モンタニー(MONTAGNY)は、ブルゴーニュ地方のコート シャロネーズ地区にあるワイン産地です。
1936年にAOCに認可され、コート シャロネーズ地区では最も南に位置しているアペラシオンです。
300ha強の栽培面積からおよそ17000ヘクトリットルの白ワインが生産されています。
日本ではなじみが薄いのですが、上質な白ワインの産地として地元では人気があり、シャルドネファンであれば一度は口にしてみたいワインといえます。
クリスピーでナッツと果実の印象のあるシャルドネ独特の味わいをたのしめ、かつ価格も控えめですので一通りのワインを飲み終えた方にこそ強くお勧めできます。
モンタニー ワイン
全体像
モンタニーではシャルドネを使用した白ワインのみ生産が認められており、わずかに栽培されているピノ ノワールはブルゴーニュ ルージュとして販売されます。
コート シャロネーズ地区で白ワインのみ認可されているアペラシオンは、ブーズロンとモンタニーの2つです。
そのうちブーズロンではアリゴテの使用が規定されているため、モンタニーはコート シャロネーズ地区の中で唯一シャルドネの白ワインに特化したワイン産地ということができます。
モンタニーの畑はビュクシ村の周囲に広がっており、モンタニー村、ビュクシ村、サン ヴァルラン村、ジュリ レ ビュクシ村にまたがっています。
畑は東向きまたは南向きの斜面に位置しており、斜面下部では一部キンメリジャンが露出しています。
一般的にブルゴーニュではドメーヌの数が増えてきていますが、モンタニーではドメーヌ数は減少しています。
モンタニーは協同組合の生産割合が高く、1931年に創設されたビュクシの生産協同組合(カーヴ デ ヴィニュロン ド ビュクシ)が、モンタニーの生産量の70%ほどを占めています。
ワインの特徴
モンタニーの白ワインは、ナッツや果実、火打石のような香りと繊細な味わいを特徴的です。
石灰質土壌由来のミネラリーなニュアンスが強く、しっかりとした骨格をもつ白ワインを算出します。
モンタニーは、畑の70%ほどがプルミエ クリュであることが特徴的です。
これは以前ドイツ占拠軍による徴収を逃れるために、1943年にモンタニー村の畑をすべてプルミエ クリュに認定したためです。
現在はアペラシオンで認可されている畑は広がりましたが、当時よりもプルミエ クリュの数は減少しました。
約50ほどのクリマがありますが、クリマ名を表記してリリースすることはあまり多くありません。
味わいのコツ
モンタニーは上質な白ワインで、ふくらみのある果実味と柔らかい酸味のバランスの取れた味わいです。
熟成させなくても楽しめるタイプのワインなので、店頭にある状態でお飲みになっても十分においしく感じるでしょう。
もっとも、価格はリーズナブルで緊張して飲むよりはリラックスしておいしいワインをいただこうというときにこそお勧めしたいワインです。
そのため大ぶりのグラスではなくて、中ぶりのチューリップグラスで問題ありませんし、温度も8度程度に冷やして、あまり神経質にならずにたのしめます。
魚介料理全般に合わせることが可能ですが、石灰質土壌独特のクリスピーな印象のある味わいなので、ご家庭であればスパゲティヴォンゴレにあわせて楽しむのもいいでしょう。
もちろん白身魚においしい塩と胡椒でいただくカルパッチョも最高です。
また、屋外のバーベキューなどにも喜ばれるワインで、炭火で焼いたお野菜や魚介類をほおばりながら冷えたモンタニーを飲めば、これぞ最高のマリアージュといえるでしょう。