デュヴァル ルロワは、コート デ ブランのヴェルテュを本拠地とするシャンパーニュ メゾンです。
シャンパンメーカーのほとんどはランスかエペルネ、まれにアイに本拠地を構えるのですが、ヴェルテュ村は珍しく、ぽつんと一匹狼存在です。
所有する畑は200haほどあり、そのすべての畑が有機農法、またはビオディナミ農法で栽培されています。
200ヘクタールとは大した規模で、テタンジェやシャルルエドシックにも引けを取りません。
にもかかわらず日本ではほとんど見かけませんが、これは同社の商品のほとんどが国内向けで、輸出向けは3割とほかのメゾンに比べて極端に少ないからです。
アレルギーを持つ人への配慮として、清澄に使用する卵白や動物性食品を一切使用していないなど、とても配慮が行き届いているメゾンです。
なお、同じ女性経営者として有名なブルゴーニュのルロワとは別ですので、リンク先で押さえておきましょう。
デュヴァルルロワ
女性的な感性のシャンパーニュ造り
デュヴァルルロワの所有畑は40%以上がグランクリュかプルミエクリュです。
モンターニュ ド ランスからピノ ノワールを購入していますが、自社畑と同等のものしか仕入れていません。
現社長のキョロル女史が、亡き夫の進めていた製造行程の近代化を進めました。
圧搾は空気圧式プレス機で優しく圧搾し、低温装置の付いたステンレスタンクで発酵させています。
EUの主要都市に支部が置かれ、円滑な販売活動を進めています。
醸造家と現当主が女性ということで、「女性的」「繊細さ」「気品」が特徴としてあげられます。
スタンダードは、キュヴェ ド パリでピノ ノワールが主体です。
1914年からリリースされているフルール ド シャンパーニュは、同社の主力商品で、その名の通り花のようなブーケが特徴です。
プレステージはファム ド シャンパーニュ、偉大な年のみ造られて多くのファンっを魅了しています。
また単一畑のキュヴェとして、オーセンティス キュミエールもリリースされており、高い評価を得ています。
ヴェルテュに本拠地を構えることからもわかる通りシャルドネの取り扱いに秀でている印象があります。
他のメゾンと比べると相対的にソフトで繊細、香りは強くありませんが口当たりは柔らかで謙虚なイメージがあります。
ワイナリーの歴史
1859年にシャンパーニュ商人であったアルマン ルロワ氏と、彼の考えに賛同したデュヴァル家が、共同で設立しました。
それ以降一貫して家族経営を守り続けています。
1991年からは、ジャン シャルル デュヴァル ルロワ氏の死去により、妻のキャロル デュヴァル女史が、後を継いでいます。
1995年にはサンドリーヌ ロジェット ジャルダン女史を醸造家に採用しています。
アンドレアスラルソン氏↑
デュヴァルルロワ社は、ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクールのスポンサーになるなど、ワイン業界の発展に寄与しています。
ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクールは、世界最優秀ソムリエコンクールに次ぐ知名度とレベルを誇っています。
歴代の優勝者はそのまま世界最優秀ソムリエコンクールの優勝をすることが多く、スゥエーデンのアンドレアスラルソン、イタリアのエンリコベルナルドもその例です。
現社長、醸造家ともに女性というシャンパーニュメゾンは珍しく、女性目線で繊細なシャンパーニュを生産しています。