GHマムは、名前の響きから推察されるように、ドイツ人によってランスに設立されました。
マム ファミリーは、男爵と騎士の流れを持つ由緒ある家系です。
所有畑は218haと広大で、そのうちの78%がモンターニュ ド ランスにあり、ピノ ノワールを植えています。
他にはコート デ ブランのクレマンとアヴィズでシャルドネ、ヴァレ ド ラ マルヌでピノ ムニエを栽培しています。
またGHマムはブドウの果汁を仕入れるのではなく、ブドウ自体を仕入れることを早くから実践していたことで知られています。
ブドウをジュースの状態で仕入れると、ワイナリーからすればプレス時の状態を把握することが難しく、それであれば果実自体を仕入れたほうが管理しやすい、との理屈です。
GHマムは特にアメリカでの販路拡大に成功したシャンパンメゾンで、モエエシャンドンに続いての知名度と売り上げ実績を誇ります。
平均売り上げは年間1000万本でその3倍のストックを誇ります。
300ヘクタール弱の畑(平均して97%)を所有していますが、それでは全生産量の3割弱しか賄えず、残りは契約農家から仕入れています。
GHマム シャンパーニュ
ランスのグランメゾン
スタンダード キュヴェはマム コルドン ルージュです。
こちらのデザインはフランスの勲章をモチーフにしており、赤いラインの入ったボトルはとても印象的です。
GHマム社のプレステージはルネ ラルーです。
メゾンを発展させたルネ ラルー氏へのオマージュで造られたシャンパーニュです。
1966年~1985年に9つのヴィンテージをリリースして、それ以降中断していました。
この9つのヴィンテージはワイン愛好家の中で再呼応評価を得ています。
そして2007年から復活、1998年ヴィンテージをリリースしました。
ワイナリーの歴史
1761年にピーター アーノルド マム氏が、ドイツのケルンにワインの醸造販売会社を立ち上げたことが起源とされています。
1827年にピーター氏の3人の息子たちの手により設立されました。
2代目のジョルジュ エルマン マム氏の時代に、自身の名前GHマムに名前を変更しました。
1875年現在のスタンダードであるコルドンルージュを造り始めました。
1920年からはルネ ラルー氏が取締役に加わり、畑の再編成を行い、メゾンの発展に寄与しました。
2005年にはペルノ リカール社に買収されています。
GHマムは各国の王室に愛され、1904年には英国王室御用達となります。
またF1のシャンパン ファイトの際に使われたシャンパーニュとしても有名です。
GHマムのロゼの王冠にはバラの絵柄がデザインされています。
その絵柄はルネ ラルー氏と親交のあったレオーナール フジタ氏(藤田嗣治)がデザインしました。
彼は晩年に、フランスに帰化してしまいますが、フランスで最も有名な日本出身の画家として知られています。