ド ボーヌの中心地であるボーヌに比べると町としての規模は小さく、多くのネゴシアンはボーヌに本拠地を置いています。
コート ド ニュイには8つの村名アペラシオンが含まれており、南北20knほど、幅は数100mほどの広さです。
その村々を突き抜けるようにグランクリュ街道が走っています。
多数のグランクリュを抱え、男性的なワインを産するといわれているジュヴレ シャンベルタンや、女性的なワインで人気のあるシャンボール ミュジニー、ブルゴーニュ最高峰の産地であるヴォーヌ ロマネなど様々な特徴をもつ村がコート ド ニュイに含まれています。
コート ド ニュイではほとんどのブドウ畑が国道の西側に位置しており、斜面中腹から上部の畑のワインは、高い評価を得ています。
小さな地区ながらもグランクリュやプルミエクリュなど等級の高い畑が揃うため、「ブルゴーニュのシャンゼリゼ通り」とも言われています。
実際に、ROUTE DES GRANDS CRUS(グランクリュ街道)と呼ばれる道を歩くと、それこそ世界中のワインファンが歓喜する畑を一気に通り抜けることができます。
コートドニュイは、世界的にも憧れられているこれらの村から優れたワインを産み出す地区なのです。
Marsannay / マルサネ
Fixin / フィサン
Gevrey-Chambertin / ジュヴレ・シャンベルタン
Morey-Saint-Denis / モレ・サン・ドニ
Chambolle-musigny / シャンボール・ミュジニー
vougeot / ヴージョ
Vosne Romanée / ヴォーヌ・ロマネ
Flagey-Echézeaux / フラジェ・エシェゾー
Nuits-Saint-Georges / ニュイ・サン・ジョルジュ
コートドニュイのワイン
ワインの特徴
コートドニュイ地区では、主に赤ワインが生産されており、白ワインは極わずかです。
畑や村によって違いはあるものの、品がありながらもハードでしっかりとした赤ワインが中心となります。
ルビー色の美しい色の赤ワインは、イチゴのようなアロマを纏い、個性的な味わいが魅力です。
グランクリュに格付けされているシュブレイ・シャンベルタンは、パワフルで男性的なワインで、「ブルゴーニュの王」とも呼ばれナポレオンにも愛されたワインとして有名です。
シャンベルタンは、昔から力強い味わいで有名で、戦に勝つという縁起担ぎで線上にシャンベルタンを持参したのでしょう。
他にもコートドニュイ地区には、フランスの中でも有名な辛口ロゼワインであるマルサネなども生産されています。
一方で、この地区で最も女性的なワインはシャンボールミュジニィと呼ばれており、繊細な味わとなります。
ブドウ品種
赤ワインに用いるピノノワール種が主に栽培され、石灰質と泥炭土の土壌はピノノワール種の栽培に非常に適しています。
コートドニュイ地区のブドウ畑は、大半が東向きのなだらかな斜面のため、日照りに恵まれており、芳醇なブドウを育てることができます。
ブルゴーニュはボルドーに比べると北部に位置し、内陸のため冷涼ではありますが、このように局地的な気象条件を利用してワインづくりを行っているのです。
また、少量ながらも生産される白ワインにはシャルドネが用いられています。
グランクリュ街道
ワイン好きの方であれば、ぜひグランクリュ街道を歩いてみてはいかがでしょうか。
ディジョンからバスがあり、途中で下車し、ブドウ畑に向かって歩くとそこかしこに表札が見えます。
ブルゴーニュのマップを片手に歩いてもわかりやすく、一本道を歩くだけでブルゴーニュに来たんだと実感できると思います。
各村にはワイン生産者が集うビストロもあり、気の置けない家庭料理が味わえます。
赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが生産されていますが、白ワインとロゼワインの生産量は少ないため、その生産量のほとんどが赤ワインです。
コート ド ニュイでは土壌や標高、傾斜などの細かな違いにより、単一品種が使用されていながら異なるスタイルのワインが生産されています。
同じ村のワインであっても、畑の違いによりスタイルが異なる「テロワール」の概念が根強く浸透しています。