シャトーレオヴィルポワフェレは、メドックの中でも素晴らしい土壌の畑を所有するシャトーであり、「レオヴィル3兄弟」の1つです。
1855年の格付けで二級とされていますが、その二級のなかでもトップクラスの味わいで、ボリュームとタンニンの上質さを感じられるワインが造られています。
他のレオヴィルラスカーズやレオヴィルバルトンに比べるとシンプルでややポップなラベルの印象ですが、実際には骨太で渋みと酸味の骨格のあるワインに仕上がっています。
栽培面積約80ヘクタール、生産量は38000ケースとやや大きめのシャトーです。
シャトーレオヴィルポワフェレ
レオヴィル3兄弟の次男
サンジュリアン村に本拠地を構え、初代オーナーであったポワフェレの名前を取って付けられました。
ミッシェル・ロランがコンサルタントとして加入したことで、低温マセレーションなど近代技術も取り入れられて評価を高めています。
このシャトーで造られるワインは、ボリュームと深さを兼ね備えながらも果実味としっかりしたタンニンによる複雑な味わいとなります。
熟成させることで一層魅惑的な味へと変化していく魅力もあります。
セカンドラベルは、ムーラン・リシュです。
ワインのブドウ品種
レオヴィルポワフェレでは、この地域の他のシャトーと比べてもメルローの比率が高くなっています。
栽培されているブドウ品種は、カベルネソーヴィニヨンが58%、メルロー31%、プティヴェルド9%、カベルネフラン2%です。
減農薬栽培(リュットレゾネ)でブドウが造られ、ブドウにミネラル分が豊富に行き渡るように雑草を残すという方法を取っています。
完全に雑草を取り除くことも現在の栽培技術では可能なのですが、そうすることによってブドウそのものに排他性が生まれ、逆にブドウ本来の生命力が失われるのではないかとの仮説によるものです。
砂と砂利が多く、石灰岩の層になっているという赤ワインを産み出すのに最適な土壌です。
ブドウは手摘みで収穫され、2度選果された後に醸造されます。
ワイナリーの歴史
最新の醸造設備↑
レオヴィルポワイフェレは、1638年にこの土地がジャン・ド・モワティによって開拓されたことによって始まります。
モワティは当時有力なワイン商で、息子がフランスの財務長官になるなどの超のつくエリート一家でした。
モワティ家を継いだ娘がレオヴィル家に嫁ぎますが、その後、一家に後継者がいない状態で途絶えたため、レオヴィル家の甥と姪に分割相続されます。
そのうちの一人がラスカーズ・ボーヴォア伯爵で、これによってレオヴィルラスカーズとなるのです。
フランス革命の際にラスカーズの当主は身の危険を感じて外国へ亡命し、残った家族でシャトーを守り抜きます。
革命によっていったんは国に没収されたワイナリーは残った家族の頑張りによって四分の3を取り戻します。
レオヴィル家の新伯爵ピエール・ジャンは、選り抜きの軍人で、ナポレオンの最後をセントヘレナ島でみとった人物です。
ピエールの妹のジャンヌがレオヴィル家の一部を譲り受け、ボルドーの有名な一家であるベルトラン家に嫁ぎます。
その娘のマダムポンヴァルが1860年に母からもらった畑を妹の夫であるポワフェレ男爵に売却したことがレオヴィルポワフェレの始まりです。
その後、オーナーが変わっていき、1979年よりディエ・キュブリがオーナーとなりました。
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