ワイン用語集ワインを楽しむための知識

ガストロノミー・ガストロノミックとは?

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ガストロノミー(GASTRONOMIE)とは、料理やワインを含む食事全般を芸術のレベルにまで昇華させることで理論展開をする考え方のことを指します。

もともとはフランス語で、現在では世界中の高級レストランで普通に用いられている言葉で、日本では美食学などと訳されることが多いです。

そして、ガストロノミーを提供するレストランのことをレストラン ガストロノミック(RESTAURANT GASTRONOMIQUE)とよび、ガストロノミックと単純に呼ぶこともあります。

一般の方であれば聞くこともない言葉でしょうし、普通に生活をしていたら知らなくても何の問題もありません。

一方で、ワインはやはり食事とのコンビネーションがその真骨頂ですし、ガストロノミーとは切っても切り離すことはできません。

メディアの発達により、日本にもミシュランが進出して久しいですが、もともとのガストロノミーの理論展開を飛ばしていきなり料理店を星で分類するのはどこかに無茶が出てきます。

ワインファンであれば、ガストロノミーの全体像をとらえることでより一層奥深く楽しめるでしょう。

 

ガストロノミー、ガストロノミックとは?

絶対的な理屈ではない

最初に身もふたもないのですが、ガストロノミーやガストロノミック(ガストロノミーと統一します)は一つの考え方なので、絶対的な指標ではありません。

後述しますがガストロノミーは食事を芸術のレベルまで到達させることで理論展開をするものなので、これを家庭の食卓や普段の食事に適用することはありません。

また、飲食店であってもガストロノミーレストランもあれば気軽なビストロやカフェもあり、実際にはかなり特殊な考え方といっていいでしょう。

高級なお店に多いことはその通りですが、その中でもかなり特殊なお店といっていいかもしれませんし、リーズナブルなお店でもガストロノミーを楽しめる所も少なくありません。

 

 

そのためガストロノミーの理屈を家庭料理やすべての飲食店であれこれ持ち出すことは通常はしません。

例えば気軽なカフェやビストロの料理に「この料理は個性が感じられない」といっても、さすがに歯車は合わないでしょう。

また、家庭料理にあれこれガストロノミーの考え方をもちだすと、せっかくの料理が台無しになる可能性があります。

万が一にも奥様があれこれ考えて作り上げた食卓に「この素材は鮮度がいまいちだ」なんていう旦那がいたら、それこそ血祭りにあげられるかもしれません。

日本でも浸透してきましたが、ミシュランガイドをフランスのヤフーで検索すると、はっきりとガストロノミーレストランのガイドと最初に説明があります。

これは何を意味するのかというと、ミシュラン側はガストロノミーとそれ以外の食卓を分けて考えているということでしょう。

元々の意味合いが一つの意見であり、考え方なので、一つの指標にはなっても振り回されるものではないと考えるのが健康的かもしれません。

 

 

表現する側と受ける側

ガストロノミーの理屈では、シェフや給仕の方の「表現する側」と、それを楽しむ「受ける側(食べ手ともいいます)」に分かれます。

芸術の域にまで到達させることをよしとする考え方なので、一般的に言う食べておいしい料理とはやや風合いが違いますので、それを正当に評価できる受け手が必要なのです。

そして、この”表現する側”と”受ける側”は適度な緊張関係にあって、受け手は良い料理に称賛をすることだけでなく、そうでない料理にはしっかりと批判をすることでガストロノミーは深化してきたのです。

例外も多いですが、芸術家やプロのスポーツ選手などは、そのパフォーマンスで評価されますから、活躍すればするほど批判もされるものでしょう。

ガストロノミーの世界も一つの芸術として世に発表するわけですから、いい作品は評価される一方でそうでない作品は酷評されることもあります。

 

表現者の中には「コンセンサスは受け入れるけど、批判は受け入れない」というスタンスの人もいますが、これは現代社会の一般的感覚とはずれている考え方かもしれません。

だれでも批判はいい気はしないものですが、社会的に称賛を受けているのであればそれに応じた批判も覚悟のうえで表現をするべきでしょう。

 

 

 

良い料理には独創性が求められる

ガストロノミーの理屈では、暗黙の評価基準として”良い料理”と”悪い料理”があります。

一般的な良い料理は、美味しくて見た目も良くて、ということに尽きるかもしれませんが、これではガストロノミーの世界ではいいとこボリュームゾーンでしょう。

ガストロノミーでは芸術性が重んじられますので、ヒエラルキーには創造性が最も重要視されます。

例えば「見た目もきれいで食べればおいしいんだけど、どこかで見た料理だなあ」という場合は、最高の賛辞を贈られることはありません。

逆においしさや見た目はそうでもないけど、アッと驚くような技法や技術を駆使した料理であれば、味や見た目以上の評価を受けることもあります。

例えばパリの三ツ星レストランで食事をした人であれば、料理のいくつかには「なんでこんな味わいなの?」というものに必ず出会うはずです。

これはシェフにしか本心はわかりませんが、この場合はひょっとしたら独創性を重視した結果、おいしさや見た目を犠牲にした一皿なのかもしれません。

もちろん、味も見た目もいまひとつで、さらに独創性もないというのであれば、残念ですが酷評への一本道ということになります。

 

ガストロノミーのコスト

ガストロノミーは一つの作品として食事をとらえるものなので、どうしてもコストがかかります。

世界に誇る絵画を楽しむには絵画を楽しむ環境が必要なのと同様に、ガストロノミーを楽しむのであればその空間やサービスもそれなりに気を遣うことになります。

そのため食材以外にもコストがかかり、それらは当然料金に反映されることになります。

ここは誤解されやすいところなので丁寧に説明をするところなのですが、そもそものスタンスがガストロノミーであれば、コストの上昇は受け入れないとどこかに無理が出てきます。

食材ばかりでなく、シェフやサービススタッフの質や数は当然一般の飲食店とは違いが出てきます。

最近だと飲食店でも法令順守がマストですから、昔のように「修業させてやっているんだから」という理屈は通用しません。

それらの就労環境も整えることで、これも最終的には料金に反映されることになるのです。

 

ガストロノミーと年収の関係?

以前にテレビで引っ張りだこだったシェフが、自身のお店への酷評に対して、年収を引き合いに出してその評価そのものに疑問を呈したことがありました。

(テレビという公共の電波で年収で人を判断する考えを披露するのは、厳しい意見ですが全く賛成できません。そのうえでのこととおとりください)

もちろん真意はそのシェフにしかわかりませんが、やや手心を加えた見方をすれば

「ガストロノミーと一般の食事では考え方が違う」

ということを言いたかったのかもしれません。

つまり、一般の食事の概念でガストロノミーレストランを批評すると、どうしても齟齬が出てしまうのです。

 

ただしそれを根拠のない年収と紐づけることで世間に違和感を与えることになってしまったのでしょう。

当たり前ですが年収とガストロノミーへの理解はイコールではありません。

確かにお金があれば、行こうと思えばいつでもガストロノミーレストランに行くことは可能です。

しかし、お金があっても理解がない人はいくらでもいるし、その逆も私自身がたくさん見てきました。

 

私も何回か出演させていただいたことがあるので言いづらいですが、テレビは印象的なところが抜き取られて編集されることが多く、そのため本人からすればただのリップサービスだったのかもしれません。

本来であればもっと丁寧に説明するところを、マスメディアで一言二言で表現したところにミスマッチがあったのでしょう。

 

まとめ

ガストロノミーは、まずは前提として一つの考え方なのですべての食生活に適用させるものではありません。

ご家庭にはご家庭のそれぞれの事情もあり、ラーメンや定食にはそれぞれの良さがあります。

そのうちの一つの考え方で「食事を芸術の域まで到達させたうえでする理論展開」がガストロノミーです。

すこしガストロノミーを知ってくるとどうしても日常語りたくなってしまうものですが、ここはぐっとこらえるべきでしょう。

 

そのうえで、ガストロノミーは楽しもうと思えば料理やワインの歴史、食材の質やその調理法、技術、ワインとのコンビネーションなど、奥深い世界が待っています。

ユーザー様にはぜひ奥深いガストロノミーの世界とうまくお付き合いいただき、それぞれの楽しみ方を見つけていただければ幸いです。

 


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