ワイン用語集

ワインと料理のマリアージュとは?基礎知識と理論、具体例

 

ワインの世界でよく「マリアージュ」という言葉を聞くと思います。

このサイトでもよくマリアージュという言葉を使っていますが、このマリアージュとは、ワインと料理の相性のことを指します。

 

「このワインはこの料理といいマリアージュだ」

という場合は、ワインと料理がよく合っている、という意味で使います。

 

もともとは、マリアージュ(MARIAGE)は、フランス語で結婚の意味で、なんともロマンチックな言い回しではないでしょうか。

 

ワインと料理のマリアージュ

原則は、「重たい」か「軽いか」

ワインのマリアージュは、ソムリエ試験やソムリエコンクールでも頻出の問題で、それだけ奥が深いということでしょう。

勉強しようとすれば大変ではありますが、一般の方であれば「重い料理には重いワイン」「軽い料理には軽いワイン」が原則としてまずは押さえましょう。

重い料理とは、食べ応えがずっしりあって、濃い口当たりの料理のことです。

フレンチやイタリアンなどであれば、バターや赤ワイン煮詰めたソースなどは口いっぱいに風味が広がり、どっしり感じるはずです。

日本料理であればすき焼きや味噌煮込みなどは重い料理といえますよね。

 

軽めの料理とは、サンマの塩焼きとかを思い浮かべてください。

スパゲッティボンゴレやカルパッチョやフリットの料理などは軽く、さっぱりいただけるでしょう。

ここでは、ぜひ軽めの辛口白ワインを合わせてみてください。

この時に、重い料理に軽めのワインを合わせてしまうとワインが存在感を失ってしまい、「良いマリアージュ」とは言えません。

逆にサンマの塩焼きを食べているのに重めの高級ワインを飲むのは料理がワインについていけていませんよね。

 

まずはこの「重い料理には重いワイン」「軽い料理には軽めのワイン」の原則を覚えましょう。

そのうえで、興味のある方は次に進んでください。

 

動物性の脂は渋みでさっぱりさせる

次に、焼肉屋さんでよくウーロン茶を飲みたくなるのを思い出してみてください。

中にはサービスでウーロン茶を出してくれるところもあり、「なんて嬉しいサービスなんだ」と思った人もいるはずでしょう。

 

ウーロン茶には渋みの成分であるタンニンが含まれていて、これは赤ワインの渋みと同様の成分です。

そして、タンニンは動物性の脂を洗い流す効果があり、結果として口の中をさっぱりさせてくれるのです。

そのため、例えばフレンチで動物性油脂のバターをたっぷり使ったソースや脂分のおおい和牛のステーキなどは、重めの赤ワインが合うということになります。

 

ここで勘の鋭い人は「まてよ、じゃあ焼肉屋さんでウーロン茶がサービスで出されるのは、販売促進なんじゃないか」と思うと思います。

大正解!とまでは言いませんが、ウーロン茶を飲んだお客さんの中には口がさっぱりすることでもう一品お肉を頼む人もいるかもしれませんね。

 

魚介類の磯の香りには、酸味が合う

次に、前述のサンマの塩焼きや、焼き蛤を思い浮かべてください。

磯の香りがふわっと香り、いかにもレモンを絞りたくなる気がしませんか?

ここで、レモンを絞る代わりにレモンのような酸味がさっぱりした白ワインを合わせてみてはいかがでしょうか。

例えばロワールのサンセールミュスカデなど、柑橘系の香りとさっぱりした酸味は磯の香りとよくマッチします。

 

塩味が強い食材は、甘口ワインで

次に、塩味の強いブルーチーズを思い浮かべてみてください。

そのままだとおいしいのですが塩味が強すぎて疲れてしまうかもしれません。

そこでポートワインやソーテルヌなどの甘口ワインと合わせてみてはいかがでしょうか。

例えばチーズにレーズンの入ったものや、生ハムにメロンを合わせるのは同様の理論で、塩味がそれ単体では強い場合は、甘味で塩味を緩和させるのです。

 

家庭料理にはリーズナブルなワイン

中には例外もあるかもしれませんが、日本の家庭料理は様々な料理が一度に食卓に並ぶ特徴があります。

また、調味料もソースや醤油、ケチャップなどを各々がつけるますよね。

こうなるとワインはあまり高級なものは合いません。

高級ワインは強烈な個性があるものなので、無難な造りをしていないのです。

もちろん、例えばご家庭でも高級なお肉を買って、高級ワインに合わせるように料理を作れば別です。

この場合は気分を盛り上げて、高級ワインを合わせてみましょう。

 

高級な料理には高級なワイン

では、高級ワインはどのような料理がいいのでしょうか?

例えばボルドーの古いヴィンテージのワインなどは、やはり高級レストランでしっかりとソムリエさんにマリアージュを検討してもらい、デカンタージュして楽しみたいものです。

高級ワインはご家庭向けのワインとはお金のかけ方が違います。

高い設備投資やイメージを保つための広告宣伝費は、「料理人が腕によりをかけた料理に合わせられるワイン」を目指して投下するのです。

 

地方料理には、地方のワインを合わせる

↑Tボーンステーキには、トスカーナの赤!

特に欧州のワインに関して言えば、もともとその地域に根付いて造られてきた歴史があります。

ワイン生産者はその地域の料理に合わせやすいように意図的にワインの味わいを調整しているので当たり前でしょう。

フランスやイタリアは、地方料理が発達していて、それらにはかならずペアとなるワインが生産されているものです。

これらはもちろん味わいとしても合わせやすいのですが、その地域の食文化を味わうという意味でも興味深いものです。

 

まとめ

ここであげたマリアージュの理論は、基礎的なもので、ガストロノミックの世界はもっと緻密に深くワインと料理のマリアージュを検討しています。

私が研修を受けたパリの星付きレストランは、次期のメニューの考察の際に本当にたくさんの試作とマリアージュを試みていました。

本当にいいマリアージュに直面すると、「これこれ!こんな組み合わせを待っていた!」というくらいの感動が味わえます。

ぜひ普段から料理とのマッチングを検討する癖をつけていただき、一段深いワインライフを送ってください。