ワイン用語集フランスワインシャンパーニュの生産者シャンパーニュ地方生産者

ドゥーツ シャンパーニュとは?その特徴と歴史

ドゥーツ(DEUTZ)はヴァレ ド ラ マルヌのアイを拠点とするメゾンです。

190haもの厳選した畑を所有し、使用するブドウは格付け平均で97%に達しています。

「調和された完璧なフィネスと複雑味」を独自のスタイルとして、シャンパーニュ造りを行っています。

現在は温度調整可能なステンレスタンクを使用し、酸化を一切回避するように造っています。

 

ここは1911年に、シャンパーニュ地方以外から安くブドウを仕入れるメゾン経営に怒り狂ったブドウ生産者農家が暴動を起こした際にとばっちりをくらったメゾンでもあります

ドゥーツは生産者を大事にする経営をしていたので「うちのところは大丈夫だろう」と無防備でいたところをやられてしまうのです(アヤラと同様)。

ブドウ農家をそこまで大事にする堅実なメゾン運営だから派手ではないし、知名度は決して高くはありません。

しかし、品質本位でここまでくるだけの味わいは本物で、熟成の柔らかさと一本芯の通った酸味のバランスが良く、ソフトな味わいは秀逸です。

そのようなながれからか、同業のワイン生産者から一目置かれ、フランスのソムリエに言わせると最も通好みのシャンパンなのだそうです。

 

ボンの真西にアーヘンという温泉街があって、ここで生まれ育った二人のドイツ人が興したシャンパンメゾンがドゥーツです。

 

このアーヘンという町はカール大帝(シャルルマーニュ)がヨーロッパじゅうを戦い抜いたときの本拠地として知られています。

 

カール大帝はドイツではヨハニスベルグのブドウ園を作り、フランスではコルトンシャルルマーニュにもその名を残しているいわばワイン大帝でしょう。

 

第二次大戦後のシャンパーニュの急激な拡大期にも派手な宣伝をせず、地道に口コミで広がっていったシャンパーニュで、これはなかなかないことです。

 

ドゥーツ

生産者好みのシャンパーニュ

スタンダードはブリュット クラシックで、3年熟成を経てリリースされています。

他には、ピノノワールが多くブレンドされているブリュット ヴィンテージ エクストラ エイジや、キュヴェ ウィリアムドゥーツがあります。

プレステージはキュヴェ アムール ド ドゥーツです。

アムール ド ドゥーツはシャルドネのみを使用したブラン ド ブランであり、使用するブドウは、メニル シュール オジェから60%、アヴィズから35%、ヴィレール マルメリーから5%供給されています。

またミュズレにはダイヤモンドが施されている豪華な造りです。

アムールは日本語で「愛」という意味で、その名前の通りプレゼントにも最適なシャンパーニュです。

 

ドゥーツは1980年代のシャンパンメーカーの大宣伝時代にも欲を出さずに堅実なシャンパン造りを続け、そのため規模は急激に拡大することはありませんでした。

シャンパンブームによって大手メゾンは派手な広告とマーケティングによってどんどん売り上げを伸ばします。

しかし、次第に市場がシャンパーニュに慣れ、成熟するとユーザーにはこれらの経済主義に対する自律反発の機運が生まれます。

商売上手で拡大する一部のシャンパンメゾンに対してマーケットは大衆的なイメージを持ちはじめ、すると自然にドゥーツの品質主義がフォーカスされるようになるのです。

ワイン生産者から一目置かれているメゾンである理由は、これらの堅実なイメージの社風にあるのです。

 

 

ワイナリーの歴史


ドゥーツは1837年にシャンパン業を始めます。

1837年といえばヨーロッパではオランダが独立し、フランスでは後のナポレオン三世が政権をとろうとして躍動していたころです。

この激動のさなかにアーヘンからランスにきたウィリアム ドゥーツ氏とピエール ユベール ゲルダーマン氏が設立するのです。

 

二人のドイツ人でシャンパン造りをはじめ、事の成り行きで二人ともシャンパーニュ地方の女性と結婚します。

そして二人のそれぞれの息子と娘が後に結婚するのですが、その後の跡取りがなく、ゲルダーマンのほうの血筋はここで途絶えます。

そして残った名前がドゥーツだったのです(娘側の名前です)。

 

1860年代後半から、2代目であるルネ ドゥーツ氏とアルフレッド ゲルダーマン氏が中心となり、海外に進出していきました。

 

 

長らく家族経営を続け、高級シャンパーニュメゾンの地位を築きましたが、1993年にルイ ロデレールの傘下に入り、家族経営の歴史は閉ざされました。

1996年からCEOにファブリス ロゼ氏が就任し、積極的な設備投資を行い、シャンパーニュ造りを行っています。

タイユヴァンのサロン↑

最高級シャンパーニュ協会であるグランマーキーが設立された、1882年当時からの会員で、シャンパーニュ界で確固たる地域を築いています。

ミシュラン三ツ星(当時)のタイユヴァンでもオンリストされるなど、ソムリエにも高い人気と知名度を誇ります。

世界中のセレブにも愛飲されており、世界的歌姫であるマドンナもドゥーツを好んでいました。

ドゥーツは、スタンダードタイプで約30%のリザーブワインをブレンドし、これが味わいに柔らかさをもたらしています。

 

熟成の妙がよく出ていて、いわゆるソフトなシャンパーニュの代表といっていいでしょう。

 

その意味ではまだシャンパンを飲みなれていない人にもお勧めしやすいし、逆に巨大メゾンのシャンパーニュを飲みなれた方もじんわりとしたおいしさを感じるでしょう。

 

こういった味わいは、駆け出しよりも経験を重ねたワインファンのほうがおいしさを感じやすいかもしれません。

 

「お、俺のことか?」と思った方は、覚えておいてみてはいかがでしょうか。

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