フリウリ・ヴェネツィア州はイタリア北東部に位置する州です。州都はトリエステ。
オーストラリアとスロヴェニアとの国境を持つため様々な民族からの侵入を受けてきたため、多彩な様式の文化遺産や、独自の文化形態を持っています。
ワインに関しても古い歴史を持っていて、古代ローマの時代から行われています。
この地域は現代イタリアの「白ワインの聖地」とも呼ばれ、白ワイン醸造に関してはとくに有名です。
南のアドリア海の温かい空気と、北のアルプスの冷たい空気による温度差が良質な白ワイン製造のために好条件となっています。
イタリアには食後にデザートワインを飲むという習慣があったのですが、近年では辛口のワインが好まれるようになり、このような習慣はなくなりつつあります。
甘口ワインから辛口ワインの製造へと方針を切り替える醸造家も多い中、フリウリヴェネツィアジューリアでは良質な甘口ワインを主力としています。
食材で特筆すべきはサンダニエーレ産の生ハムで、日本ではパルマのプロシュートともにイタリアンではおなじみです。
また、平野部でトウモロコシが多く栽培されていて、そのためポレンタがパンよりも主食となっているのが特徴です。
ポレンタ(トップ画像)は粗挽きのトウモロコシの粉で、水で煮て粥状にしたり、揚げたりオーブンで焼いたりと、幅広いバリエーションがあります。
フリウリ ヴェネツィア ジューリア州
代表的な白ワイン
この地域で造られる代表的なワインには「ラマンドーロ」「コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ」といったものがあります。
ラマンドーロ↑はフリウリで最も古い、「ヴェルドゥッツォ・フリウラーノ」という品種を使って醸造される甘口白ワインで、DOCGの指定も受けています。
ヴェルドゥッツォフリウラーノの品種はさらに甘口用のジャッロ種と、辛口用のヴェルデ種に分かれています。
ラマンドーロは甘口のワインなのでジャッロ種のほうが用いられています。
蜂蜜やアカシアを強く感じられる香りが特徴、ほのかにタンニンを含む厚みのある味わいを持っています。
コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリは、フリウリの南東部に存在しています。
白ワインの醸造で有名なフリウリでも特に良質なものを作っている地域です。
様々な白ブドウ品種が認められていて、フランス系のソーヴィニヨンブランやピノグリージョ、土着のトカイフリウラーノ↑が有名です。
ピリコット種を用いて造る甘口白ワイン「コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピリコット」や、フリウラーノ種と国際品種を混ぜて作られる辛口白ワイン「ロサッツォ」といったDOCGワインの製造を行っています。
地方料理
この州は小さいながらも山岳部と平野部、それに海沿いのエリアがまんべんなくあって、そのため様々な料理が生まれています。
海沿いのトリエステではブロデットビアンコ↑(BRODETTO BIANCO)といって魚介類を白ワインで蒸してスープしたてにした料理が有名です。
また、山岳部ではチーズをバター焼きにしたフリコ↓(FRICO)という料理は人気でレストランで全てのテーブルに小分けにして提供されるところもあります。