メルキュレ(MERCUREY メルキュレイとも書きます)は、ブルゴーニュのコート シャロネーズ地区にあるワイン産地です。
メルキュレはフランス初の土壌整理を行ったワイン産地とされており、嵐による被害に抵抗するためにコンクリートの道路網が構築されています。
640haほどの指定栽培面積から27000ヘクトリットルほどのワインが生産されていて、およそ85%が赤ワイン、15%が白ワインです。
おなじコートシャロネーズのリュリーの南にあって、メルキュレ村(Mercurey)とサンマルタン スーモンテギュ村( Saint-Martin-sous-Montaigu)が指定コミューンです。
メルキュレ
全体像
赤ワインと白ワイン両方の生産が認められており、赤ワインはピノノワール、白ワインはシャルドネが使用されています。
赤ワインの生産量の方が多く、メルキュレ産ワインの85%ほどが赤ワインであり、高い評価を得ています。
あまり白ワインの醸造に関心を持っていない生産者が多かったのですが、近年は白ワインの消費が増えている傾向から、樽発酵を行うなど白ワインの品質が向上しています。
1989年にプルミエ クリュが正式に認定され、160haほどがプルミエ クリュに格付けされており、そのほとんどでピノ ノワールが栽培されています。
シャルドネは比較的斜面上部の表土が薄い場所で栽培されています。
メルキュレは全体的に粘土石灰質土壌を持ちますが、一部では赤い粘土質や石灰質土壌もあり、複雑な土壌構成になっています。
ワインの特徴
メルキュレはコート シャロネーズ地区最大のアペラシオンであり、生産量も最も多いアペラシオンです。
特徴としては、小高い丘がいくつもあることが挙げられます。
そのため畑はあらゆる方向に傾斜しており、多様な立地条件を持ちます。
プルミエ クリュに格付けされている畑は、そのほとんどが南向きまたは東向きの斜面に位置しています。
コート シャロネーズ地区のアペラシオンでは生産量が最も多く、そのためフランス国内だけでなく国際的に比較的高い知名度があります。
また、村の中心にカヴォー ディヴァン メルキュレという直売所があり、メルキュレで造られたワインの90%ほどが販売されています。
そこまでの品揃えの直売所はワイン産地でも珍しく、メルキュレ産ワインの普及に貢献しています。
楽しみ方のコツ

メルキュレは、上質ではありますが価格は控えめで、そのため肩ひじ張らずにおいしいワインを楽しもうというときにこそお勧めしたいワインです。
例えば仲の良い友人とうまいワインを味わおうというときや気心の知れた仲間とのワインパーティーにこそ喜ばれるでしょう。
温度は赤で18度程度、白で10度程度と比較的高めの設定でも十分においしくいただけます。
グラスは大ぶりのものでもいいですが、気を使いすぎてしまうかもしれませんので中ぶりのグラスがちょうどいいかもしれません。
ブルゴーニュの中でもコートドールではなく、知名度の低い地域のワインですので、その意味ではワインに興味のある人ほど好奇心が出るワインといえます。
それならばブルゴーニュの地方料理、ブッフブルギニョンやコッコーヴァンなどの煮込み料理を作り、それをつつきながらいただけば、より一層味わいもおいしく感じるでしょう。