フォジェールは、南フランスのラングドック・ルーション地方に位置しているワイン産地です。
ラングドック内の最上位であるクリュ ド ラングドックに認定されています。
フォジェールは、ラングドックの中心の都市であるベジエから北西に20kmほどのところに位置しており、フォジェール村を中心とした産地です。
エロー県の中央部であり、起伏に富んだ山間部です。
規定では5000ヘクタールほどが栽培面積に認められていますが、実際にはその4割に当たる2000ヘクタールしか栽培されていません。
これは何を意味するのかというと、ワインがまだ知られていなくて生産者に人気がなく、土地の所有者は畑を休眠させておくか、別の農産物を栽培しているのです。
フォジェール
ワインの全体像
フォジェールでは、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインを生産しています。
生産量の8割ほどが赤ワインであり、コスト パフォーマンスが高いワインが多く生産されています。
栽培されているブドウ品種は、シラー、グルナッシュ、カリニャン、ムール ヴェードルや、グルナッシュ ブラン、マルサンヌ、ロールなどが栽培されています。
フォジェールのあるラングドック地方は、「フランスの新世界」と呼ばれており、新たな試みを行う生産者も多く、様々な個性を持つワインが生産されています。
ワインの特徴
フォジェールの特徴としては、畑が周囲よりも標高が高い位置にあることが挙げられます。
標高が高く、斜面に畑が広がっており、夜間は沿岸部よりも気温が下がります。
そのためワイン用ブドウの栽培に理想的な、昼夜の寒暖差がうまれるのです。
また温暖で乾燥している地中海性気候を持であり、ブドウ栽培に適した条件を持つワイン産地です。
土壌は片岩質から構成されており、比較的石が多く水はけが良い土壌です。地表にある石が、日中の暖かさを蓄え夜間に放出するため、ブドウはしっかりと完熟することが出来ます。
フォジェールはコトー デュ ラングドックの一部としてワインを生産していましたが、1982年に赤ワインとロゼワインがAOCに昇格しました。
それまではコトー デュ ラングドックとして生産されていた白ワインも、2005年にはAOCに認定されました。
その後、2010年にはフォジェールで生産されているワインの品質が認められ、クリュ ド ラングドックに認定されました。
飲み方のコツ
フォジェールはおいしいワインですが、とはいえ決して高級ワインではありません。
そのためあまり冷やしすぎないように気をつければサービス温度もあまり神経質になる必要はないでしょう。
ねんのため、赤ワインは16度程度、白とロゼは8度程度に冷やして、グラスも小ぶりなものでいいので先がつぼまったものであればたいてい問題ありません。
普段飲みのデイリーワインでもいいですし、気軽なパーティーなどでも喜ばれるワインといえます。
赤ワインはご家庭で造るミートソースのパスタやハンバーグ、牛肉の赤ワイン煮込みなどがよく合います。
チーズであればあまり癖の強くないハードタイプのチーズがいいでしょう。
白やロゼであればカルパッチョやヴォンゴレなどの魚介料理全般にあわせやすく、アペリティフやパーティーでの乾杯にも喜ばれます。