ウォッシュタイプのチーズの代表ともいえるチーズで、表面にシワがあるのが特徴です。
ナポレオンにも愛され、美食家ブリア・サヴァランには「チーズの王」と絶賛されたことでも有名です。
ただし、日本に輸入されているチーズの中でも強烈なにおいがあり、いきなりエポワッスの匂いを嗅ぐと驚かれてしまうかもしれません。
最低限、ほかのウオッシュタイプのチーズで慣らして、そのあとにいただくのがベストでしょう。
エポワッスチーズ
原材料
原材料は牛乳で、製造してから4週間ほど熟成されます。
ウォッシュタイプのチーズはレンネットで凝固させることが多いのですが、エポワッスは乳酸菌で凝固させる珍しい製法となっています。
また、熟成段階では塩水だけでなく、マール酒で洗うことが特徴的です。
マール酒はブルゴーニュ地方の地酒で、白ワインの搾りかすによって作られたブランデーとなります。
マール酒で洗われるからこそエポワッス独特の香りが付きます。
生産地域
ワインの産地としては、フランスのブルゴーニュ地方にあるエポワッス村で生産されています。
この村はブルゴーニュの中心であるコートドールに位地します。
特徴とタイプ
エポワッスはウォッシュタイプのチーズで、シワのある表面はオレンジ色になっています。
一方で中はクリーム色のとろりとした柔らかいものとなります。
表面の香りは強烈なものの、中は濃厚でまろやかな味となります。
ウォッシュタイプ独特の臭いはあるものの、上品な味わいが人気のチーズです。
熟成が若いタイプのものはカットしてそのまま食べても美味しく、熟成したものはトロトロと柔らかいのでバケットなどに塗ってワインと楽しむと相性良くなっています。
ブルゴーニュの赤ワインとのマリアージュはもちろん、白ワインであれば辛口タイプのものがおすすめです。
世界大戦によってエポワッスの農家は激減してしまい、1950年代には製造できる農家はたった2軒になってしまい、絶滅の危機に瀕しました。
しかしエポワッスを無くしたくないという思いからベルトー社の初代社長であるロベール・ベルトーがエポワッスの製法を引き継いで会社を設立し、現在に至るのです。