エシェゾー(ECHEZEAUX)はフラジェ・エシェゾー村にあるグランクリュの畑です。
この村にはエシェゾーとグランエシェゾーの2つのグランクリュが存在します。
クロドヴージョと並ぶ大きさのグランクリュで、約38ヘクタールの広大な広さです。
その38ヘクタールの中に多くの生産者が存在し、そのため質が一定しないとの評価が多くなります。
これは、その生産者のスタイルとか考え方の違いによるものではなく、単純にワイン造りのうまいへたによるもので、そのため極端に安いエシェゾーはしっかりと検討して購入するのがいいでしょう。
グランエシェゾーは歴史的な背景を忠実に反映した区割りなのですが、どうしたことかエシェゾーのほうは政治的な横やりのせいで今日のような面積に膨れ上がった、といわれています。
指定栽培面積は37.6922ヘクタール、所有者は84に上り、年間生産量は平均して約12500ケースです。
主要な生産者は、
DRC(4.67ha),モンジャールミュニュレ(2.5ha)、エマニュエルルジェ(1.43ha)、ラマルシュ(1.34ha)、ジョルジュミュニュレ・ジブール(1.24ha)
をご参考ください。
エシェゾー
語源
エシェゾーの語源については日本ではほとんど語られていません。確固たる有力説がないため記事にしにくいのかもしれません。
おそらくラテン語が語源になるという説が有力で、「オーシューソ aux cheusots」「レ シュソ―les cheseaux」が有力とされています。
この二つはともに建物を表していて、おそらく何らかのかたちで土地利用(家や居住)をされていたのでは、とされています。
地形と地質
38ヘクタールにも及ぶのですが、残念ですが地質的にバラバラでこれが生産者の優劣とあいまってワインの品質をわかりにくくさせています。
斜面上部は傾斜13~14度にもなるのですが、下部はほぼ平坦で、その差が70~80メートルにもなるのです。
この標高差はぶどうの生育に大きな影響をもたらし、ひいてはワインの質を左右することとなります。
数メートルおきに表土に変化があって、上部は浅い表土に小石を含んでいて、下部は表土が深くなります。
一般的に、斜面上部のワインは典型的なエシェゾーと評価され高い流通価格で取引されますが、下部のほうは繊細さに欠けるという評価が多くなっています。
ワインの特徴
エシェゾーは赤紫のようなダークな色ながらも透明感があり、コクとまろやかさのバランスが素晴らしい力強いワインです。
若い内は、動物やスパイスのようなアロマですが、熟成させることでじゃ香やなめし革のアロマが感じられるようになります。
若い内からも美味しさを堪能できますが、熟成させるほど凝縮した味わいとなります。
熟成5年ほどで飲み頃となり、さまざまな味わいを楽しめる複雑さが加わります。
しっかりとタンニンが感じられ、ベリーのような華やかで上質な味わいです。
ワインの評価
コートドニュイのワインの中でもエシェゾーは高級で、1度は飲んでみたいと考える人も多いワインです。
その中でも手摘みして新樽で寝かせたエシェゾーは、最高の逸品とされています。
特に1966年のものはブドウの出来の良い年だったので、素晴らしい出来のワインになっています。
エシェゾーは場所によって、日当たりは良いものの水はけが良くない場所もあります。
そのため、エシェゾーの中でも区画によってワインの仕上がりは違い、価格も違ってきます。
エシェゾーの価格には幅がありますが、DRCの生産するエシェゾーは平均価格20万円ほどとなり、比較的他のワインに比べて購入しやすい価格となっています。
しかし、この価格でも十分にDRCの力強く華やかな味わいを楽しむことができるでしょう。
合わせる料理
エシェゾーは、通常ですと10年程度は熟成させて複雑性も楽しみたいワインです。
熟成することでピノノワール独特のなめし皮や落ち葉のような香りに加えてミネラルから来る獣臭も感じられるようになります。
そのためできれば高級レストランのシェフが丁寧に仕上げたジビエ料理などが合わせやすいですし、もっともエシェゾーの良さを引き出すマリアージュになるでしょう。