
ジャスニエール(JASNIERES)は、フランス、ロワール川沿い、トゥーレーヌ地区で造られているワインです。
シュナンブラン種を使った白ワインがAOCの認定を受けています。
ロム(Lhomme)、ルイエ シュル ロワール( Ruillé-sur-Loir)の各コミューンの60ヘクタール弱の畑から2300hlのワインを産出しています。
ここのワインの面白さは、その生産エリアにあります。
おそらく日本のワインファンの多くはロワールワインというと「本流のフランス最長のロワール河」を思い浮かべるでしょう。
しかし、実際にはもう一つのロワール川があって、ジャスニエールはその「本流以外のほうのロワール川」沿岸にあります。
ジャスニエールはそこのエリアのエース的存在で、その意味では押さえておきたいワインといえます。
シュナンブランは世界的に栽培されていますが、ワインの品質ではロワールワインには及びません。
ジャスニエールは際立った個性のある上質のワインとして強くお勧めします。
評価の高い生産者として、
Domaine de Belliviere、Pascal Janvier、Domaine de la Charriere、
等があります。
残念ですが日本にはほとんど紹介されていませんが、銘柄によってはフランス最高のワインといえるものもあります。
見かけたらぜひお試しください。
ジャスニエール
二つのロワール
私もふくめてほとんどのワインファンはおそらく”ジャスニエール=ロワール河のワイン”というイメージでしょう。
しかし、あるときジャスニエールのことを詳しく調べようと思ってその生産エリアをたどってみると、意外な事実に気づいたのです。
その事実とは、フランスには二つのロワール河(川)があって、
①一つはイメージ通りのロワール河(LOIRE 最後にEがつく)
②それに並行する形で流れていてアンジェで合流するロワール川(LOIR 最後のEがない)
があるのです。
(ここは人によっては「そんなこと知っているよ」という人もいれば「衝撃の事実だ」という人もいると思うので、適宜読み込んでみたり、読み飛ばしてください。)
では、その”本流以外のロワール川”を検討してみましょう。
本流のロワール河の中流域に、アンジェ市があります。
アンジェ市の南にロワール河の本流があり、そこから北東に遡るとメーヌの湖を経てサルト川がありますが、ここをさらに北東に遡ると今回の本題の「もう一つのロワール川」が見えてきます。
ここを北上するとロムの村があって、ここがジャスニエールの生産エリアなのです。
このロムの村は↑ご覧のとおりラ・シャルトル‐シュル-ル‐ロワールの近くで、よく見るとやはりLOIRの最後にEがついていません。
日本語に直すと同じ発音なのですが、つづりは違っていて、さすがにこれではわかりづらいですね。
このエリアには3つのAOCがあって、
・ジャスニエール 白、栽培面積60ヘクタール
・コトーデュロワール(COTEAUX DU LOIR ←Eがない)赤白ロゼ、栽培面積80ヘクタール
・コトーデュヴァンドモワ(COTEAUX DU VENDOMOIS)赤白ロゼ、140ヘクタール
の三つがあって、品質と知名度共にジャスニエールがとびぬけた存在です。
ワインの特徴
南に向いていて、日射量が多い丘陵地帯にブドウ畑があります。
ジャスニエールはシュナンブラン100%のワインで、でブドウの栽培を行っているのは、わずか60haのみです。
しかし、森や谷、丘といった変化に富んだ地形であるためミクロクリマ(気候の微小な変化)が多く存在し、ブドウの味わいに広がりを与えています。
一般的にジャスニエールのブドウは、日射量に恵まれ多くのミネラルを含む石灰土壌で育てられるため、豊富なミネラルとフルーティーさを持った味わいになります。
ワインの味わい
透明な黄金色をしており、ミネラル感にあふれた力強い味わいが特徴。
ドライフルーツや蜂蜜のような風味がある、黄色い花や果実の香りを持っています。
シュナンブランの品種の個性がよく出た酸味のさわやかな端麗な辛口の白ワインです。
シュナンブランはカメレオンのような品種と言われ、栽培される環境によってさまざまな味わいになりますが、ジャスニエールの味わいこそがシュナンの代表だという人も多いです。
酸味とミネラル感の筋の通った味わいと、透明感のある端麗さは他の産地のシュナンブランでは味わうことのできない上質さを感じることができるでしょう。
味わいのコツ
辛口の白ワインであるため、8度に冷やして飲むとよいでしょう。
ジャスニエールは白ワインの中では珍しく長期熟成に向いていて、15年近い熟成に耐えることができます。
熟成期間が足りない場合には、白ワインではありますがデカンタを使用して空気に触れさせてから飲むとよいでしょう。
グラスは中ぶりのチューリップ型であれば特にこだわらなくても構いません。
ジャスニエールは日本ではほとんど見かけませんので、シュナンブランの神髄を味わおうというときにこそ味わいたいワインです。
お飲みになるときはできればいい環境で、事前に知識を仕入れていただければ味わいもまた格別でしょう。
合わせる料理
ジャスニエールは繊細な味わいのため、軽めの料理と非常によくマッチします。
前菜であればお魚のテリーヌや魚介類の天ぷらがいいでしょう。
繊細な風味と様々な素材の味わいを、ジャスニエールの一本芯の通った酸味と合わせてみてください。
また、チーズであれば同じ地域の山羊のチーズがいいでしょう。
チーズの繊細な酸味と風味がジャスニエールとよく合います。
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