ジャカールはランスに本社を持つ比較的新しい、大手シャンパーニュメーカーです。
生産者協同組合(CM)のグループ企業であり、3つの生産者団体がまとまって協同組合を形成しています。
醸造、販売契約を結んでいる1800以上ものブドウ生産者からブドウを仕入れています。
栽培面積は2200haあり、その膨大な数のものから吟味、選別をしています。
2200haはシャンパーニュ全体の7%という規模の大きさです。
モンターニュ ド ランス、ヴァレ ド ラ マルヌ、コート デ ブラン、コート デ バールといったシャンパーニュの銘醸地で採れた、ピノノ ワール、ピノ ムニエ、シャルドネを巧みにブレンドしています。
目指しているヴィジョンは「伝統と現代の洗練された雰囲気の調和」です。
ジャカールの特徴はぶどうの圧搾は行わず、ブドウ果汁の状態で醸造所に運ばれてくる点です。
これは生産量が膨大なため自らの醸造所で圧搾を行うとそれだけで時間がかかってしまい、ブドウを劣化させてしまうことを防ぐ目的です。
協同組合の生産(CM)というと、どうしても先端の味わいや技術よりもおらが村のワインなんじゃないかと思う向きもあるでしょう。
ましてや農協が造ったワインとなると、おおよそ高級ワインとはかけ離れたイメージは持つ人は持つかもしれません。
零細素朴朴訥な農夫が集まって自分たちの造ったブドウを持ち寄ってごちゃ混ぜにして、安ワインを造って地元の露店で売りさばく・・・
もしこういうイメージであればさすがにそれは言い過ぎだし、思い違いというものでしょう。
実際にはジャカールのシャンパンは若くはつらつとした味わいと華やかな香りが特徴で、飲んでみるとこちらが若くなりそうなウキウキするものです。
ジャカールのエチケットやメゾンの豪勢さやホームページを見ると、大変に失礼ですが今風でとてもコーペラティヴのものとは思えません。
日本ではあまり見かけませんが、ワインショップで見かけた場合はぜひお試しください。
ジャカール
巨大な協同組合
スタンダードはブリュット モザイクです。
シャルドネが中心で、軽めのドサージュで仕上げています。
36~40カ月の熟成を経てからリリースされ、複雑で調和がとれているシャンパーニュです。
他にはロゼやブラン ド ブランもリリースしています。
プレステージは2013年からリリースされているキュヴェ アルファです。
シャンパーニュ地方の2つの高級品種であるシャルドネとピノノワールを半量ずつブレンドしており、6年以上熟成させたプレミアムなシャンパーニュです。
グラン クリュのピノ ノワールと、プルミエクリュのシャルドネを使用しています。
アルファという名前には、最高醸造責任者のフロリアンヌ エズナック氏により、新たなステージの幕開けにふさわしいプレステージを、という願いが込められています。
ワイナリーの歴史
1962年に協同組合として設立されました。
当初はランスのジャカー通りに事務所を置いたのでその名前が名称となります。
そのうち手狭になりマルヌ通りに移転しますが、そこも手狭となりゴセ通りに2.5ヘクタールの用地を買収します。
その後に本部を現在の場所に移転し、現在に至ります。
1998年にはアリアンス シャンパーニュ グループがジャカール ブランドを購入しました。
世界70カ国以上に輸出され、フランス国内のみならず世界中で高い評価を得ています。
エールフランスやブリティッシュ エアウェイズなどで公式に採用されています。
輸出高では現在ヨーロッパで第5位、世界で第10位にランキングされています。