ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーオーバイィとは?その特徴と歴史

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近接するゲストハウスも評価が高い

シャトーオーバイィ(CHATEAU HAUT BAILLY)は、グラーヴ地区の格付けシャトーで、赤ワインのみを造り続けています。

セカンドラベルは ラ・パルド・オーバイィです。

グラーヴのシャトーは格付けされていなくても白ワインを生産することろも多いのですが、ここは赤一本鎗であることが特徴です。

 

レオニャン村にあって、1461年には記録も残っている歴史あるシャトーとして知られています。

30ヘクタール弱の土地にはカルベネ・ソーヴィニヨン65パーセント、メルロー25パーセント、カルベネ・フラン10パーセントの割合で植えられています。

この広さなのですが結構な高低差があり、最大で20メートルも差があり様々な区画のワインを絶妙にブレンドして仕上げます。

年間生産量は約16万本で、日本ではなぜかあまり見かけません。

ここのワインは歴代のオーナーが変わり者で知られています。
 
ただし、ワインの世界においては変わり者こそが傑出するワインを産むことは歴史が証明していて、とびぬけたワインの陰にはどこも変わり者がいるものです。
 
「変わり者」というと、中にはネガティブなイメージをお持ちの人もいるかもしれませんが、少なくとも当サイトはその逆の印象です。
 
本人は至極まっとうなことをしていると思っているはずですし、変わり者こそ愛すべき存在だととらえています。
 
ご了承のうえで読み進めてくださいますようお願いいたします。

 
【グラーヴのワインの全体像は動画でご確認ください】

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品質の高さは以前から知られていましたが、ここのワインのすごいところは生産量の全体の30%は機械的にシャトーオーバイィには用いないというクオリティコントロールです。
 
どれだけいい年でも30%はセカンドワインに回してしまうという徹底ぶりなのです(そのぶんセカンドラベルは品質が高いことになります)。
 
グラーヴらしい柔らかくしなやか、熟成させることで優美さも感じられる高級ワインです。
 
年月が経つことで品質が上がるのはその通りなのですが、若いうちから楽しめるのもこのワインの魅力の一つです。
 
日本のワインショップではちょっと見かけませんが、値付けそのものはグラーヴのワインの知名度のためか1万円台前半で、明らかに過小評価です。
 
運よく実際に見かけた際は思い出してみてはいかがでしょうか。

 

シャトーオーバイィ

新しいグラーヴのシャトー

このシャトーの歴史は比較的新しく、19世紀ころにその起源がありますが、18世紀から19世紀初めにかけてはめまぐるしく所有者が変わっていました。

1872年、アルシッド・ベロ・デ・ミニエールが新たなオーナーとなり、シャトーを建設。この人が相当の変わり者だったのです。

1872年といえばフィロキセラによってフランスのブドウ畑が食い散らかされ、ようやくその解決法が編み出されたころでした。

時代が時代だったのでシャトーは畑とともに二束三文で売りに出されていたのですが、だれも見向きもしないときにワインの可能性を見出し、身銭を切って購入します。

アルシッドはワイン造りでは変人扱いをされ、アメリカ産の台木を用いることを一切しませんでした。

フィロキセラ対策として一般化していたアメリカ産の台木を使う手法は、名門であるボルドーワインの名声を辱めるものだとして頑として認めなかったのです。

頑固さはそれだけではありません。熟成に関してはなんと熟成樽を古いコニャックで洗うという経済感覚のまるでない変わり者だったのです。

このやり方が奏功したかどうかはわかりませんが、しばらくするとワインはレオニャントップになり、苦境のなか結果を出したため変わり者の親爺は“ブドウ栽培の王”と讃えられたのです。

 

1906年にアルシッドが亡くなると次に所有者となったのがフランツ・マルヴザンでした。

第一次大戦のさなかに購入した新所有者は科学にこだわったひとで、この人も業界では変わり者として有名でした。

畑のブドウをできるかぎりそのまま守ることを踏襲し、そのうえでワインに徹底したパスタリザシオン(低温殺菌法)を実施します。

 

フランツ・マルブザンのつぎはドメーヌドシュヴァリエの親戚のポールボーマルタンで、パリの金融界で成功したラーエン伯爵との共同所有でした。

当初こそ共同オーナーでしたがそのうち馬が合わなくなったのか、ボーマルタンの単独所有となります。

しかし第二次大戦後に資金繰りが悪化し、1955年にベルギー人でフランス北部、リール出身のダニエル・サンダースがオーナーとなります。

 

このひとはベルギーでクリーニング業を営み成功し、財を成したのですが、ボルドーネゴシアンの娘に一目ぼれし、すべてをなげうって移り住みます。またここでも変わり種が所有者となるのです。

たまたま飲んだオーバイィの1945年物(世紀のグレートヴィンテージ)に感激し、その潜在能力を見込んで当時荒れ放題だったこのシャトーを購入するのです。

ダニエルが亡くなると息子のジャンが継ぎ、しばらく低迷しますが1980年代に努力が奏功し、評価をグラーヴトップとなるまでに成長をさせます。

 

その後、家族間のトラブルで売りに出たところを1988年、銀行家のロバート・Gウィルメールがシャトーを購入。

ダニエルの曾孫、ヴェロニク・サンダースを支配人に迎えました。

醸造学を専攻した才女はペッサック・レオニャン協会の会長も経験しています。

近年のオーバイィは、↑のような評価ですが、ボルドーはもちろん世界トップクラスのワインといっていいでしょう。

日本は現在世界のマーケットとは若干流れが違って、国際マーケットからはやや冷たい視線を受けているかもしれません。

一部の超高級ワインは世界標準よりも高いのですが、その下のラインが逆に低く放置されていて、オーバイイはまさにこのレンジのワインなのです。

グラーヴのワインそのものが他のエリアに比べて相対的に人気が低く、そのため小売業者が在庫を抱えきれずに徐々に値が下がっているのかもしれません。

その意味ではいまこそ買い時という見方も出来るでしょう。

数年後にこのシャトーの価値が見直されたときに、ニヤリとするのもワインファンならではの楽しみかもしれません。


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