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クリュッグ シャンパーニュとは?その特徴と歴史

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クリュッグ(KRUG)はランスに本拠地を構える、6世代続く小規模な家族的メゾンです。

家族経営とはいってもそのブランド力はすさまじく、あらゆるシャンパーニュメゾンの中でももっともあこがれをもって受け入れられているものの一つでしょう。

RMの小規模生産者の台頭で押され気味ですが、シャンパーニュの中で極めつけの一本を選んでほしいといわれれば、今でもクリュッグをお勧めするソムリエは多いでしょう。
 

クリュッグがクリュッグたるゆえんは、徹底した職人気質です。

伝統をまもり、いまでも平均して35年という古樽を発酵槽に使い、低温かつ長期に発酵させ、発酵が終わると厳密にチェックします。

ここで出来が悪いものは省いてしまうのですが、これは簡単にできることではありません。

そして極めつけはそのマーケットコントロールです。

年間売り上げは50万本ですが、なんと6年分にあたる300万本をストックにしていて、不作の年に備えるという徹底ぶりなのです。

 

現在の当主はオリヴィエ クリュッグ氏です。

スタンダードはクリュッグ グラン キュヴェ。

収穫したブドウを異なる樽で発酵させ、アッサンブラージュ(ブレンド)されます。

アッサンブラージュには10~15年に渡るリザーヴワインが使用され、またブレンドされるワインは150~200種類にのぼります。

6年の瓶内熟成を経た豪華なスタイルが特徴です。

 

 

クリュッグは、おそらくシャンパンを知ってしばらくするころに、強烈に憧れるブランドではないでしょうか。

ドンペリのようなマス的要素はなく、孤高のイメージのクリュッグはこれぞ極め付きの一本というときに挙げるワインファンは多いでしょう。

果実をそのまま口にしたようなフレッシュさがありながらでしゃばったところのない味わいは、芳醇、華麗、洗練、そして優美さがあり、知的美すら感じさせるのです。

私が初めてクリュッグを飲んだ(飲ませてもらった)のは、まだソムリエ試験に受かったばかりのころでした。
 
当時勤めていたレストランに良くいらっしゃる老齢のご夫婦は、世界中の高級ワインを持ち込み、私に一口飲ませてくれていました。
 
まだ経験がないので、一つ一つのワインに驚いたり喜んだり、あるいはクールを決め込んでも興奮がばればれなところがおいしいつまみだったのでしょう。
 
今考えるとそのご夫婦はきっとご経験が豊富で、私の疎い解説などとっくに知っていたことだと思うのですが、最後まで話を楽しそうに聞いてくれていたのです。

 

その日持ち込んだワインはクリュッグ。
 
今のようにレコルタン物などは有名ではなかった時代だったので、間違いなくシャンパンの真打はクリュッグでした。
 
その時のお客様の顔は今でも忘れません。ボトルを手に取ってクリュッグの姿に圧倒される姿を決して見逃さなかったのです。
 
いつものように一口飲ませてもらうのですが、興奮のあまり味わいどころではないし、まともなコメントも出来なかったと思います。
 
それでも平静を装って、なんとかそれらしいことを言おうとするところがまた面白かったのでしょう。
 
上機嫌な老夫婦は、グラス一杯分のクリュッグを残してお帰りになったことを覚えています。

 

 

最強ブランド クリュッグ

グランキュヴェ

クリュッグのスタンダードクラスはグランキュヴェで、複数のヴィンテージをブレンドするNV(ノンヴィンテージ)ものです。

全生産量の8割を占め、日本では酒販店ベースでおおよそ3万円程度の価格と考えていいでしょう。

6年~10年程度のストックワインからブレンドして造りますが、おおよそブドウ品種はピノノワールを45~55%、ピノムニエが10~15%、シャルドネが35~45%です。

ボトルの形も変わっていて、鈍く光る金色のラベルは最近はナイトシーンでも見かけるようになりました。

 

 

クロデュメニル

クリュッグの最高峰としては、シャルドネのみを使用した1.84haの単一畑、クロ デュ メニルが最高評価を得ています。

クロデュメニルはメニル・シュル・オジェールにあるベネディクティン修道院の古いブドウ園を1971年に買い取って、この畑のブドウをつかった特吟物です。

 

 

またクロドメニルの3分の1ほどの大きさしかないクロ ダンボネからはピノ ノワールのみを使用したブランドノワールのプレミアム シャンパーニュもリリースしています。

 

クリュッグではすべてのワインで、一次発酵の際、フレンチオークの小樽を使用し、伝統的な製法を守っています。

天候に左右されがちなシャンパーニュを安定させるため、多くのリザーヴワインを保管して、品質の安定に努めています。


クリュッグは大手メーカーに比べると生産本数が少ないため日本では一般的にはあまり知られていません。

しかし熱狂的なクリュッグファンは多く、ミステリー文学のなかでも高級シャンパーニュとして出てくるのはたいていドンペリかクリュッグです。
 
ドンペリがマーケットの支配者だとすれば、クリュッグはドンペリを卒業した人があこがれるシャンパーニュなのです。
 
もし、あなたがソムリエだとしたら、ドンペリとクリュッグが並んだときに、迷わずクリュッグを選ぶお客様を前に、どうおもうでしょうか?
 
「腕がなる」と思う人もいるでしょうし、「なんかおっかないなあ」と思う人もいるかもしれません。
 
ひょっとしたら、当事者として近い将来にクリュッグとドンペリで悩むときがあるかもしれません。
 
その時に思い出してみてはいかがでしょうか。

 

ワイナリーの歴史

創業者であるヨーゼフ クリュッグ氏は、発音からもわかる通りドイツ出身で、貿易業者としてフランスで働いていました。

次第にシャンパーニュへと興味を持ちはじめ、34歳の時に有名メゾンであるジャクソンで修業します。

そして独立への思いが強くなり、1843年にそれまでの経歴を捨て、ランスに自分の会社クリュッグを設立するのです。

ヨーゼフの息子のポールは1880年に英国に”プライベートキュヴェ”という名前で売り出して、これがたいそう受けて経営の基礎を築きます。

ヨーゼフの孫のヨーゼフ2世は船員志望。旅行好きで世界中を歩き回ったおかげでアルデンヌの戦場で負傷し、捕虜にまでなります。

命からがら帰国すると、経営はしっかり夫人が守っていて何の問題もなく、事の流れで甥のジャン・セイドゥーが共同経営に参画します。

ジャンは強運の持ち主で97歳まで生き、1962年の死後に捕虜となったヨーゼフ2世の息子のポールが経営責任者となるのです。

このように、クリュッグは徹底した家族経営を続けていたのです。

 

 

意外かもしれませんがクリュッグは1960年代までは自社畑を持っていませんでした。

同じころにユーザーの目が肥え、シャンパーニュの品質へのこだわりは自社畑の有無が大きなメルクマールとなります。

そこでコニャックのレミーマルタン社の財政支援を受けて1970~72年に合計26haの100%の畑を取得します。

 

1983年にはアンリ クリュッグ氏によりロゼが導入されました。

(ロゼの販売が遅いことに疑問を感じる人もいるかもしれませんが、ロゼのシャンパーニュは品質だけを検討すると亜流とみなされていたのです)

1999年にはルイ ヴィトン モエ ヘネシー(LVMH)グループに入りましたが、伝統的な製法を守り続け、高品質なシャンパーニュをリリースしています。

拡大するLVMHのワイン業界への進出に業界は「今度はクリュッグか」と半分冷めたような雰囲気で報道をされました。

しかし、シャンパーニュやボルドーのシャトー経営は経営基盤の安定性(人的要件と資本要件)が重要なため、これは仕方のない判断でしょう。

2006年に6代目としてオリヴィエ クリュッグ氏が当主に就任しました。

クリュッグは品質の高さもさることながら、そのブランド価値も天下一品です。

「シャンパーニュはクリュッグしか飲まない」といった「クリュギスト」と呼ばれる熱狂的な愛好家がいることで知られています。

シャンパーニュの帝王とも呼ばれるクリュッグは、世界中の愛好家や評論家から高い評価を得ています。


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