ラインガウと共に、ドイツワインの銘醸地として知られています。
ローマ人がモーゼルにブドウ栽培をもたらしたとされており、ドイツワイン発祥の地と言われています。
ラインラント ファルツ州とザールラント州に位置しており、モーゼル川とその支流であるザール川、ルーヴァー川の流域に広がっているワイン産地です。
もともとはモーゼル・ザール・ルーヴァーと呼ばれていましたが、現在では単にモーゼルと呼びます。
ただしザール川やルーヴァー側の支流でも生産されていることには変わりありません。
モーゼルのワイン
全体像
モーゼル川は全長約550kmと長く、そのためモーゼルは南北に細長いワイン産地です。
そして山岳地帯であるため、モーゼル川は激しく蛇行しながら流れています。
蛇行しているため、川沿いには南向きの畑もあり、ブドウ栽培に適している環境です。
モーゼルにあるべライヒはブルクコッヘム、ベルンカステル、モーゼルトール、オーバーモーゼル、ザール、ルーヴァータールの6つです。ザールには、オルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルクがあります。
日照量の問題をカバーするべく急傾斜にブドウ畑があり、そのため川からの水蒸気が霧を造り、その結果貴腐ワインを造りやすい環境となるのです。
特徴とブドウ品種
モーゼルの特徴としては、急斜面に畑が多く位置していることです。
モーゼルにある畑の40%ほどが、30度以上の急斜面にあります。
この急斜面はリースリングの栽培に適してはいますが、機械を導入することが困難であり、手作業でブドウ栽培を行わなければならないため、高いコストが必要とされます。
特にモーゼル川中流のベルンカステル地区は、粘板岩質の急斜面であり、シーファーと呼ばれているスレート状の石が畑の表面を覆っています。
その石が日中に太陽熱を吸収し、夜間に放出するため、厳しい寒さを和らげることが出来ます。
モーゼルのワイン生産量のうち、90%ほどが白ワインです。
そして最も栽培されているブドウ品種はリースリングであり、高品質な辛口にはリースリングSマークを表記することが認められています。
その他にはミュラー トゥルガウや、土着品種であるエルプリング、ケルナーが栽培されています。
エルプリングはモーゼル川の上流で主に栽培されており、スパークリングワインであるゼクトに使用されています。