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ル モンラッシェとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ル モンラッシェ(LE MONTRACHETもしくは単にMONTRACHET)は世界で最も偉大として知られている白ワインで、特級の指定を受けています。

三銃士やモンテクリスト伯を書いたデュマは

「脱帽し、ひざまずいて飲むべし」

とモンラッシェを批評しています。それだけ尊敬の念を抱かせるワインだということでしょう。

 

金属的で鋼のような味わいと称されることがおおく、それだけピンと張りつめた凛然さがあるとされています。

熟成を経てこそ真価を発揮するためこのワインはできれば15年は待ってたのしみたいところでしょう。

 

なお、モンラッシェと同じ特級ワインには以下のワインがあって、これらも併せて押さえておきましょう。

・MONRACHETまたはLE MONTRACHET モンラッシェまたはル モンラッシェ

・BATARD-MONTRACHET バタールモンラッシェ

・CHEVALIER-MONTRACHET シュバリエモンラッシェ

・BIENVENU-BATARD-MONTRACHET ビアンヴニュ バタールモンラッシェ

・CRIOTS-BATARD-MONTRACHET クリオ バタールモンラッシェ

これらが特級ワインとされています。

 
ワインブックスで取り扱いがあります】
ピュリニー村とシャサーニュ村の一覧)

 winebooks.jp
https://winebooks.jp/category/item/france/bourgogne/puligny-chassagne

 

モンラッシェは間違いなくブルゴーニュはもちろん世界のトップ中のトップのワインですが、わかりづらく誤解も多いので最初にここだけは理解するようにしましょう。
 
・前置きがなくただの「モンラッシェ」又は「ル モンラッシェ」の場合は、特級ワインで、一般的に言う最高級ワインの意味でのモンラッシェはこれをさします。
 
・ただし、モンラッシェの特級ワインにはほかにも「バタールモンラッシェ」「シュバリエモンラッシェ」「ビアンヴニュ バタールモンラッシェ」「クリオ バタールモンラッシェ」の4つがあり、これらも最高の評価を受けています。
 
・最もわかりづらいのが、これらのワインを産する村は「シャサーニュモンラッシェ」「ピュリニーモンラッシェ」の隣接する二村にまたがっていて、これがワインをややこしくさせているのです。

 

そのため、モンラッシェだと思って飲んでも、よくよくラベルを見ると実は特級ではなかったなんてこともあります。
 
これがムルソーコルトンシャルルマーニュと比べるとユーザーからすれば誤解しやすく、モンラッシェ最大の泣き所になっています。

 

このページはモンラッシェやル モンラッシェ、つまり最高級ワインのご説明となります。

7.8haと栽培面積が小さく生産量が少ないので、希少価値も高く世界でも最も高価な白ワインとなります。

 

もっとも、最高級ワインであることには変わりないのですが、小さな面積のわりに所有者がおおく、それぞれがそれぞれのやり方でモンラッシェを造っていて、はっきり言えば統一感はありません。

そのため生産者による差が激しいワインであることでも知られています。

 

あまり語られていませんがモンラッシェは、大きく分けるとおおよそ以下のようなランク分けができます。

・まず、別格なのがモンラッシェまたはル モンラッシェの一言のみのワイン。畑の名前のみでハイフンはつきません。
これは別格でダントツの存在です。

・次がグランクリュのバタールとシュバリエで、シュバリエはモンラッシェの斜面の上部に合って、生産者によっては上記のモンラッシェよりも評価の高いものがあります。

・その下がビアンヴニュ、クリオバタールが続き、プルミエクリュ、村名ワインとされています。

ル モンラッシェ

ブドウの品種

chardonnay

 

モンラッシェのブドウの品種はシャルドネで、この地にあるグランクリュの畑から収穫されたブドウを使用したワインのみがAOCして認定されます。

畑はわずか8haとなりますが、大勢の生産者が分割して所有しています。

そのため生産者によっては他のグランクリュのモンラッシェに比べて劣るものも見受けられます。

これは、特に相続による責任者の変更によっておこることが多いのですが、ワインに対する考え方の違いによっていきなり品質が変わることがあって、それがモンラッシェにはいくつか見受けられるのです。

 

もっとも、ブドウ品種はシャルドネに統一されていますので、これは考えようによってはそれだけ土壌や環境、造り方によって表現の仕方に幅があるという見方もできるでしょう。

 

紛らわしい名前?

モンラッシェの畑は、コートドボーヌの南部にあり、↑ご覧のようにピュリニー・モンラッシェ村(右)とシャサーニュ・モンラッシェ村(左)が半分ずつ分け合っています。

これらの村の名前がワインのモンラッシェと混同させることがおおいのです。

 

この紛らわしい名前は、この二つの村の名前を付ける際に、村の名士たちはすでに有名だったモンラッシェの名前を冠したいがためにハイフンで名乗れる許可を得るよう働きかけたのがきっかけです。

意地悪な見方をすればその当時の村民運動の魂胆はワインをよく知らない人を誤魔化す意味も全くないとは言い切れません。

そのため小難しく面倒くさい知識の習得をユーザーに押し付けることとなってしまうのです。

 

ちなみにピュリニー寄りのモンラッシェは単なる「モンラッシェ」となのり、シャサーニュ寄りのモンラッシェは「ル モンラッシェ」と名乗ることが多くなっています。

これは余談ですが、大きな声では言えませんが、グランクリュのバタールモンラッシェの”バタール”の意味は庶子、つまり本妻以外の女性から生まれた子供のことを意味します。
 
私は決して身ぎれいな人間ではないので「こんなこともあるところにはあるのかな」程度しか思いませんが、けしからん名前だと思う人もいるかもしれません。これには一つのグランクリュ物語があるとされています。
 
その昔、騎士(シュバリエ)のご領主さまがいました。
 
ご領主さまには本妻がいましたが、モンラッシェの畑で見かけた美しい女性に惚れてしまい結ばれ、そして庶子(バタール)を生みます。
 
そこへご領主さまの元々の息子の戦死の知らせがあると、この子を後継ぎと決めるのです。
 
それを村の人が喜んで歓迎し(ビアンヴニュ)、それに驚いた赤ん坊はおぎゃあおぎゃあ(クリオ クリオ)と泣き叫んだ、というのです。
 
・・・冗談ぽい話ですが、これはまだいいほうで、フランスワインの名前には現代社会ではシャレにならないネーミングのものもあります。
 
ここはあまり真剣にならず、一つの話のねた程度にとらえるのがワインをおいしく楽しむコツと言えるかもしれません。

 

モンラッシェの特徴

辛口白ワインとなり、黄金色で美しい輝きが特徴で、熟成するほど黄色の強みが深まります。

バターやドライフルーツのアロマを感じながら、スパイスや蜂蜜も感じられるワインです。

なめらかな口当たりですが、しっかりとした辛口で優しく包み込んでくれる奥深さがあります。

一口含むと体中からアロマを感じられるような香り高さが特徴的で、優雅さと高貴な品も感じられる最高級のワインと言えます。

こちらはシャサーニュ寄り

味わいについて、ムルソーとの対比は昔からされていますが、ムルソーはやや植物的な柔らかい印象であるのに対してモンラッシェはピンと張りつめた金属的な印象と言われています。

そのためはっきりとした辛口は明らかにモンラッシェのほうで、これが熟成によって大きく化けることとなるのです。

10年程度までは他の特級ワインと比べてもあまり変わらないのですが、これが15年を過ぎてくるとほかを圧倒する品質になり、これがモンラッシェの真骨頂なのです。

そのため「モンラッシェを飲んだけどあまり感動しなかった」という場合は、生産者によるものか、あるいはまだ熟成の段階であることが多いように思います。

 

 

飲み方のコツ

モンラッシェは世界に誇る超一級の白ワインです。

そのためまずは環境が良くないと味わいが台無しになってしまいます。これがデュマのいう「ひざまずいて飲むべきワイン」ということなのでしょう。

そしてできれば15年から20年前の収穫年までまちましょう。

 

飲むときの温度は10度程度で構いません。

白ワインでデカンタージュをすることもありますが、ある程度の熟成を重ねている場合は逆に不向きです。

ボトルからていねいにグラスにそそぎましょう。

このクラスのワインになると合わせる料理は限られてきます。

ご自宅でもいいのですが、腕のいいシェフが渾身の力を込めて作るレストランの料理がいいでしょう。

オマールやフォワグラなどでもいいですが、肉料理ともあわせやすく、決してワインは負けません。

通常は白ワイン→赤ワインの順でサービスされますが、モンラッシェの場合は逆であっても構いませんし、おそらくほとんどの人はそれを希望するでしょう。

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