ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーラトゥールとは?その特徴と歴史

シャトーラトゥールは、ロバートパーカーに「世界で最も凝縮感のある豊かでタニックなフルボディ」と高い評価を受けたことでも知られるシャトーです。

5大シャトーの1つであり、最も力強く男性的とされています。

 

LA TOUR(塔)が名前とラベルのデザインになっていますが、これはもともとはボルドーが英国領になったときに治安が乱れ、海沿いだったために海賊を撃退するための要塞だったのです。

(英国の伝説的な英雄タルボ将軍が最後の戦いにこの塔に立てこもったという伝説もありますが、タルボ将軍はカスティヨンで戦死しているので違います)

 

百年戦争の時に砦は崩壊し、畑はボロボロになって農園は形をとどめなくなりますが、その時にタルボ将軍が敗戦を悟ると財産をラトゥールの畑に埋めたという逸話があります。

(もっとも、この噂はシャトータルボの畑にもあります)

ラトゥールの特徴は深い色調と比類のない濃縮感、長い余韻を楽しめる超一流の名にふさわしいものですが、ほかの1級シャトーに比べるとやや毛並みの違ったものがあります。

このシャトーはヴィンテージによる差が少ないことで知られていて、例えばほかの1級シャトーが難しいとされた年であってもラトゥールは期待を裏切らない出来になっていることが多いのです。

 

ラトゥールは男性的な味わいで骨太な印象なのでこれが伝統的な印象を持たれるかもしれません。

しかし後述しますがワイン造りに関してはボルドーにあって先端の技術をいち早く取り入れるなどの柔軟さと決断力を持つシャトーです。

 

「今日の伝統は昨日の前進、今日の前進は明日の伝統」

これがこのシャトーのモットーなのですが、まさにそれを体現し、新しい試みを常に率先して取り入れています。

後述しますがボルドーで初めての法人化とセカンドラベルの導入、そして極めつけが最新ステンレスタンクの導入と、保守の権化のようなボルドーワイン界において先駆的な存在なのです。

 

ポイヤック格付け1級、栽培面積は65ヘクタール、年間生産量は35000ケースほどです。

 

シャトーラトゥール

もっとも男性的なメドック1級シャトー

メドック地方の南東のポイヤックに位置し、サン・ジュリアンに接する場所です。

シャトーには、シンボルとなるサン・ランベール塔があり、14世紀頃から名前を変えて再建されながらも存在しています。

フランス語で「塔」は、「ラトゥール」という意味があり、名前にも付けられました。

更には、ワインのラベルにも塔が描かれています。

 

シャトーラトゥールを訪れる人はほとんどがラトゥールのラベルを見たことがあるはずで、「これがあのラベルの塔か」と感慨にふける人もいるかもしれません。
 
確かに見てみるとラベルと酷似しているし、そう思っても仕方がないというか、紛らわしい姿かたちであることには違いがありません。
 
また、いろいろネットで検索すると海外のブログとかで感激しているページも見受けられます。
 
イメージを棄損して申し訳ないのですが、お察しのとおりこの畑の中にポツンとある塔は、前述した海賊を退治するための塔よりもずっと後に建てられた給水塔です。
 
この塔が建てられた後に何回か所有者が変遷し、その中にマルゴーの所有者であったレストナックがいて、その時にワイン造りが始められたのです。

 

 

シャトーでは3種類のワインが生産され、

グランクリュであるシャトーラトゥール

セカンドラベルのレ・フォール・ド・ラトゥール

3番手のポイヤックです。

樹齢が若かったり、地質学的に疑義があるブドウはセカンドラベルに回すという手法はラトゥールが率先して始めたシステムで、この成功をもとにほかの格付けシャトーが追随します。

 

シャトーラトゥールで生産されるワインは、豊富なタンニンと濃厚な凝縮感が特徴となります。

長期熟成に適し、優良なヴィンテージは50年も熟成に耐えられます。

 

ブドウ品種

栽培されているブドウの品種は、カベルネソーヴィニヨンが80%と主体になり、メルローが18%、カベルネフランとプティヴェルドが残りとなります。

 

グランクリュであるシャトーラトゥールはカベルネソーヴィニヨンが75%、メルロー20%、残りがプティヴェルドやカベルネフランがブレンドされています。

一方でセカンドラベルはカベルネソーヴィニヨンの割合が少し少なくなり、70%とメルロー30%でブレンドされます。

 

ワイナリーの歴史

14世紀頃からワイン造りがこの周辺の土地で行われるようになり、16世紀にはモンテーニュのエッセイに登場するほど評価の高いワインとなっていました。

17世紀後半にセギュール伯爵の所有となりますが、伯爵はラフィットとカロンセギュールも所有していました。

「ブドウ王子」とまで言われるほどの成功を収めた伯爵ですが、このころにはラフィットと並んで名声を博していたことがわかります。

 

そしてワイン造りは18世紀に入ってから本格的に始まります。

 

 

シャトーラトゥールは、外国資本(英国ピアソン財閥)によって1963年から30年間経営されていました。

この時に伝統保守の権化のボルドーワイン界を震撼させる改革を行います。

それまでの木製大桶の発酵槽を最新鋭のステンレスタンクを導入し設備を一新させるのです。

この設備改革は、二年前にオーブリオンでの導入はありましたが、メドックではラトゥールが初めてです。

疑心暗鬼だったほかのシャトーもラトゥールの成功に触発されて最新技術の導入が進みますが、メドックにおける技術の先駆はラトゥールであることがおおいのです。

(もっとも、ブドウ栽培や選果はこれまで通り厳しい基準のもと行われていたため、変わらない安定したワインを生産しています)

 

そして、1993年にフランソワ・ピノーが購入して自身の会社であるグループ・アルテミスの所有となり、フランス人による経営に戻りました。

 

ラトゥールがほかの1級シャトーと際立って違うのは、その頑強さとややとっつきにくい渋み、そして不作とされる年でも品質が安定していることでしょう。

他のシャトーが不作であってもそれをカバーしようとする努力によって素晴らしいワインを造り続け、これがラトゥールの評価となっているのです。


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