ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーディサンとは?その特徴と歴史

“王たちの食卓と神々の祭壇のために”

金色に輝くシャトーディサンエチケットにはラテン語とフランス語でこう、明記されています。

第3級ながら質の高いワインを提供できているという強い自負がうかがえますね。

 

14世紀ころはディサンシャトーマルゴーはこの辺りでは有名なワイン畑で、1855年の格付けでは3級になりましたが専門家の評価はそれよりも高いものでした。

 

格付け3級、栽培面積は55ヘクタール、生産量は27000ケースと中ぶりなシャトーです。

シャトーディサン

品質の割にお値打ちなワイン

12世紀ごろの西ヨーロッパは各地に有力な諸侯がひしめき、互いに牽制しあっていた時代。

そんなときにシャトー・ディサンはすでにその存在が知られていました。

 

 

1152年、フランスのカペー王朝よりも強固で広大なアキテーヌ公国を治める、ギョーム10世の息女、アリエノールとさらに多くの領土を持つ、ノルマンディー公国のアンリ(後のヘンリー2世)の婚礼が執り行われました。

この宴席で振る舞われたのがシャトーディサンのワインです。

また、美貌で名高いエリザベートが嫁いだ、ハプスブルク帝国最後の皇帝、フランツ・ヨーゼフ1世のお気に入りワインでもありました。

このシャトーが当時どれだけの評価を受けていたかは、これだけ重要な宴席でふるまわれるところからもわかるでしょう。

 

 

当初はジロンド県メドック地区カンナトック村の一角、イッサンにあるので、シャトー・ディサン(イッサンのシャトー)と冠しました。

しかし15世紀には所有者が変わり、シャトー・テオボンと名付けられます。

ネーミングライツの走りでしょうか、所有者はこのシャトーに好き勝手に名前を付けるのです。

時は百年戦争のころ、経済的に打撃を受けてか、次々と新たなオーナーを迎え、その度にシャトー名も変更されてきたのです。

 

17世紀には騎士階級であったエスノー家がシャトーを所有。

それまでの建物を取り壊して、メドックで最も美しいと讃えられるシャトーを完成させました。

城塞のように中世領主の館のように周囲に堀をめぐらし、石垣で守られたつくりです。

その優美な佇まいは歴史的建築物として記念物指定を受けていて、毎年、夏に開催される音楽祭の会場にもなっています。

 

第二次大戦後に息を吹き返す

フランス革命時にはフォワ・カンダル家が所有していましたが、1851年にはブランシー家が、その後はロワ家がオーナーとなります。

ロワ家は、タンクやセラーを新設するなど力を尽くしましたが、フィロキセラと世界的不景気を耐えきれずに第一次世界大戦前には手放すことになります。

以降、管理が行き届かずクオリティーも落ちていくのです。

 

1945年、有名なワイン商、クルーズ家がオーナーとなり、3代目のエマニュエルによって復活。

世界大戦後の景気回復の波にうまく乗り、品質の向上とともに評価もあがり、シャトーは息を吹き返します。

その後に優秀なコンサルタント、ジャック・ボスワノを迎えてますます磨きをかけています。

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