コート デュ ルーション(COTES DU ROUSSILLON)は、南フランスのラングドック・ルーション地方に位置している、広域なAOCです。
ピレネーオリエンタル県の中央部に位置しており、様々な土壌で構成されています。気候は地中海性気候であり、年間を通して温暖な気候です。
ルーションのワインは、ブドウ品種で言えばここだけでいったいいくつの品種を植えているんだと思わせるほど全方位の品種を見ることができます。
天候がいいために何を植えてもそれなりに育つため、あまり品種のセレクションに真剣でないのかもしれません。
ただし、これは残念ですが現在のマーケティングからすればやや不器用な手法と言わざるを得ません。
現代社会の顧客心理は「ここでこそ味わえるワイン」をこそ期待しているのであって、それを検討すると、ありとあらゆる品種がみられるのは消費者としては迷ってしまうかもしれません。
コートデュルーション
ワインの全体像
コート デュ ルーションでは、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが生産されており、様々なブドウ品種が栽培されています。
ロゼワインの生産が最も多く、カジュアルな物から高い品質のものまで様々なワインを生産しています。
主なブドウ品種としては、カリニャン、グルナッシュ、ムールヴェードル、シラー、グルナッシュ ブラン、マカブー、マルサンヌ、ヴェルメンティーノなどを挙げることが出来ます。
コート デュ ルーションのあるルーション地方は、AOCで認められているものはまだまだ少ないですが、近年高品質なワインが増えてきています。
また、ヴァン ドゥ ナチュレという自然の甘みを残した甘口ワインの産地として広く知られています。
ワインの特徴

地中海、ピレネー山脈、渓谷などの多彩な自然に囲まれており、恵まれた自然条件をもっています。
そのため畑には様々な土壌構成があり、味わいのヴァリエーションも多様です。
また、コート デュ ルーション ヴィラージュは、コート デュ ルーションの格上のAOCとされており、赤ワインの生産のみ認められています。
伝統的な醸造法を用いたコクのあるタイプのものや、マセラシオン カルボニックを使用した軽やかなタイプも生産されています。
ルーション地方は、フランスの最南端に位置しており、元々スペインのカタルーニャの一部でした。そのためスペインとの関わりが強く、文化的影響を色濃く受けている地方です。
1659年のピレネー条約により、スペイン領からフランス領へと変わりました。
日常消費用のワインやブレンド用のワインが多く生産されてきましたが、近年品質が向上しており、コート デュ ルーションは1977年にAOCに認定されました。
楽しみ方のコツ
コートデュルーションは、どのタイプであっても決して気取って楽しむタイプのワインではありません。
そのため、高級レストランの緊張する雰囲気よりも、もっと日常的な気軽な雰囲気で楽しみたいワインです。
パーティーであっても「ワインを楽しもう!」というよりは、「何でもいいから酒もってこい」的ななかにあると喜ばれるワインでしょう。
飲み口も柔らかく、そして華やかな香りにきっとその場が盛り上がるはずです。
サービス温度は赤で16度、白とロゼで8度くらいにひやし、グラスも100円均一のもので全く問題ありません。
ご家庭であればそれこそ多数の種類の料理が同時に食卓に並ぶ日本の食生活にピッタリでしょう。
唐揚げやコロッケ、麻婆豆腐などの気軽なご家庭の料理にもいいですし、カフェやビストロのグラスワインにも最適です。