ワイン用語集フランスワインシャンパーニュ地方

シャンパーニュ ジャクソンとは?特徴と歴史、基礎知識

シャンパーニュ ジャクソン(JACQUESSON)は、メミー ジャクソン氏によりマルヌのデイジー村に設立されたメゾンです。

自社畑を中心に52haの畑からシャンパーニュを生産しています。

平均クリュは96%ときわめて高水準で、年間生産本数は30万本です。

 

シャンパーニュメゾンの中においては小規模な生産者ですが、品質の高さと丁寧なワイン造り、そして歴史があり、世界的な人気があります。

人気メゾンであるクリュッグの創始者、ジョセフ クリュッグジャクソンで修業するなど、歴史ある名門メゾンなのです。

現在の当主はジャン エルヴェ&ローラン シケ兄弟です。

 

後述する、派手できらびやかな歴史とは対照的にワインそのものは一言で言って誠実で落ち着いたつくりです。

品がよく、一本筋の通った凛とした酸味とデリケートな果実味は、シャンパンファンならずとも強くお勧めします。

 

ジャクソンはナポレオンに愛され、戦場にもちこまれたシャンパーニュです。
 
では、シャンパン片手に戦場で乾杯するときとは、どのようなときでしょうか。
 
恐怖に追い込まれた戦士たちを鼓舞するときかもしれません。
 
戦いに勝利した時の祝勝かもしれません。
 
戦士によっては、憎くもない敵国軍人を死に追いやった贖罪の味かもしれません。
 
生々しい想像をさせてしまうかもしれませんが、ジャクソンを飲むときは、できればそこに思いをはせれば、また格別の味わいになるかもしれません。

 

 

ジャクソン

歴史あるシャンパーニュメゾン

ジャクソンが造るスタンダードキュヴェは700シリーズです。

スタンダードとしては珍しく、毎年ヴィンテージの特徴を生かすため、味わいを変えてリリースしています。

その数字はメゾンが設立されてからブレンドされてきた数をあらわす番号です。

 

アイ村のヴォーゼル テルムなどから単一畑のリュー ディ シリーズもリリースしており、高い人気を得ています。

ワイン造りに使用するブドウはリュットレゾネで栽培されています。

果汁は旧式の垂直プレスを使用して丁寧に搾汁、一番搾り果汁のみを使用します。

醸造は古くて大きいオーク樽を使用し、天然酵母を使用したいため、SO2の使用は最低限度に抑えています。

ドサージュも還元臭を消すために少量のみ行います。

700シリーズは3~4年瓶内熟成させていますが、9年間の瓶内熟成を得たデゴルジュマン タルディフは、特に高い品質でリリースされています。

 

ワイナリーの歴史

1798年にメミージャクソン氏により設立されました。

1798年といえば、ナポレオンが遠征先のエジプトでピラミッドを前にエジプト軍に戦いを挑み、そして勝った年です。

ジャクソンシャンパーニュは、ナポレオンの寵愛を受けたメゾンとして有名です。

遠征のたびに戦場に持ち込むほど、ナポレオンはジャクソンを勝利の酒とするのです。

 

ワグラムの血戦で、ナポレオンはアウステルリッツの戦いに次ぐ血戦を挑み、オーストリア軍に快勝します。

その結果欧州名門のハプスブルグ家と姻族になり、王侯の仲間入りを果たすのです。

ジャクソンはナポレオンの結婚式でも振舞われるなど、シャンパーニュとしてこの上ない地位を築いていきました。

 

もちろん、乾杯の祝杯は結婚式だけではありません。

血なまぐさいワグラムの血戦で将校たちが横たわる屍を横目に挙げた祝杯、これもジャクソンなのです。

 

 

その後ナポレオンはワーテルローで敗れますが、ナポレオンに寵愛された歴史はジャクソンにとって何の障害にもなりませんでした。

 

 

創始者のメミー氏の息子、アドルフ氏の時代にジャクソンは多くの技術を考案します。

コルク栓を抑えている「ミュズレ」は今も使用されていますし、「糖分濃度の測定法」を定式化して、ガス圧による瓶の破裂を防ぐなど、今日までのシャンパーニュの発展に大きく貢献しています。

(もっとも、糖分濃度の測定法の考案は、諸説あってヴーヴクリコが開発したという説もあります)

 

 

「世界No1ソムリエが選ぶ2002年度ワインガイド」でNo1メゾンに選出されるなど、ソムリエからの高評価を得ています。

 

実際に世界最優秀ソムリエコンクールでフランス代表のソムリエ、オリヴィエプーシエ(OLIVIER POUSSIER)は、決勝の舞台でジャクソンシャンパーニュを強くお勧めしています。

世界最優秀ソムリエコンクールはメインスポンサーがモエエシャンドンのため、ほとんどの選手はモエエシャンドンを勧めます。

しかし彼はかたくなにジャクソンを勧めていたことが印象的でした。

投稿者プロフィール

ワインの教科書
当サイト”ワインの教科書”は、ワインに関する知識や経験を、できる限り丁寧に解説しています。どうぞよろしくお願い致します。