ワインの表現でフルボディ、ミディアムボディ、ライトボディなどの言葉がありますが、具体的に何がどうなればそれぞれの味わいなのか、いまいちはっきりしません。
ここでは、何がワインにボディを感じさせて、どのようなワインがフルボディなのかを検討してみましょう。
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何がボディを感じさせるのか?
料理にも重い軽いがある
ワインのフルボディ、ライトボディを検討する前に、もっとイメージしやすくお料理を思い浮かべてみてください。
魚の塩焼きとすき焼きでは、ほとんどの人はすき焼きのほうを重いと感じるものです。
このイメージで行くと、さっぱりとして食べやすいものは軽く、こってりとして風味が強いものは重いととらえて間違いないでしょう。
そしてこの理屈は、ワインにも同様なのです。
ワインのボディとは?
では、ワインのボディとはどのような成分が影響するのでしょうか?
「ワインにボディがある」のことをテイスティング用語でコルセ(CORSER フランス語)といいますが、これはコクを出すという言葉をそのまま使っています。
そして、コクは一般的に以下の成分を指します。
・アルコール
・糖分
・エキス分
・渋み
・酸味
(この中で酸味は厳密にはコクに該当しませんが、ほかの味わいを補充する目的で足りないとバランスが取れませんので記載をしています。)
要するにワインの主要な要素はすべてコクにつながっていて、これらの比率が高いと コクがある=ボディを感じる ということになるのです。
フルボディのワインとは?
前述しましたように、フルボディはワインの主要な要素が多いワインとしましたが、もちろんこれらは含有比率によって判断されます。
そして、これらの成分の含有比率が高いワインとは、凝縮感のあるワインということになります。
水っぽいサラサラのワインよりもぐっと引き締まって飲みごたえがあるワインのほうが凝縮感があり、これをフルボディのワインというのです。
一般的に、凝縮感があるワインを造るためには
・良いブドウを選別し
・収穫量を減らし
・丁寧に醸造する
ことが求められますので、ライトボディのワインよりも高価になります。
南部のワインはフルボディ?
では、例えば南フランスのエルミタージュなどはアルコール度数も高く、かつ、渋みも強いのでフルボディに感じます。
南部のワインは日照量が強く受けますのでブドウの新陳代謝が進み、糖分が高くなった結果、アルコール度数も上がるのです。
ただしそうなると、
南部のワイン=フルボディのワイン
という仮説を立てたくなりますがそうではありません。
南部のワインであっても大量生産型のワインは水分が多いのでボディは感じないのです。
日照量に恵まれた地域のワインは確かにフルボディになりやすいですが、ワインの造りかたでどうにでもなるのが面白いところなのです。
例えばコートドプロヴァンスのロゼは南フランスの日照量の強いエリアのワインですが、ロゼという性質上、飲みやすいライトボディに仕上げます。
逆にシャンパーニュのプレステージ商品などは冷涼なエリアでもブドウを選び、収穫量を制限することで凝縮したうまみを感じるのです。
フルボディのワインの具体例
ではここでフルボディのワインの具体例を見てみましょう。
基本的に一本10000円~程度のものをお考え下さい。
・ボルドーのシャトーワイン
・ブルゴーニュのプルミエクリュ以上(赤白共に)
・カリフォルニアのカベルネソーヴィニヨン
・オーストラリアのシラーズ
これらのワインはどれもボディを感じるワインの代表的なものです。
ブルゴーニュやシャンパーニュは白ワインでボディを感じるというところに違和感を感じる人もいるかと思います。
白ワインのボディとはエキス分やアルコール、酸味の含有量で、新樽熟成をしていれば樽の成分(タンニンなど)を指します。