ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーランシュバージュとは?その特徴と歴史

シャトーランシュバージュ(CHATEAU LYNCH BAGES)は、メドックポイヤック村の格付けシャトーです。

格付け5級ながらも、多くの評論家から2級の品質ではとの高い評価を受けています。

メドックの中でもブドウ栽培に適した最高の土地だからこそ、設備投資によって素晴らしいワインが生産されています。

 

ここは何といっても現オーナーのジャンミッシェルカーズ氏の手腕が徹底的に披露されたシャトーです。

カーズ氏は保険会社アクサミレジムの取締役に就任すると資産運用の資金をワインに向けさせ、ことごとく成功させます。

ピションロングヴィルバロンポイヤック

カントナックブラウンマルゴー

・ピブラン(ポイヤック

・スデュイロー(ソーテルヌ

これだけではなく、ポートワインの名家キンタドノヴァルも買収し、資産価値を向上させました。

(投資目的で購入したのですから、当然いつかはエグジット(売却)があります)

 

シャトーランシュバージュ

5級トップの名シャトー

メドック地区のポイヤックに本拠地を構えるシャトーです。

ランシュ・バージュを頂点として「バージュの丘」と呼ばれる場所にブドウ畑があり、メドックの中でもブドウ栽培に最良の土地です。

土壌は、粘土が少なく砂利の多い土壌なので、水はけの良さがブドウ作りに最適となっています。

 

ワインは、タンニンとミネラル分が豊富に感じられ、まろやかさと力強さを合わせ持つ味わいです。

スパイシーな香りが特徴的で、長期熟成型のワインです。

セカンドラベルはオー・バージュ・アヴルーで、早い内からも濃密で豊富なタンニンを楽しむことができます。

シャトーコルディアンバージュの一皿

ここの現在のオーナーはメドックのシャトーの閉鎖的文化を嘆いていて、外側へ広く知ってもらおうと尽力した人物です。

ランシュバージュの隣のコルディアンバージュというお城を買い取ってレストランに改装し、1999年にミシュランの一つ星を獲得しています。

その時のソムリエは日本人の石塚秀哉氏です(その後ひらまつパリの立役者となり、現在はパリでレストランを開業)。

 

ブドウ品種

栽培されているブドウ品種は、カベルネソーヴィニヨンが73%とメインになっており、メルローカベルネフラン、そしてプティヴェルドが少量栽培されています。

収穫は全て手摘みで行われ、ブドウ畑で選果した後、粉砕されます。

 

醸造方法は、マロラクティック発酵ですが、全体の30%のみが新樽マロラクティック発酵を行います。

これは、4月のプリムール試飲用に早く樽香を付けるためだそうです。

 

栽培面積は90ha、生産量は46000ケースほどと大きく、日本のワインショップでもよく見かけます。

 

ワイナリーの歴史

ラッシュ・バージュは、16世紀頃からドメーヌとして同じ広さで存在しており、そこのドルイヤード家の娘エリザベスが1740年にランシュ家に嫁いだのが現在のランシュバージュの前身です。

元々のランシュ家はアイルランド出身です。

1688年から続くイギリスの名誉革命の流れの一つで反乱軍は敗北するのですが、その中にはイギリスに忠誠を誓うことを潔しとしない人が多くいました。

その人たちの中にはフランスに亡命した人がいて、そのうちの一人がランシュ家のジャン・ランシュなのです。

この人はなかなかの商才の持ち主で、羊毛と毛皮のビジネスで成功を収めると息子のバプティストはルイ18世時代にパリ商工会議所のメンバーに選ばれるほどの名家となり、伯爵位まで勝ち取ります。

このランシュ家は1824年にシャトーを手放し、いくつかの所有者を経て1934年にジャン・シャルル・カーズのものとなります。

その後、1972年に95歳でジャンが亡くなった後を息子のポイヤックの元市長であるアンドレ・カーズ(ポイヤック市長まで務めた)と孫のジャン・ミッシェル・カーズが引き継いで現在に至ります。

 

父のアンドレは多忙のため、息子のジャンミッシェルがシャトーに寝泊まりをして立て直しを図ったのです。

 

このシャトーは、一言で言えば1855年の格付けが実力に合っていないいい見本で、5級とはいえ2級の実力があるとされていて、価格は5級の中ではトップにあります。

しかし、それでも価格に対して味わいは優れていて、ポイヤックらしい風格のある味わいは出色で、特に熟成することでこの上ない仕上がりを見せます。

できればワインに理解のある人と、上質なワインをじっくり味わおう、というときにこそ、思い出してみてはいかがでしょうか。

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