イルレギー(IROULEGUY)は、フランス南西部のピレネー地区にあるワイン産地です。
スペインとの国境近くに畑は広がっており、ピレネー山脈の麓に位置しています。
美食の地として知られるバスク地方に含まれており、12の村から構成されている240ha程の小さな産地です。
赤、白、ロゼが認められていて、全体の70%が赤ワイン、20%が白ワイン、10%がロゼワインの生産です。
1970年にAOCに認定されました。
イルレギーのワインは協同組合が大半の畑を所有しており、地元で消費されるワインが多く、あまり輸出市場に出回っていませんでした。
しかし近年美食の街としてバスク地方が再評価されており、バスク地方産のワインであるイルレギーも注目を集めています。
イルレギー
ワインの全体像
大西洋の影響を受けた海洋性気候であり、穏やかな気候条件を持ちます。
夏にはスペインから温かな風が吹き、秋はあまり気温は下がらず温暖な気候です。
降雨量は抑えられてはいますが、比較的湿度が高いです。
土壌は酸化鉄を多く含んだ赤色砂岩が多く、急斜面に畑が多く存在しているため、段々畑も見ることが出来ます。
イルレギーーは赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが生産されています。
栽培されている品種は、カベルネ フラン、タナ、カベルネ ソーヴィニヨン、グロ マンサン、グールビュなどです。
赤ワインのイメージが強いイルレギーですが、白ワインも生産しており、グロ マンサンを使用したフレッシュなタイプの白ワインも人気があります。
ワインの特徴
イルレギーのワインの特徴は、ボルドー地方の赤ワインに近い味わいを持っていることです。
イルレギーで生産されるワインの2/3が赤ワインであり、熟成に耐えることが出来るタンニンを豊富に含んでいます。
またイルレギーはカベルネ フラン発祥の地とされており、カベルネ フランやタナを使用した高品質なワインが生産されています。
イルレギーは、古くからカトリック信者達の巡礼地として知られています。
ロンスヴォー大修道院の修行僧達がブドウの樹を植えたことから、イルレギーでのワイン造りは始まったとされています。
楽しみ方のコツ
イルレギーは、スペインとの国境近くの生産地域で日照量に恵まれ、力強く果実味を感じるワインを味わえます。
もっとも、高級ワインではありませんので、肩ひじの張らない気軽なカフェやビストロなどでいただくのがベストでしょう。
温度は赤とロゼで8度、赤で16度程度。グラスは中ぶりのチューリップグラスであればたいてい合わせることができます。
お料理は、ワインの渋味を生かして牛ステーキ等はいかがでしょうか?
豪快に焼き上げたステーキをほおばると口いっぱいに肉の風味が広がります。
その風味をワインの渋みと果実味で口の中をさっぱりさせるのです。
きっといつも以上にステーキがおいしくなることでしょう。